苗・株の選び方
良い苗は、クラウンが太く直径1cm以上あること、葉が3〜4枚以上で葉色が濃いこと、鉢底から白い根が見えることの3点で選びます。
避けたいのは、葉に白い粉や斑点が出ている苗と、クラウンが細くひょろ長く徒長した苗です。10〜11月の店頭に並ぶ苗が植え付け適期のサインで、初めてなら病気に強い宝交早生や、ランナーがよく出る章姫が育てやすい品種です。ウイルスフリー表示のある苗を選ぶと生育が安定し、翌春の実付きも揃います。
Hapot編集部より
イチゴは、深さ20cm以上のプランター1つと日当たりがあれば、初めてでも収穫までたどり着ける、家庭菜園の中で最も手軽な果物です。秋に苗を植えて春に収穫する一季なりと、春から秋まで繰り返し実る四季なりの2タイプがあり、初めてなら管理が単純で甘みの乗りやすい一季なり(章姫、とちおとめ、宝交早生など)が向いています。完熟してから摘んだ実は、輸送のために早採りされる市販品とは香りも甘さも別物です。栽培の要点は、1日5時間以上の日照、クラウンを埋めない浅植え、開花期の受粉の3つです。耐寒性は強く、冬に葉が赤くなって地面に張り付いても株は生きています。収穫後はランナーで子株が採れるため、1年目の数株が翌年には10株以上に増え、苗を買わずに栽培が続きます。ベランダで十分育ち、子どもと一緒に育てる最初の食べられる植物としても向いています。

水やり
土の表面が乾いたら(実付き期は毎日チェック)
日光
直射日光
温度の目安
5-25°C(生育適温17-23°C)
湿度
40-60%
土
野菜用培養土(弱酸性)
大きさの目安
草丈15〜30cm。プランター・鉢・袋栽培・立体栽培と省スペースで楽しめる。
成長の速さ
中
温度の目安(耐寒〜耐暑)
5-25°C(生育適温17-23°C)
肥料
植え付け2週後・花芽が見えた頃・収穫後に追肥
成長速度
中
毒性
食用。ペットにも無害
「浅植え(クラウンを埋めない)」が最重要。実の時期の水切れと肥料過多に気をつければ、プランターで十分甘い実が採れます。
良い苗は、クラウンが太く直径1cm以上あること、葉が3〜4枚以上で葉色が濃いこと、鉢底から白い根が見えることの3点で選びます。
避けたいのは、葉に白い粉や斑点が出ている苗と、クラウンが細くひょろ長く徒長した苗です。10〜11月の店頭に並ぶ苗が植え付け適期のサインで、初めてなら病気に強い宝交早生や、ランナーがよく出る章姫が育てやすい品種です。ウイルスフリー表示のある苗を選ぶと生育が安定し、翌春の実付きも揃います。
1日5〜6時間以上日の当たる場所で育てます。生育適温は17-23°Cで、日照が足りないと花数が減り、実も甘くなりません。ベランダなら最も日当たりの良い手すり際にプランターを置き、深さ20cm以上、株間20cmを確保します。寒さには強く、-5°C程度の霜に当たっても枯れず、葉が赤くなって地面に張り付くのは正常な越冬姿です。一季なり品種はむしろ冬の低温に当てることで花芽が充実するため、冬も屋外に置いたままにします。開花後は雨に当たると実が傷みやすいので、軒下に移動できるプランター栽培が品質面で有利です。失敗例として、暖かい室内で冬越しさせて春に花が少なくなることがあります。この場合は追肥で株を育てて収穫後のランナーで子株を作り、秋の植え付け後は屋外で寒さに当てれば翌春から花数が戻ります。
土の表面が乾いたら朝にたっぷり与えるのが基本で、春の生育期はプランターで2〜3日に1回、実の肥大期は毎日確認します。イチゴは根が浅く乾燥に弱い一方、過湿では根腐れや灰色かび病が増えるため、水管理が味を左右します。開花から実の肥大期の水切れは実が小さくなる直接の原因なので、この時期だけは切らさないでください。逆に収穫直前に与えすぎると味が薄まるため、色づき始めたら控えめにします。冬の休眠期は乾き気味に保ち、週1回程度で十分です。水は株の中心(クラウン)にかけず、株元の土に注ぐと病気の予防になります。失敗例として、4月に2日続けて水を切らし、葉がしおれて実がしぼむことがあります。すぐにたっぷり与えて半日陰に1日置けば葉は戻り、しぼんだ実を摘み取れば次の花房の実は正常に育ちます。
