苗・株の選び方
良い株は、開いた花より、葉の間から立ち上がる閉じたつぼみが多いこと、葉が濃い緑で艶があり株元が詰まっていること、鉢を持ったときに土が適度に湿って重みがあることの3点で見分けます。
避けたいのは、葉先が茶色く枯れた葉が目立つ株と、花が緑色に変わったものばかりの株です。前者は店頭で水切れを繰り返した株、後者は花の盛りを過ぎた株で、次の花まで間が空きます。贈り物で受け取った株は、ラッピングを外して鉢底の水はけを確かめるところから始めてください。
スパティフィラム・メリーの育て方の要点
Hapot編集部より
スパティフィラム・メリーは、草丈30〜50cmにまとまる中型で、花付きの良さから国内の花屋で最もよく見かける品種のひとつとされます。一般的なスパティフィラムとの違いは、株が締まって葉が密に立ち、白い花が葉の上にそろって咲く点で、テーブルや棚の上に置いても圧迫感がありません。葉は先のとがった細めの長楕円形で艶があり、花は小ぶりながら数が多く、条件が合えば春から秋まで次々に咲きます。贈り物用の5〜6号鉢で流通することが多く、受け取ったあとも同じ管理で育て続けられる丈夫さがあります。花数が多いぶん、花の時期は水と肥料をよく使い、鉢が小さいため夏は水切れのサインが早く出ることを覚えておくと安心です。全草にシュウ酸カルシウムを含むのはほかの品種と同じで、ペットのいる家では置き場所を選びます。白い花を長く楽しみたい、最初の一鉢を探している人に向きます。
水やり
土の表面が乾いたらすぐたっぷり(夏は毎日確認)
日光
日陰
温度の目安
13-28°C
湿度
50-70%
土
保水性のある観葉植物用土
大きさの目安
鉢植えで高さ30〜50cm。葉は長さ15〜20cmほど。5〜6号鉢での流通が中心で、ギフト用の寄せ鉢にも使われます。
成長の速さ
中(春〜秋に葉と花を交互に出す)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
13-28°C
肥料
5〜9月に月1回、液肥(花の時期は2週に1回でも可)
成長速度
中(春〜秋に葉と花を交互に出す)
毒性
全草に不溶性のシュウ酸カルシウムを含み、ASPCAでは犬・猫に有毒とされる。かじると口の痛みやよだれ、嘔吐を起こすことがある
小さな鉢で花をたくさん咲かせる品種なので、水と肥料が切れないことが花を続けるコツです。つぼみが減ったら肥料切れか根詰まりを疑います。
良い株は、開いた花より、葉の間から立ち上がる閉じたつぼみが多いこと、葉が濃い緑で艶があり株元が詰まっていること、鉢を持ったときに土が適度に湿って重みがあることの3点で見分けます。
避けたいのは、葉先が茶色く枯れた葉が目立つ株と、花が緑色に変わったものばかりの株です。前者は店頭で水切れを繰り返した株、後者は花の盛りを過ぎた株で、次の花まで間が空きます。贈り物で受け取った株は、ラッピングを外して鉢底の水はけを確かめるところから始めてください。
置き場所は基本のスパティフィラムと同じく明るい日陰です。メリーは花を楽しむ品種なので、花を絶やさないなら、レースカーテン越しの窓辺から1m以内の明るさを選びます。それより暗い場所でも葉は育ちますが、つぼみの数が目に見えて減ります。株が小さく軽いので、窓辺の棚やダイニングテーブルに移動しやすく、季節で置き場所を変えられるのが利点です。冬は13°C以上を保ち、夜は冷え込む窓辺から部屋の中央へ寄せます。
よくある失敗は、テレビや家電の上に置いて、放熱で鉢の土が急に乾き、花が一斉にしおれることです。熱の出る機器から離した場所に戻し、たっぷり水を与えれば、数時間で花と葉が立ち直ります。
