苗・株の選び方
苗は必ず接ぎ木苗を選びましょう。台木(カラタチ)との接ぎ目がしっかり癒合し、幹がぐらつかないものが良苗です。葉が濃い緑で枚数が多く、葉が落ちて棒状になった苗は避けます。植え付け適期の3〜4月に2〜3年生の大苗を買うと、1〜2年で収穫が始まり失敗が少ないです。ベランダ栽培にはトゲが少なく樹勢の落ち着いたリスボン系や、耐寒性があり香りの良いマイヤーレモンが扱いやすくおすすめです。
Hapot編集部より
レモン(Citrus limon)は、ヒマラヤ東部原産とされるミカン科の常緑果樹です。家庭果樹の中でも特に人気が高く、鉢植えでベランダでも育てられる手軽さと、無農薬の採れたて果実を皮ごと使える贅沢さが魅力です。5月を中心に年に数回、紫がかった蕾から甘い香りの白い花を咲かせ、10月頃のグリーンレモンから12月以降の黄色い完熟果まで長く収穫を楽しめます。多くの柑橘と異なり1本でも実がなる自家結実性を持つため、受粉樹は不要です。寒さにはやや弱く、栽培の目安は最低気温-3°C程度まで。関東以西の暖地なら地植えも可能で、寒冷地では鉢植えにして冬は室内に取り込みます。トゲの少ないリスボンや耐寒性のあるマイヤーレモンなど品種も豊富で、難易度は中級程度。水切れと寒さにさえ気をつければ、毎年たわわな実りが期待できます。
水やり
土が乾いたら(週2-3回)
日光
直射日光
適温
5-35°C
湿度
40-60%
土
果樹用土(弱酸性)
肥料
年3回(3月、6月、11月)
成長速度
中
毒性
なし(食用)
苗は必ず接ぎ木苗を選びましょう。台木(カラタチ)との接ぎ目がしっかり癒合し、幹がぐらつかないものが良苗です。葉が濃い緑で枚数が多く、葉が落ちて棒状になった苗は避けます。植え付け適期の3〜4月に2〜3年生の大苗を買うと、1〜2年で収穫が始まり失敗が少ないです。ベランダ栽培にはトゲが少なく樹勢の落ち着いたリスボン系や、耐寒性があり香りの良いマイヤーレモンが扱いやすくおすすめです。
日光をたっぷり浴びせることが、実付きと病気予防の両方の鍵です。1日6時間以上日の当たる、風の強すぎない場所へ。柑橘の中では耐寒性が低め(-3°C程度まで)なので、関東以南の温暖地なら庭植え可能、寒冷地では鉢植えにして冬は日当たりの良い室内か軒下へ移動します。冬の寒風は落葉の原因になるため、庭植えは北風の当たらない南向きの場所が理想。鉢植えレモンはベランダ果樹の定番で、日当たりさえ確保できれば毎年の収穫が狙えます。
鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと、夏は毎日〜朝夕2回。開花期(5月)と実の肥大期(夏〜秋)の水切れは、落花・落果の直接原因になるため特に注意します。庭植えは根付いた後は基本降雨で足りますが、夏の日照りが続くときはたっぷりと。冬は控えめにして寒さに備えます。実が付いたまま越冬するレモンは冬も水を欲しがるので、鉢植えは月2〜3回の水やりを忘れずに。
適期は3〜4月(春の芽吹き前)です。①内向きの枝・交差する枝・枯れ枝を付け根から抜いて樹冠の内側に日を入れる、②真上に勢いよく伸びる徒長枝は実が付きにくいので根元から切るか、斜めに誘引して結果枝に変える、が基本です。棘が長い品種は作業時に革手袋を。強剪定しすぎると翌年の花が減るため、「間引き中心・切り詰めは控えめ」が収穫への近道です。実を付けすぎた年は幼果を摘果(葉25〜30枚に1果が目安)すると、隔年結果を防げます。
鉢植えは2年に1回、3〜4月に一回り大きな鉢へ。根詰まりすると水切れしやすくなり、葉が内側に丸まるサインが出ます。用土は果樹用培養土か、赤玉土6:腐葉土3:軽石1。最終的には8〜10号鉢以上の大鉢に育てると、収穫量が安定します。植え替え時に根鉢の外周を軽くほぐし、傷んだ根を整理してから植え付けを。植え替え後1か月は肥料を控えます。レモンは肥料食いなので、3月・6月・10月の年3回、柑橘用肥料を与えるサイクルも覚えておきましょう。
家庭では挿し木と接ぎ木で増やせますが、初心者には春の「挿し木」が現実的です。3〜4月に前年枝を10〜15cmに切り、下葉を取って発根促進剤を付け、赤玉土に挿して乾かさないよう管理すると2〜3か月で発根します。実生(種まき)も発芽はしやすいものの、実が付くまで10年前後かかるため観葉として楽しむ位置づけで。本格的に増やすなら、カラタチ台木への接ぎ木が病気に強く早く実が付く王道ですが、難易度は高めです。