市販の野菜用培養土かイチゴ専用培養土で十分です。自分で配合するなら赤玉土6、腐葉土3、バーミキュライト1に緩効性肥料を混ぜ、鉢底石を2〜3cm敷きます。プランターは深さ20cm以上、株間20cmを確保し、地植えは畝を10cmほど高くして水はけを良くし、植え付け2週間前に堆肥と苦土石灰を混ぜておきます。最も重要なのは植え付けの深さで、クラウンを土に埋めると生長点が腐り、浅すぎると根が乾きます。クラウンの首元が土の表面すれすれに見える浅植えを守ってください。
手入れの中心は葉かき、ランナー切り、花がら摘みの3つで、清潔なハサミを使います。枯れた下葉や赤くなった古葉は付け根から取り除き、風通しを保って灰色かび病を防ぎます。収穫までに伸びるランナーは実に栄養を回すため根元から切り、収穫が終わった花茎も切り取ります。一季なりでは春の最初の花房で、小さすぎるつぼみを2〜3個摘むと残った実が大きく甘くなります。1株に付ける実は10〜15個が目安で、それ以上は摘果して株の負担を減らします。収穫は実全体が赤く色づき、ヘタの近くまで染まった朝が適期で、ヘタの上の茎をハサミで切ります。失敗例として、古葉を残したまま株が蒸れ、実が次々にカビることがあります。傷んだ実と古葉をすべて取り除き、株間を空けて軒下へ移せば、次に色づく実からは正常に収穫できます。
葉かきの時期と道具を準備する
3月の生育再開時と収穫期を通して行います。清潔なハサミと処分用の袋を用意し、作業は晴れた日の午前中に済ませます。
枯れ葉と古葉を付け根から取る
赤くなった古葉や枯れた下葉を付け根から取り除き、風通しを良くします。1株あたり葉を5〜7枚残すと実に養分が回ります。
収穫前のランナーを根元から切る
開花から収穫の間に伸びるランナーは根元から切ります。放置すると養分が流れて実が小さくなるので、週1回確認してください。
つぼみと実を摘んで数を絞る
最初の花房の小さすぎるつぼみを2〜3個摘み、1株の実は10〜15個に絞ります。残った実が大きく甘くなります。
収穫後の花茎を切って追肥する
収穫が終わった花茎は付け根から切り取ります。作業後は株元に緩効性肥料を少量与え、傷んだ葉が出ていないか1週間後に見回ります。
苗の植え付けは10月中旬〜11月が適期で、翌春に収穫できます。3〜4号ポット苗を用意し、プランターは深さ20cm以上、株間20cmで、クラウンを埋めない浅植えにして、たっぷり水を与えます。ランナーの切り跡の反対側に実が付くため、切り跡を通路と反対側に向けて植えると収穫が楽です。四季なりは3〜4月の春植えでも夏から実ります。同じ株で翌年も育てられますが、実付きは年々落ちるため、ランナーで更新した子株を毎年秋に植え直すのが基本のサイクルです。鉢増しは収穫後の6〜7月か秋に行い、古い土は使い回しません。失敗例として、深植えでクラウンが腐り、中心の新葉が黒ずむことがあります。早めに株を掘り上げてクラウンが見える高さに植え直し、水を控えめにすれば、外側の芽から立ち直ることがあります。
植え付けの時期と道具を準備する
適期は10月中旬〜11月です。深さ20cm以上のプランター、野菜用培養土、鉢底石、緩効性肥料、3〜4号ポットの苗を用意します。
鉢底石と培養土を入れる
鉢底石を2〜3cm敷き、緩効性肥料を混ぜた培養土を縁から3cm下まで入れます。地植えは畝を10cm高くして水はけを良くしてください。
ランナーの跡を確認して向きを決める
苗のランナーの切り跡の反対側に実が付きます。切り跡を通路と反対側に向け、株間20cmで植え穴を掘ります。
クラウンを埋めない浅植えにする
根鉢を崩さず植え穴に置き、クラウンの首元が土の表面すれすれに見える高さに調整して土を寄せます。深植えは生長点が腐る原因です。
水を与えて根付くまで管理する
鉢底から流れるまでたっぷり水を与え、日当たりの良い場所に置きます。根付くまでの2週間は土を乾かさず、2週間後に追肥を始めます。
