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花卉初心者向け

ツワブキの育て方

Farfugium japonicum最終更新日:

ツワブキの育て方の要点

水やり
庭植えは根付けば雨任せ。鉢は表面が乾いたら
置き場所
半日陰
冬越し
-5°C 以上を保つ

Hapot編集部より

ツワブキ(石蕗)は、日陰の庭でも一年中つやのある丸い葉を保ち、10月から12月に黄色い花を咲かせる常緑の宿根草です。日本の海岸近くの岩場や林の縁に自生する植物で、名前は「艶のある葉の蕗(つやぶき)」が変化したものといわれます。フキに似た葉をしていますが、フキが冬に地上部を枯らすのに対し、ツワブキは冬も葉が残るため、建物の北側や木の下など花の少ない場所を一年中緑で覆えます。花の少ない晩秋に、葉の上へすっと花茎を伸ばしてキクに似た明るい黄色の花を咲かせ、日陰の庭の主役になります。乾燥にも潮風にも強く、植えっぱなしで何年も育つ丈夫さから、和風の庭や坪庭の足元の定番です。斑入りや葉が縮れる獅子葉など葉を楽しむ品種も多くあります。若い葉柄は「きゃらぶき」として食べられてきましたが、生のままでは食べられず、十分なあく抜きが必要です。

ツワブキの姿

分類・基本データ

科
キク科
属
ツワブキ属 Farfugium
種
ツワブキ
別名
石蕗、艶蕗、ツワ、イシブキ
原産地
日本(本州の福島県・石川県以南、四国、九州、沖縄)、朝鮮半島南部、台湾、中国の海岸近くに自生します。

ツワブキの育て方の5つのポイント

水やり

庭植えは根付けば雨任せ。鉢は表面が乾いたら

日光

半日陰

温度の目安

-5〜35°C(関東以西で庭植え可。寒冷地は霜よけ)

湿度

50-70%

土

水はけがよく、腐葉土を含む土

ツワブキはどれくらい大きくなる?

大きさの目安

葉の高さは30〜50cm、花茎は50〜70cmほどに伸びる。株は直径40〜60cmほどにまとまる。

成長の速さ

遅め(株がゆっくり大きくなる)

温度の目安(耐寒〜耐暑)

-5〜35°C(関東以西で庭植え可。寒冷地は霜よけ)

ケアのポイント

肥料

春と花後に緩効性肥料を少量

成長速度

遅め(株がゆっくり大きくなる)

毒性

肝臓に害のあるピロリジジンアルカロイドを含む。食用にするなら必ずあく抜きし、生食はしない。ペットにも食べさせない

手入れは、花後の花茎切りと、傷んだ古い葉を付け根から取ることの2つでほぼ足ります。日陰でも葉の美しさを保てるのがツワブキの強みです。

育て方の詳細

苗・株の選び方

苗は春と秋に多く出回り、秋は花付きの株で花の色や咲き方を確かめて選べます。葉の色が濃くつやがあり、株元から葉が何枚もまとまって出ているものが良い苗です。

葉の縁が茶色く枯れ込んでいるもの、葉に白い線の食害跡が多いもの、株元がぐらついているものは避けます。斑入りや獅子葉など葉を楽しむ品種は、斑の入り方や葉の形が好みに合うかを株ごとに見て選びます。斑入りは日焼けしやすいので、植える場所が明るい日陰かどうかも考えておきます。

置き場所・日当たり

直射日光が1日数時間当たる程度の半日陰から、明るい日陰が向いています。建物の北側や東側、落葉樹や常緑樹の足元、塀の内側など、ほかの花が育ちにくい場所でもよく育ちます。日なたでも枯れることはありませんが、真夏の強い日差しや西日に当たると葉が黄ばんだり、葉焼けで茶色く傷んだりして、つやのある葉の美しさが損なわれます。特に斑入りの品種は日焼けしやすいので、明るい日陰を選びます。逆に、まったく日の差さない暗い場所では花茎が上がらず、花が咲かないことがあります。海岸の植物なので潮風に強く、海沿いの庭でも使えます。耐寒性は関東以西の平地なら庭植えで冬を越せる程度で、寒冷地では強い霜で葉が傷むため、鉢植えにして冬は軒下に移します。和風の庭では庭石や灯籠の根元、洋風の庭ではギボウシやシダと組み合わせた日陰の植栽によく合います。