アゲハチョウの幼虫が最大の常連です。春〜秋に葉を大量に食べるため、幼木のうちは見つけ次第捕殺を(数日で丸坊主にされます)。葉に白い線状の食害痕が出るミカンハモグリガ(エカキムシ)は新芽を守るため被害葉を摘み取ります。病気では、葉や実にかさぶた状の斑点が出るかいよう病が代表格:風擦れと棘傷から感染するため、風の強い場所を避け、混み枝を剪定して予防します。カイガラムシとすす病のセットにも注意し、見つけ次第ブラシで除去してください。
新芽が伸び、5月頃に白い花が咲きます。肥料を与え、花後に摘果を。
実が大きくな��時期。水やりを欠かさず、追肥も行います。
秋〜冬に実が黄色く色づきます。11月に肥料を施し、収穫に備えます。
寒さに弱いので、0°C以下になる地域は室内に取り込みます。水やりは控えめに。
原因
着果過多、養分不足
対策
摘果して1枝に1-2個にし、追肥する
原因
鉄分不足、根詰まり
対策
微量要素入りの肥料を施し、必要なら植え替え
レモンの花言葉は「誠実な愛」「思慮分別」、果実には「熱情」「陽気な気持ち」という花言葉もあります。「誠実な愛」は、清楚な白い花が一年に何度も繰り返し咲き続ける姿に由来するといわれます。爽やかな香りと酸味のイメージから前向きな意味の言葉が多く、結婚式のブーケや贈り物にも使われます。
風水では、レモンのように黄色く丸い実をたくさん付ける柑橘類は「金運」「繁栄」の象徴とされ、実りの木を庭の西側や南側に植えると金運を呼び込むといわれます。中国や沖縄では柑橘類は古くから子孫繁栄を願う縁起物として正月飾りに使われてきました。また、太陽の光をいっぱいに浴びて育つレモンは「陽」の気が強い植物とされ、明るく爽やかな香りが家の気を活性化し、玄関やベランダの淀みを払うとも考えられています。
接ぎ木の2〜3年生苗なら、植え付けから1〜3年で実がなり始めるのが一般的です。種から育てた実生苗は結実まで10年以上かかることもあるため、収穫が目的なら必ず接ぎ木苗を選んでください。植え付け後1〜2年は樹を充実させる期間と割り切り、咲いた花や幼果を摘んで枝葉の成長を優先させると、その後の収穫量が安定します。日照不足と肥料切れは結実を遅らせる二大要因なので、年3回(3月・6月・11月)の施肥と日当たりの確保が近道です。
レモンは自家結実性が高いため、1本だけで実がなります。オリーブやブルーベリーのような受粉用の異品種は不要です。ただし室内やベランダの無風環境では花粉が運ばれにくいことがあるので、開花中に筆や綿棒で花の中心を軽くなでて人工授粉すると着果率が上がります。屋外ならミツバチなどが自然に受粉してくれるため、特別な作業は基本的に不要です。
収穫期は10月〜翌3月頃です。10〜11月の緑色の実は「グリーンレモン」として収穫でき、香りが鋭く果汁も十分あります。12月以降、気温の低下とともに黄色く色づき、まろやかな酸味の完熟レモンになります。木に成らせたままにすると少しずつ追熟しますが、厳冬期に-3°C以下に当たると果実が傷むため、寒波が来る前に収穫を終えるのが安全です。ハサミで果梗を短く切る「二度切り」をすると、実同士が傷つかず保存性が上がります。
柑橘類はアゲハチョウの食草で、春〜秋に成虫が繰り返し産卵します。幼虫は食欲旺盛で、若木だと数日で丸坊主にされることもあるため放置は禁物です。最も確実なのは、見回りの際に卵(直径1mmの黄色い球)と幼虫を見つけ次第捕殺すること。週2回の葉裏チェックが効果的です。樹全体を防虫ネットや寒冷紗で覆えば産卵自体を防げます。樹高が低い家庭栽培では薬剤に頼らなくても手で十分管理できます。
最低気温が0°Cを下回る予報が出始める前、関東なら11月下旬〜12月上旬が取り込みの目安です。レモンは-3°C程度で葉や枝が傷み始め、特にマイヤー以外の品種は寒風で落葉しやすくなります。室内では日が最もよく当たる南向きの窓辺に置き、暖房の温風が直接当たらないようにします。冬の水やりは土の表面が乾いて2〜3日後に控えめに。3月中旬、霜の心配がなくなったら数日かけて屋外の日差しに慣らしながら戻します。
全部は実らせず、摘果で数を絞るのが甘く大きな実を収穫するコツです。目安は「葉25〜30枚に対して果実1個」、枝1本につき1〜2個程度です。7〜8月に、傷のある実・小さい実・下向きで日が当たらない実から優先して摘み取ります。レモンは春・夏・秋と年に数回開花しますが、家庭栽培では最も品質の良い5月の春花の実を残し、夏花・秋花の実は早めに摘むと樹の負担が減り、隔年結果(1年おきにしか実らない状態)の予防にもなります。