ランナーで簡単に増やせます。収穫後の6〜8月、株から伸びるランナーの先に付く子株を、培養土を入れた3号ポットの上に置き、U字ピンで固定します。2〜3週間で発根し、葉が3〜4枚になったら親株側のランナーを3cm残して切り離します。親株に一番近い太郎苗は病気を引き継ぎやすいため使わず、次郎苗と三郎苗を選ぶのが昔からのコツです。1株から5〜10株の子株が採れるので、秋の植え付けに必要な数だけ残し、9月までポットで育てます。夏の高温期は明るい日陰で管理し、土を乾かさないようにします。失敗例として、切り離しが早すぎて子株がしおれることがあります。しおれた子株は日陰で水を切らさず様子を見て、回復しないものは諦め、残りのランナーは発根を確認してから切り離すようにすれば、翌年分の苗は確保できます。
ランナー採りの時期と道具を準備する
収穫後の6〜8月に行います。培養土を入れた3号ポット、U字ピンか針金、清潔なハサミ、ラベルを用意し、親株は明るい日陰に置きます。
子株を選んでポットに固定する
ランナーの先に付く子株のうち、親株に一番近い太郎苗を避け、次郎苗と三郎苗を選びます。子株の根元をポットの土に触れさせてU字ピンで固定します。
発根まで土を乾かさない
ポットの土が乾かないよう毎日確認し、2〜3週間で発根します。葉が3〜4枚になり、軽く引いても動かなければ根付いた合図です。
親株からランナーを切り離す
親株側のランナーを3cm残して切ります。残した部分が切り跡になり、翌春はその反対側に実が付くので植え付けの向きの目印になります。
植え付けまでポットで育てる
9月まで明るい日陰で育て、土が乾いたら水を与えます。月2回薄めの液肥を与え、10〜11月に浅植えで定植すれば翌春に収穫できます。
主な相手はアブラムシ、ハダニ、うどんこ病、灰色かび病です。アブラムシとハダニは春に増えるため、週1回葉裏を確認し、見つけ次第水で洗い流します。うどんこ病は葉や実に白い粉が付く症状で、風通しの確保と発生初期の重曹水スプレーで抑えます。実の時期の最大の敵は灰色かび病で、雨に当てない、過湿にしない、傷んだ実をすぐ取り除くの3点で防ぎます。株元に敷きワラをして実を土に触れさせないと、汚れと病気の両方を防げます。色づいた実は鳥とナメクジに狙われるため、防鳥ネットを掛け、ナメクジは夜間の見回りか誘引剤で対処します。失敗例として、雨ざらしで長雨が続き、実の半分がカビて収穫できないことがあります。傷んだ実と花がらをすべて取り除いて軒下に移し、枯れ葉を整理して風を通せば、次の花房からは健全な実が採れます。
開花と収穫の最盛期です。水は土の表面が乾いたら朝にたっぷり与え、3月に緩効性肥料を追肥します。日当たりの良い軒下に置き、晴れた午前中に筆で花の中心をなでて受粉を助けます。灰色かび病が出やすいため、傷んだ実はすぐ取り除いてください。
収穫が終わり、ランナーで子株を作る時期です。水は朝にたっぷり与え、肥料は控えめにして株を休ませます。明るい日陰か西日を避けた場所に置き、暑さで株が疲れるため、枯れ葉を整理してハダニと蒸れを防ぎます。
10〜11月が植え付けの適期です。クラウンを埋めない浅植えにし、根付くまで土を乾かさないよう水を与えます。植え付け2週間後に緩効性肥料を追肥し、日当たりの良い場所に置きます。アブラムシが新葉に付きやすいので葉裏を確認してください。
休眠期で、葉が赤くなって地面に張り付くのは正常です。水は週1回程度に減らし、肥料は与えません。屋外の日当たりに置いたまま寒さに当てると花芽が充実します。霜柱で株が浮き上がることがあるので、株元を軽く押さえて根の乾燥を防いでください。
10月の作業をくわしく知りたいときは秋の植え替えの記事も参考になります。
原因
灰色かび病です。開花から収穫期の長雨、過湿、風通し不足で多発します。
対策
発症した実と花がらはすぐに取り除いて処分します。雨の当たらない軒下へ移し、枯れ葉を整理して風を通してください。敷きワラで実が土に触れないようにするのも効果的です。
原因
うどんこ病です。春と秋の昼夜の寒暖差が大きい時期に発生しやすくなります。
対策
発症した葉を取り除き、株間を空けて風通しを確保します。実が付いている時期は食用作物に使える薬剤や重曹水スプレーで初期に抑えるのがコツです。
原因
受粉不足が主な原因です。虫の少ないベランダや、開花期の低温と雨で受粉がうまくいかないと実が肥大しません。
