柑橘の種類一覧|5品種の違いと選び方
柑橘(ミカン属)は、1本でも実がなり、鉢植えでも収穫まで楽しめる果樹の代表です。図鑑には、ミカン(温州ミカン)・レモン・ユズ・キンカン・ライムの5種を掲載しています。種類による一番大きな違いは寒さへの強さで、ユズやキンカンは庭植えしやすく、レモンやライムは冬の防寒が欠かせません。育てやすさ、耐寒性、収穫時期、トゲの有無を一覧で比べ、住んでいる地域と置き場所に合う選び方をまとめました。
柑橘の品種を比較
横にスクロールすると、ほかの項目も比べられます
| 品種 | 大きさの目安 | 難易度 | 日当たり | 水やり | 冬の最低温度 |
|---|---|---|---|---|---|
キンカン | 鉢植えで1m前後、庭植えで2〜3m。6〜10号鉢で結実します。 | 初心者向け | 直射日光 | 鉢植えは土の表面が乾いたら(夏は毎日確認、冬は週1回程度) | -5°C 以上 |
ミカン | 放任で3〜4m、管理して2〜2.5m。鉢植えなら1.5m前後で結実可能。 | 中級者向け | 直射日光 | 庭植えは夏の日照り時のみ。鉢は表面が乾いたら | -5°C 以上 |
ユズ | 庭植えで3〜4m。剪定で2m前後に保てる。鉢植えは1〜1.5mほど。 | 中級者向け | 直射日光 | 庭植えは根付けば雨任せ。鉢は表面が乾いたら | -7°C 以上 |
ライム | 鉢植えは8〜10号鉢で高さ1〜1.5mほどに保てる。暖地の庭植えでは2〜3mになる。 | 中級者向け | 直射日光 | 土の表面が乾いたら。冬の室内は乾いて2〜3日後 | 5°C 以上 |
レモン | 鉢植えでは8-10号鉢で高さ1-1.5mに維持するのが管理しやすい目安です。地植えでは樹高2-4mに達しますが、収穫や防寒のしやすさを考えて剪定で2-2.5mに抑えるのが一般的です。 | 中級者向け | 直射日光 | 土が乾いたら(週2-3回) | 5°C 以上 |
条件別のおすすめ
柑橘の選び方
初めて育てるならキンカン
キンカンは鉢植えでも高さ1m前後でまとまり、6〜10号鉢で実をつけます。7〜9月に何度かに分けて花が咲き、1本でよく実がなります。実は皮ごと食べられ、冬の12〜2月に収穫できます。トゲが少なく扱いやすいのも、初心者に向く理由です。
寒い地域で庭に植えるならユズ
ユズは柑橘の中で特に寒さに強く、-7°C前後まで耐えるとされます。東北南部や内陸でも庭植えできる地域があります。夏の青ユズ(8〜9月)と冬の黄ユズ(11〜12月)の両方が収穫でき、料理の香りづけに使えます。苗は接ぎ木苗を選ぶと、植えて3〜4年で実がなり始めます。
レモンとライムは冬の置き場所しだい
レモンとライムは寒さに弱く、冬は5°C以上を保てる場所が目安です。暖地なら日当たりの良い軒下、それ以外は鉢植えにして冬は室内の明るい窓辺へ取り込みます。レモンは10〜11月に緑の実、12月以降に黄色く色づいた実を収穫でき、ライムは9〜11月の緑のうちに収穫します。
甘い実を食べたいならミカン
温州ミカンは10〜12月に収穫でき、5種の中で唯一そのまま食べる甘い実が楽しめます。耐寒温度は-5°C前後で、関東以西の平地なら庭植えも可能です。鉢植えなら10号鉢以上が目安で、実を付けすぎると翌年に実がならない「隔年結果」が起きやすいため、摘果で数を調整します。
1本で実がなるか
5種とも自分の花粉で実をつける性質があり、1本植えるだけで収穫できます。受粉樹を用意する必要はありません。花が咲く時期に雨が続くと実付きが悪くなることがあるので、鉢植えは開花中だけ軒下へ移すと安心です。
トゲとアゲハの幼虫に注意
ユズ・レモン・ライムは枝に鋭いトゲがあり、剪定や収穫のときは手袋が欠かせません。ミカンとキンカンはトゲが少なめです。どの種類もアゲハチョウの幼虫が新芽を食べるので、4〜10月は葉を見回り、見つけたら取り除きます。
似た品種の見分け方
実の大きさと色で見分ける
直径2〜3cmの小さな楕円形の実ならキンカン、5〜7cmで平たく、皮が凸凹してゴツゴツしていればユズです。レモンは両端がとがった楕円形、ライムはレモンより丸く小さめで、緑のまま収穫されます。ミカンは平たい球形で皮がなめらかです。
葉の付け根で見分ける
ユズの葉は、葉柄に大きな翼(小さな葉のような部分)が付き、葉が2枚つながったように見えるのが特徴です。レモンとライムの葉柄の翼は小さく、ミカンとキンカンはほとんど目立ちません。葉をもむと、それぞれの実と同じ系統の香りがします。
トゲの有無で見分ける
枝の付け根に1〜3cmの鋭いトゲが目立つならユズかレモン、ライムです。ミカンは品種改良でトゲがほとんどなく、キンカンも短いトゲが少しある程度です。苗木のうちはトゲが出やすく、成木になると減ることがあります。
品種ごとの特徴

キンカン
Citrus japonica(Fortunella 属とされることもある)
キンカンは、柑橘類の中でも木が小さくまとまり、8〜10号の鉢植えでも毎年実を付けやすい、ベランダ果樹の入門に向いた植物です。
キンカンの育て方を見る

ミカン
Citrus unshiu
ミカン(温州みかん)は、柑橘類の中で最も家庭向きで、初めて果樹を育てる人でも庭植え・鉢植えのどちらでも実らせやすい冬の果樹です。
ミカンの育て方を見る

ユズ
Citrus junos
ユズ(柚子)は、柑橘の中でも特に寒さに強く、ミカンが育ちにくい地域でも庭植えできる香りの果樹です。
ユズの育て方を見る

ライム
Citrus aurantiifolia
ライムは、柑橘の中でも寒さに弱いぶん、冬は室内に取り込める鉢植えで育てるのが向いている果樹です。
ライムの育て方を見る

レモン
Citrus limon
レモンは、1本でも実がなる自家結実性を持ち、鉢植えでベランダでも育てられるため、果樹に初めて挑戦する人にも向く中級者向けの柑橘です。
レモンの育て方を見る
そのほかの珍しい種類
国内ではほとんど流通していないため、図鑑に個別のページは作っていない種類です。名前を見かけたときの参考にしてください。
スダチ・カボス
ユズに近い香酸柑橘で、スダチは徳島、カボスは大分の特産です。どちらも寒さにやや強く、青い実を料理に搾って使います。鉢植えでの育て方はユズに準じます。
ブラッドオレンジ・ネーブルオレンジ
オレンジ類は寒さに弱く、冬の防寒が必要です。実が熟すまで時間がかかるため、暖地の庭植えか、冬に取り込める鉢植えで育てます。