メリーは5〜6号の小さな鉢で流通することが多く、基本のスパティフィラムより土の量が少ないぶん乾くのが早い品種です。春〜秋は朝に土を触り、表面が乾いていればその日のうちにたっぷり与えます。夏の暑い日は毎日、春秋は2〜3日に1回が目安です。花が咲いている時期は特に水を使うので、葉がわずかに柔らかくなった段階で与えると花が長持ちします。冬は表面が乾いて1〜2日後の午前中に与えます。
よくある失敗は、贈り物のラッピングや鉢カバーを付けたまま水を与え、中に水がたまって根を傷めることです。ラッピングは外し、鉢カバーを使うなら水やりのたびに中の水を捨てます。根が傷んだ株は、乾き気味に管理すると2週間ほどで新しい根が伸びます。
小鉢でも水切れしにくい、保水性を高めた土が向きます。市販の観葉植物用土に、ピートモスか腐葉土を2割ほど足すのが手軽です。自分で配合するなら赤玉土(小粒)4、腐葉土3、ピートモス2、パーライト1が目安です。鉢底石は1〜2cmと薄めにして土の量を確保します。乾きやすい素焼き鉢より、プラスチック鉢や釉薬のかかった陶器鉢が向いています。元肥は緩効性肥料を規定量混ぜ、花の時期は液肥で補います。古い土は花付きが落ちる原因になるので、植え替えのたびに新しい土に替えます。
メリーの手入れの中心は花がら摘みです。花数が多いぶん、白から緑色に変わった花をこまめに根元から切ると、次のつぼみに養分が回り、花のリレーが続きます。花茎は株元までたどり、根元で切ります。途中で切ると残った茎が黄色く枯れ込みます。葉は密に出るので、株の内側で黄色くなった葉や、重なり合って光が当たらなくなった古い葉を付け根から抜くように切ると、株元に風が通ります。作業は通年でき、樹液に触れないよう手袋をします。
よくある失敗は、咲き始めの花を傷んだと思って切ることで、メリーは咲き始めに苞が淡い緑を帯びることがあります。数日で白くなるので、白から再び緑に変わってから切ってください。
道具を準備する
花がら摘みと葉の整理は通年できます。先の細い清潔なハサミと手袋を用意します。
緑に変わった花を見分ける
白から緑色に変わった花を選びます。咲き始めの淡い緑の苞は数日で白くなるので、切らずに残します。
花茎を根元で切る
花茎を株元までたどり、根元で切ります。途中で切ると、残った茎が黄色く枯れ込みます。
内側の古い葉を抜く
株の内側で黄色くなった葉や、重なって光が当たらない古い葉を付け根から切り、株元に風を通します。
植え替えは1年に1回、5〜6月か9月が目安です。メリーは小さな鉢で根が回りやすく、買った翌年に花が減ったら、まず根詰まりを疑います。鉢から抜いて根が白く巻いていれば植え替えの合図です。古い土を3分の1ほど落とし、黒い根を切って、直径3cm大きい鉢に植えます。株を大きくしたくない場合は、株分けして同じ鉢に戻します。植え替え後は2週間明るい日陰に置き、肥料は1か月後から再開します。
よくある失敗は、咲いている最中に植え替えて、花が一斉にしおれることです。花が多い時期は植え替えを避け、花が一段落した9月か、つぼみが上がる前の5月に行うと株の負担が軽く済みます。
時期と道具を準備する
花が一段落した9月か、つぼみが上がる前の5月に行います。直径3cm大きい鉢、保水性を高めた土、鉢底石、手袋、清潔なハサミを用意します。
株を鉢から抜く
前日に水を与えておき、鉢の縁を軽く叩いて株を抜きます。根が白く巻いていれば根詰まりで、植え替えの効果が大きい状態です。
古い土と傷んだ根を整理する
根鉢の周りと底の古い土を3分の1ほど落とし、黒く柔らかい根や、底で巻いた根を切ります。株を増やすならここで分けます。
元の高さで植え付ける