対策
晴れた日の午前中に筆で花の中心を軽くなでて受粉を助けます。雨の日は軒下に移し、気温が10°Cを下回る日は不織布を掛けて花を守ってください。
原因
日照不足か低温です。日当たりが1日5時間を切ると着色が遅れ、3月の寒の戻りでも色づきが止まります。
対策
プランターを最も日当たりの良い場所へ移し、葉が実を覆っていれば葉かきをして光を当てます。寒い日は不織布で保温すると、数日から1週間で色づきが進みます。
原因
色づいた実はナメクジ、鳥、ダンゴムシに狙われます。実が土に触れていると被害が増えます。
対策
防鳥ネットを掛け、株元に敷きワラをして実を浮かせます。ナメクジは夜間の見回りで捕まえるか誘引剤を置き、かじられた実は早めに取り除いてください。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
イチゴの花言葉は「幸福な家庭」「尊重と愛情」とされます。一株から次々と実り、ランナーで子株を増やして家族のように広がっていく姿や、ヨーロッパで聖母マリアに捧げられた果実とされた伝承に由来するといわれます。
赤い実を付ける植物は「陽の気」を持ち、家庭運と愛情運を高めるとされます。イチゴは春に一斉に実ることから、家に明るい変化を呼び込む植物ともいわれ、ベランダの南から東側で育てると相性が良いとされます。熟した実を放置せず摘み取ることが運気を保つ条件とされます。
最も多い原因は受粉不足です。屋外なら虫が受粉しますが、高層階のベランダや虫の少ない環境では、開花したら柔らかい筆や綿棒で花の中心を優しくなで、まんべんなく花粉を付けてください。晴れた日の午前中が適しています。受粉にムラがあると、その部分が膨らまずいびつな実になります。ほかに肥料切れ、水切れ、株の老化も実が小さくなる原因です。追肥の時期を守り、2年目以降の株はランナーの子株に更新してください。
窒素肥料の与えすぎが典型的な原因です。追肥をいったん止め、リン酸の多い花と実用の肥料に切り替えてください。一季なり品種は、花芽が秋の低温と短日で作られるため、植え付けが12月にずれ込んだり、冬に室内へ入れたりすると花芽が不十分になります。11月までに植え付けて自然の寒さに当てることが大切です。日照不足でも花は減るので、1日5時間以上の日当たりも確認してください。
初めてなら一季なりをおすすめします。春の一時期に集中して実るためリズムが分かりやすく、味も濃くて甘い傾向があります。四季なりは春から秋まで長く楽しめる魅力がありますが、夏の暑さ対策と継続的な追肥が必要で、一粒あたりの味は一季なりにやや劣る傾向があります。収穫の感動を確実に味わいたいなら一季なり、長い期間少しずつ楽しみたいなら四季なりと、目的で選んでください。
収穫が終わるまでは根元から切り、収穫後に伸びるものだけ子株用に残します。開花から収穫の間にランナーを放置すると、養分がランナーに流れて実が小さくなり、味も落ちます。10月に植えた苗から春までに出るランナーも同様にすべて切ってください。収穫が終わる6月以降は逆に伸ばし、先端の子株をポットに受けて増やします。1株から5〜10株採れるので、必要な数だけ残して残りは切ると親株の負担が減ります。
育てられますが、実の数と大きさは2年目から落ち、3年目にはかなり減るため、毎年ランナーの子株に更新するのが基本です。親株は病気やウイルスをため込みやすく、株が古くなるほど灰色かび病やうどんこ病も出やすくなります。収穫後の6〜8月に次郎苗と三郎苗を採って9月までポットで育て、10〜11月に新しい培養土へ植え付ければ、苗を買わずに毎年同じ収穫量を保てます。親株は子株が根付いたら処分して構いません。
イチゴの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。

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10月の作業と、イチゴの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。