水やりの詳細

ツワブキは乾燥に比較的強く、庭植えなら根付いたあとは雨任せで十分育ちます。植え付けから1か月ほどは根が張っていないので、土の表面が乾いたら水を与えます。真夏に雨が降らない日が続き、葉が垂れ下がってきたら、朝か夕方に株元へたっぷり与えます。鉢植えは土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまで与えます。夏は乾きが早いので朝に確認し、冬は生育がゆっくりになるため、乾いてから2〜3日おいて与える程度に減らします。常に土が湿っていると根が傷み、葉の付け根が腐ることがあるので、受け皿に溜まった水は捨てます。花茎が伸びる9〜10月に水が切れると、つぼみが小さいまま開かないことがあるので、鉢植えはこの時期の乾きに注意します。葉の上から水をかけると葉の汚れも落ちて、つやが戻ります。

最適な土の作り方

水はけがよく、腐葉土などの有機物を含んだ土を好みます。庭植えは植え付け前に深さ30cmほど耕し、腐葉土を2〜3割混ぜてやわらかくします。粘土質で水が溜まりやすい場所は、土を盛って少し高くしてから植えます。鉢植えは赤玉土小粒6、腐葉土3、軽石かパーライト1を混ぜるか、市販の草花用培養土に赤玉土を2割ほど足して水はけをよくします。根が太く伸びるので、鉢は株の大きさより一回り大きく、深さのあるものを選びます。

剪定・切り戻し

ツワブキは基本的に放任で育ちますが、花が終わったあとの花茎切りと、古い葉の整理をしておくと株が美しく保てます。花は11月から12月に咲き終わると、タンポポのような綿毛の種をつくります。種を採らない場合は、花茎を付け根近くで切り取ると、種づくりに使う体力を株に残せ、綿毛が庭に飛び散ることも防げます。葉は常緑ですが、古い葉は年数とともに黄色くなったり、冬の寒さや夏の日差しで傷んだりします。傷んだ葉は葉柄の付け根から切り取ると、新しい葉が出やすくなり、株元の風通しもよくなります。作業は3〜4月の新芽が出る前か、花後に行うのがよい時期です。新しい葉を一度にすべて切ると株が弱るので、残す葉を決めてから傷んだ葉だけを取ります。

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    花茎を切る

    花が咲き終わったら、花茎を付け根近くで切り取ります。種を採る場合は、綿毛が開いてから集めて切ります。

  2. 2

    傷んだ葉を選ぶ

    黄色くなった古い葉、葉焼けや寒さで茶色く傷んだ葉、食害の多い葉を選びます。元気な葉は残します。

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    付け根から切る

    選んだ葉を葉柄の付け根で切り取ります。途中で切ると残った葉柄が腐りやすいので、根元まで切ります。

  4. 4

    株元を片付ける

    株元に溜まった枯れ葉や落ち葉を取り除き、風通しをよくします。ナメクジなどの隠れ場所をなくせます。

植え替え

鉢植えは根が鉢いっぱいに回ってくる2〜3年に1回、3〜4月か、暑さが落ち着いた9〜10月に植え替えます。鉢底の穴から根が出ている、水がしみ込みにくくなった、葉が小さくなってきた、などが植え替えの合図です。鉢から抜いたら古い土を3分の1ほど落とし、黒く傷んだ根を切り取って一回り大きな鉢に植え直します。株が大きくなりすぎた場合は、このときに株分けをして同じ鉢に戻すこともできます。庭植えは植え替えの必要はほとんどなく、株が混み合って葉が小さくなったときに掘り上げて株分けします。植え付けるときは、株元が周りの土と同じ高さになるようにし、深植えしないことが大切です。植え替え後は明るい日陰で水を切らさず、2週間ほど養生させます。

