ツバキの種類一覧|4品種の違いと選び方
ツバキの仲間(ツバキ属)は、日本の庭木の中でも冬から春に花を楽しめる貴重なグループです。図鑑には、2〜4月に咲くツバキ、10〜12月に咲くサザンカ、12〜2月に咲く低木のカンツバキ、新芽でお茶が作れるチャノキを掲載しています。開花時期をずらして植えれば、秋から春まで花を絶やさずに楽しめます。花の散り方や葉の形での見分け方と、植える場所に合う選び方をまとめました。
ツバキの品種を比較
横にスクロールすると、ほかの項目も比べられます
| 品種 | 大きさの目安 | 難易度 | 日当たり | 水やり | 冬の最低温度 |
|---|---|---|---|---|---|
ツバキ | 庭植えで2〜5m(剪定で制御)。鉢植え・盆栽でもよく咲く。 | 初心者向け | 半日陰 | 庭植えは根付けば基本不要。鉢は表面が乾いたら | -10°C 以上 |
カンツバキ | 獅子頭は高さ50cm〜1m、幅1〜1.5m(刈り込みで調整)。立寒椿の勘次郎は高さ2m前後になります。 | 初心者向け | 直射日光 | 庭植えは根付けば雨任せ。鉢は表面が乾いたら | -5°C 以上 |
サザンカ | 庭植えで2〜3m(放任すると5m前後)。生け垣は1.5〜2mに保てる。寒椿系は高さ1m前後の低木。鉢植えは1m前後。 | 初心者向け | 直射日光 | 庭植えは根付けば雨任せ。鉢は表面が乾いたら | -5°C 以上 |
チャノキ | 野生では高さ2〜3m以上になりますが、庭や鉢植えでは刈り込みで高さ60cm〜1mに保つのが一般的です。 | 初心者向け | 直射日光 | 庭植えは根付けば雨任せ。鉢は表面が乾いたらたっぷり | -5°C 以上 |
条件別のおすすめ
ツバキの選び方
日当たりの悪い庭ならツバキ
ツバキは日照が1日2〜3時間の半日陰でも花を咲かせる、数少ない花木です。北側の庭や建物の陰に花木を植えたいときの第一候補になります。花は2〜4月が中心で、品種の数が多く、一重から八重まで好みの花形を選べます。
秋から初冬に花を楽しむならサザンカ
サザンカは10〜12月に咲き、花の少ない晩秋の庭を彩ります。日なたを好み、日がよく当たるほど花数が増えます。高さ2〜3mに育つので、生け垣や目隠し、シンボルツリーに向きます。
低い植え込みや生け垣の足元ならカンツバキ
カンツバキの代表品種の獅子頭は、高さ1m前後で横へ広がる低木です。花壇の縁や生け垣の足元、狭い場所の植え込みに向き、真冬の12〜2月に濃い紅色の花を咲かせます。上に伸ばしたいなら立ち性の勘次郎(立寒椿)を選びます。
お茶を摘んで楽しむならチャノキ
チャノキは緑茶や紅茶の原料になる木で、5月の新芽を摘めば家庭でも手作りのお茶が楽しめます。花は直径2〜3cmの白い小輪で、10〜12月に咲きます。日当たりと酸性の土を好み、刈り込んで高さ1m前後に保つのが一般的です。
秋から春まで花をつなげるなら組み合わせる
サザンカ(10〜12月)、カンツバキ(12〜2月)、ツバキ(2〜4月)は開花時期が少しずつずれています。3種を組み合わせて植えると、半年近く庭に花が途切れません。剪定はどれも花後すぐに行う点が共通なので、管理の手間は増えません。
チャドクガ対策はどの種類も同じ
ツバキ属はどれもチャドクガの幼虫が付きます。5〜6月と8〜9月に葉裏を確認し、見つけたら枝ごと切って処分します。人がよく通る場所に植える場合は、点検しやすい高さに保てるカンツバキやチャノキのほうが管理しやすくなります。
似た品種の見分け方
ツバキとサザンカは花の散り方で見分ける
ツバキは花が首から丸ごとぽとりと落ち、サザンカは花びらが1枚ずつばらばらに散ります。花のない時期は葉で見分け、ツバキの葉は長さ7〜12cmと大きく縁のギザギザが目立たないのに対し、サザンカの葉は小ぶりで縁のギザギザがはっきりしています。サザンカは若い枝に細かい毛があるのも目印です。
サザンカとカンツバキは開花時期と樹形で見分ける
2つはとても近い仲間で、花びらが散る点や葉の形は共通です。サザンカは10〜12月に咲いて高さ2〜3mの木に育つのに対し、カンツバキは12〜2月に咲き、代表品種の獅子頭は高さ1m前後で横に広がります。冬の植え込みで低く咲いている八重の紅い花は、たいていカンツバキです。
チャノキは白い小さな下向きの花で見分ける
チャノキの花は直径2〜3cmの白い小輪で、うつむくように咲き、中心に黄色い雄しべがこんもりと集まります。ツバキやサザンカの花は直径5〜10cmと大きく、上や横を向いて咲きます。葉もチャノキは薄く、葉脈が深くへこんでしわが寄ったように見えます。
品種ごとの特徴

ツバキ
Camellia japonica
ツバキは、半日陰でも咲く数少ない花木で、日当たりの悪い北側の庭やベランダでも花を楽しみたい人に向く、丈夫で寿命の長い日本の伝統花木です。
ツバキの育て方を見る

カンツバキ
Camellia × hiemalis(Camellia sasanqua 'Shishigashira' とも)
カンツバキ(寒椿)は、名前にツバキと付きますが、花びらが1枚ずつ散るなど性質はサザンカに近い、冬咲きの低木です。
カンツバキの育て方を見る

サザンカ
Camellia sasanqua
サザンカ(山茶花)は、ツバキの仲間で、10月から12月の秋から初冬に咲く日本原産の常緑樹です。
サザンカの育て方を見る

チャノキ
Camellia sinensis
チャノキは、緑茶や紅茶の原料になるツバキの仲間で、花を飾るためより、新芽を摘んでお茶を楽しむために育てる庭木です。
チャノキの育て方を見る
品種に共通する水やり・置き場所・植え替えの方法はツバキの育て方にまとめています。
そのほかの珍しい種類
国内ではほとんど流通していないため、図鑑に個別のページは作っていない種類です。名前を見かけたときの参考にしてください。
ハルサザンカ(春山茶花)
サザンカとツバキの交雑から生まれたとされる品種群で、1〜4月に咲きます。花はツバキに似て丸ごと落ちるものが多く、代表的な品種に「笑顔」などがあります。育て方はツバキやサザンカと同じです。
ワビスケ(侘助)
小ぶりの一重の花が半開きのまま咲くツバキの品種群で、茶花として古くから好まれてきました。雄しべが退化していることが多く、実がほとんど付きません。図鑑ではツバキの別名として扱っています。