鉢底石を1〜2cm敷き、株元を元と同じ高さにして土を入れます。深植えにすると株元が蒸れやすいので避けます。
水を与えて休ませる
鉢底から流れるまで水を与え、2週間は明るい日陰に置きます。開いている花やつぼみが多ければ一部を切って株の負担を減らします。
株分けで増やせ、5〜6月か9月の植え替えに合わせて行います。メリーは芽の数が多く、根鉢を手で割るだけで分けやすい品種です。1株に芽が2〜3個と根が十分付くように分け、4〜5号鉢に植え付けます。分けた株は同じ年のうちに花が咲くこともあり、増やして友人に贈るのにも向いています。植え付け後は透明な袋を軽くかぶせて湿度を保つと、しおれずに根付きやすくなります。
よくある失敗は、分けたばかりの株に花やつぼみを残したまま植え、根が育たないうちに花へ養分を取られて株が弱ることです。分けた株のつぼみは思い切って切り、根付いて新しい葉が出てから花を咲かせます。
時期と道具を準備する
5〜6月か9月の植え替えと同時に行います。4〜5号鉢と土を分ける数だけ、透明な袋と手袋を用意します。
根鉢を手で割る
鉢から抜いた株の土を軽く落とし、芽の分かれ目に指を入れて、芽が2〜3個ずつのまとまりになるように手で割ります。
つぼみと花を切る
分けた株に付いた花やつぼみは根元から切り、根を育てることに養分を回します。傷んだ根も整理します。
植え付けて袋をかぶせる
それぞれを4〜5号鉢に植えてたっぷり水を与え、透明な袋を軽くかぶせて明るい日陰に置きます。
新しい葉が出たら通常管理へ
2〜3週間で新しい葉が動き出したら袋を外し、通常の水やりに戻します。液肥はその後から始めます。
メリーは葉が密に茂るため、株の内側の風通しが悪くなると、ハダニやカイガラムシが付きやすくなります。花が咲いている時期も週2〜3回の葉水を続けると、ハダニの予防になります。ただし花に水がかかると茶色いしみが出ることがあるので、葉水は葉の裏を中心にかけます。カイガラムシは葉柄の付け根に付くので、見つけたら綿棒や歯ブラシでこすり落とします。数が多いときは観葉植物用の殺虫剤を使います。
よくある失敗は、白い花に茶色い斑点が出たのを病気と思って薬剤を何度もかけることで、多くは水滴や寿命による変色です。傷んだ花は根元から切り、葉水は花を避けて行えば、新しく咲く花はきれいに咲きます。
つぼみが上がり始める時期です。水は表面が乾いたらすぐ与え、5月から月1回の液肥を始めます。植え替えは花が増える前の5月が適期です。レースカーテン越しの窓辺へ寄せると、つぼみの数が増えます。
小鉢は乾きが早いので、毎朝土を確かめ、乾いていればたっぷり与えます。花の多い時期は液肥を2週に1回にしても構いません。直射日光と西日は花と葉の両方を傷めるので避けます。冷房の風が直接当たらない場所に置きます。
秋の花が咲く時期で、終わった花はこまめに根元から切ります。肥料は9月で止め、水は表面が乾いてから与えます。9月は植え替えのもう一つの適期です。最低気温が13°Cを下回る前に、冷える窓辺から部屋の内側へ移します。
13°C以上を保てる明るい室内に置き、水は表面が乾いて1〜2日後の午前中に与えます。肥料は与えません。鉢カバーの中に水をためたままにしないでください。暖房で乾いた空気には、葉の裏への葉水で湿度を補います。
原因
つぼみの時期の水切れ。小さな鉢で土の量が少なく、乾ききるとつぼみの先から傷む。購入直後や置き場所を変えた直後の環境変化でも起こる。
対策
つぼみの時期は毎朝土を確かめ、乾いたらすぐたっぷり与えます。置き場所はレースカーテン越しの明るい日陰に決めて動かさず、傷んだつぼみは根元から切ります。
原因
ラッピングや鉢カバーの中に水がたまり、根が傷んでいる。鉢底の水はけが悪いまま水を与え続けたことが多い。