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    時期と用意するもの

    3〜4月か9〜10月に行います。一回り大きな鉢、赤玉土・腐葉土・軽石か草花用培養土、鉢底石、清潔なハサミを用意します。

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    株を抜いて根を整える

    鉢から抜いて古い土を3分の1ほど落とし、黒く傷んだ根を切り取ります。大きすぎる場合は、ここで2〜3つに株分けします。

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    高さを合わせて植える

    鉢底石を敷いて土を入れ、株元が鉢の縁より2〜3cm下になるよう高さを合わせて植えます。深植えすると株元が蒸れるので避けます。

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    水やりと養生

    鉢底から流れ出るまで水を与え、2週間ほどは明るい日陰で乾かさないよう管理します。新しい葉が動いたら定位置へ戻します。

増やし方

家庭で増やすなら春の株分けが確実です。3〜4月に株を掘り上げ、芽と根が付くように手かナイフで2〜3つに分けて植え付けます。株分けは9〜10月にもできますが、花の時期と重なるので、花を楽しみたい場合は春に行います。種まきでも増やせます。花後にできた綿毛付きの種を12月ごろに採り、すぐにまくか、乾かさないように保存して春にまきます。種から育てた株は花が咲くまでに2〜3年かかり、斑入りなど園芸品種の特徴は受け継がれないことが多いので、品種の葉の模様を残したい場合は株分けで増やします。株分けした株は、根が張るまで1か月ほどは乾かさないように管理します。

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    株を掘り上げる

    3〜4月の新芽が出るころに、株の周りを広めに掘って根を切らないように掘り上げます。

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    芽と根を付けて分ける

    株元をよく見て、芽と根が付くように手かナイフで2〜3つに分けます。小さく分けすぎると、根付くまでに時間がかかります。

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    植え付ける

    腐葉土を混ぜた土に、株元が周りの土と同じ高さになるよう植え付けます。傷んだ古い葉は付け根から取っておきます。

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    根付くまで管理する

    たっぷり水を与え、1か月ほどは土の表面が乾いたら水を与えます。明るい日陰で育て、新しい葉が増えてきたら根付いた合図です。

病害虫対策

病害虫には強いほうですが、アブラムシ、ハモグリバエ(エカキムシ)、ナメクジに注意します。アブラムシは春や秋の新芽やつぼみの周りに付くので、見つけたら水で洗い流すか取り除きます。ハモグリバエの幼虫は葉の中を食べ進み、白い線で落書きをしたような跡を残します。見た目は悪くなりますが株が枯れることはまれで、跡の先端にいる幼虫を指でつぶすか、被害の多い葉を切り取ります。ナメクジは湿った日陰で新しい葉や花を食べるので、夜に見回って取り除くか、誘引剤を使います。風通しが悪いと葉に褐色の斑点が出る病気が出ることもあるため、傷んだ葉を早めに取り、株元を蒸らさないようにします。落ち葉や枯れ葉が株元に溜まると害虫の隠れ場所になるので、こまめに片付けます。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
種蒔き
開花
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 3月植え付け・株分け・植え替え・古い葉の整理
  • 4月春の肥料・若い葉柄が伸びる
  • 7月西日と葉焼けに注意
  • 8月日照り時の水やり・ナメクジ対策
  • 9月花茎が伸びる・水切れに注意
  • 10月黄色い花が咲き始める
  • 11月見頃・花後の肥料
  • 12月花茎を切る・種を採る

季節ごとの管理

春の管理

3〜4月は新しい葉が出てくる時期で、植え付け、株分け、鉢の植え替えの適期です。傷んだ古い葉を付け根から取り、緩効性肥料を少量施します。若い葉柄が伸びるこの時期に、きゃらぶき用に収穫されます。

夏の管理

葉が茂る時期です。強い日差しや西日で葉焼けしやすいので、鉢植えは明るい日陰へ移します。庭植えは日照りが続いたら水を与えます。湿った夜にナメクジが葉を食べることがあるので、葉の穴に気を付けます。

秋の管理

9月ごろから花茎が伸び、10月から12月に黄色い花が咲きます。つぼみが伸びる時期は鉢の水切れに注意します。花の少ない時期の庭を明るくしてくれます。9〜10月は植え付けや株分けもできます。

冬の管理

花が終わったら花茎を付け根から切り、種を採る場合は綿毛が開いたころに集めます。常緑で冬も葉が残り、関東以西では防寒は不要です。寒冷地の鉢植えは軒下など霜の当たらない場所で冬を越させます。