対策
ラッピングを外し、鉢カバーの中の水を捨てます。土が湿っているうちは水を止め、表面が乾いてから与えます。株元が黒い場合は鉢から抜いて傷んだ根を切ります。
原因
葉水や水やりで苞に水滴が残った。咲いてから日がたった花の寿命による変色の場合もある。
対策
花には水をかけず、葉水は葉の裏を中心にします。しみの出た花や緑に変わった花は、花茎の根元から切って次のつぼみに養分を回します。
原因
小さな鉢での根詰まりと肥料切れ。出荷時の開花処理の効果が切れて、株本来の花数に落ち着いたことも重なる。
対策
5〜6月に一回り大きな鉢へ植え替え、春〜秋は月1回の液肥を与えます。レースカーテン越しの窓辺から1m以内の明るさに置くと、つぼみが戻りやすくなります。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
スパティフィラムの花言葉は「上品な淑女」「清らかな心」です。メリーは白い花が葉の上にそろって咲くかわいらしさから、誕生日や母の日、退職祝いの贈り物としてよく選ばれます。花言葉は、帆のような白い苞の清楚な姿に由来するとされます。
風水では、白い花は浄化と調和を表し、気持ちを落ち着かせるとされます。メリーのような小ぶりの株は、ダイニングや書斎の机、寝室のサイドテーブルなど、身近な場所に白を添えるのに向くといわれます。丸みのある株姿は人間関係を和らげるとも考えられています。
メリーは草丈30〜50cmの中型で、花付きの良さが特徴の品種です。株が締まって葉が密に立ち、白い花が葉の上にそろって咲くため、テーブルや棚に置きやすい大きさです。育て方の基本は同じで、明るい日陰と、土の表面が乾いたらたっぷりの水やりで育ちます。小さな鉢で流通することが多く、乾きが早いので、夏は毎朝土を確かめるのがコツです。
植え替えと肥料を続ければ、翌年以降も咲きます。終わった花は花茎の根元から切り、春〜秋は月1回の液肥を与えます。贈り物の株は小さな鉢に根がいっぱいのことが多いので、翌年の5〜6月に一回り大きな鉢へ植え替えると、つぼみが戻りやすくなります。出荷時に開花を促す処理がされていることもあり、2年目の花数は落ち着く場合がありますが、株が充実すれば毎年咲きます。
多くは花に水がかかったことか、花の寿命による変色です。葉水や水やりのときに苞に水滴が残ると、茶色いしみになることがあります。花には水をかけず、葉の裏を中心に霧吹きしてください。咲いてから日がたった花は、白から緑や茶色に変わっていくのが自然な流れです。しみが出た花は根元から切ると、新しいつぼみに養分が回ります。
水切れか、急な環境の変化が原因のことが多いです。小さな鉢でつぼみを付けている時期に土が乾ききると、つぼみの先から茶色くなって開かずに終わります。つぼみの時期は土の乾きを毎日確かめ、乾いたらすぐ与えてください。購入直後や置き場所を大きく変えた直後にも、つぼみが止まることがあります。明るい日陰の定位置を決めて動かさないようにすると、次のつぼみから咲くようになります。
ペットには有毒とされるので、届かない場所に置くことをおすすめします。全草に不溶性のシュウ酸カルシウムを含み、かじると口の痛みやよだれ、嘔吐を起こすことがあります。メリーは小さく軽いので、棚の上や吊り棚など、ペットが乗れない高い場所に置きやすいのが利点です。落ちた花や切った葉もかじられないよう、すぐに片づけてください。
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執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。