10月の作業をくわしく知りたいときは秋の植え替えの記事も参考になります。

よくあるトラブルと対策

葉に白い線で落書きをしたような跡がある

原因

ハモグリバエ(エカキムシ)の幼虫が葉の中を食べ進んだ跡です。

対策

線の先端にいる幼虫を指でつぶすか、被害の多い葉を付け根から切り取ります。株が枯れることはまれなので、新しい葉を見守ります。

「虫がついた」の原因の見分け方と対処を詳しく

夏に葉が黄色くなったり、茶色く焼けたりした

原因

真夏の直射日光や西日による葉焼けです。斑入りの品種は特に日焼けしやすい性質です。

対策

傷んだ葉は付け根から切り取ります。鉢植えは明るい日陰へ移し、庭植えは秋か春に半日陰へ植え替えます。

「葉が黄色くなる」の原因の見分け方と対処を詳しく

葉は茂るのに花が咲かない

原因

日当たりが極端に悪い、株分けや植え付けから間もない、株が混み合っているなどが考えられます。

対策

数時間は日が当たるか、明るい日陰の場所へ移します。混み合った株は春に株分けすると、翌秋から咲きやすくなります。

「花が咲かない」の原因の見分け方と対処を詳しく

新しい葉や花に穴があいている

原因

湿った日陰に多いナメクジが、夜に食べていることが多い原因です。

対策

夜に懐中電灯で見回って取り除くか、ナメクジ用の誘引剤を使います。株元の枯れ葉や落ち葉を片付けて隠れ場所をなくします。

「虫がついた」の原因の見分け方と対処を詳しく

ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

ツワブキの花言葉・風水

花言葉

ツワブキの花言葉は「困難に負けない」「愛よよみがえれ」「謙譲」などとされます。日陰や潮風の当たる岩場でも枯れずに葉を保ち、寒さが来る晩秋に明るい花を咲かせる姿から、くじけない強さが連想されたといわれます。

風水・縁起

風水では、黄色い花は金運を呼ぶ色とされ、常緑の丸い葉は穏やかな気を保つといわれます。日陰になりやすい北側の庭に植えると、暗くなりがちな場所を明るく見せてくれます。根拠のある話ではないので、半日陰という育ちやすさを優先して場所を決めるのがおすすめです。

ツワブキのよくある質問

Qツワブキはどんな場所に植えればいいですか?回答を見る
A

半日陰から明るい日陰が最適です。建物の北側や木の下など、ほかの花が育ちにくい日陰の庭でも、つやのある葉を一年中保てます。ただし、まったく日の差さない場所では花が咲きにくくなります。真夏の西日が当たる場所は葉焼けしやすいので避けます。

Qツワブキの花が終わったら、どう手入れすればいいですか?回答を見る
A

花茎を付け根近くで切り取るのが基本です。そのままにすると綿毛の種ができて株の体力を使い、綿毛が周りに飛び散ります。種を採りたい場合は、綿毛が開いたころに集めてから花茎を切ります。あわせて、黄色くなった古い葉や傷んだ葉を付け根から取ると、春に新しい葉が出やすくなります。

Qツワブキは食べられますか?回答を見る
A

若い葉柄は「きゃらぶき」などにして食べられてきましたが、生のままでは食べられません。ツワブキには肝臓に害のあるピロリジジンアルカロイドという成分が含まれ、皮をむいてゆでこぼし、水にさらす十分なあく抜きが必要とされています。食べる場合は信頼できる調理法に従い、量も控えめにします。庭のツワブキをペットがかじらないよう注意してください。

Qツワブキの花が咲かないのはなぜですか?回答を見る
A

多い原因は、日当たりが極端に悪い、株を分けたり植えたりして間もない、株が混み合いすぎているの3つです。まったく日の差さない場所では、葉は茂っても花茎が上がりにくくなります。半日以上は明るい日陰か、数時間は日が当たる場所に移し、混み合った株は春に株分けすると、翌秋から咲きやすくなります。

Qツワブキとフキの違いは何ですか?回答を見る
A

どちらもキク科で葉の形が似ていますが、別の属の植物です。ツワブキは葉が厚く表面につやがあり、冬も葉が残る常緑です。フキは葉が薄くつやがなく、冬は地上部が枯れて、春にふきのとうが出ます。花もツワブキは秋に黄色く咲き、フキは早春に白っぽい花を咲かせます。

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10月の季節の作業と、ツワブキの手入れで迷いやすいところに合わせて選んでいます。

この記事について

執筆: Hapot編集部

植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。

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