エケベリアの種類一覧|3品種の違いと選び方
エケベリアは、メキシコを中心とした中南米原産のベンケイソウ科の多肉植物で、バラの花のようなロゼットに葉を重ねる姿が人気です。原種だけで180種以上、交配種を含めると数千品種が流通するといわれ、葉の色や形、白い粉の付き方、夏の蒸れへの強さは品種によって大きく違います。図鑑には、属全体の育て方をまとめた「エケベリア」と、白い粉に厚く覆われる原種「ラウイ」、葉が反り返る園芸品種「トップシータービー」の3種を掲載しています。ここでは育てやすさと見た目の違いを一覧で比べ、置き場所と好みに合う選び方をまとめました。
このページで比べているエケベリアの種類(3品種):エケベリア、エケベリア・トップシータービー、エケベリア・ラウイ。ほかに静夜(エケベリア・デレンベルギー)、花うらら(エケベリア・プリドニス)、大和錦(エケベリア・プルプソルム)など7品種も紹介しています。
エケベリアとは
| 分類 | ベンケイソウ科エケベリア属(Echeveria) |
|---|---|
| 原産地 | メキシコを中心とした中南米の乾燥地帯 |
| 種類の数 | 原種だけで180種以上、交配種を含めると数千品種といわれる |
| 生育期 | 春と秋(夏と冬は休眠気味) |
| 寒さへの強さ | 0°C程度まで耐えるとされるが、霜と凍結は避ける |
エケベリアは、肉厚の葉をバラの花のようなロゼット状に重ねる多肉植物です。メキシコを中心とした中南米の標高の高い乾燥地帯に自生し、葉に水をたくわえて乾燥と強い日差しに耐えます。
品種によって葉の色や形、白い粉(ブルーム)の付き方が大きく違い、秋から冬に寒さと日光で紅葉する品種も多くあります。白い粉はロウ質の保護層で、一度取れると元に戻りません。
育て方の共通点は、よく日に当て、土が完全に乾いてから水を与えることです。日本では梅雨から真夏の高温多湿が最も苦手で、雨よけ・風通し・控えめな水やりが夏越しの土台になります。
エケベリアの品種を比較
横にスクロールすると、ほかの項目も比べられます
| 品種 | 大きさの目安 | 難易度 | 日当たり | 水やり | 冬の最低温度 |
|---|---|---|---|---|---|
エケベリア | 草丈3-15cm程度。ロゼットの直径は品種により3cm前後の小型種から30cmを超える大型種まで幅があります。鉢は2.5-4号が中心です。 | 初心者向け | 直射日光 | 土が完全に乾いてから(月2-3回) | 5°C 以上 |
トップシータービー | 草丈5〜15cm程度、ロゼットの直径は15cm前後。子株を出して群生し、3.5〜5号鉢が扱いやすい大きさです。 | 初心者向け | 直射日光 | 土が乾いてから数日後(春秋は7〜10日に1回) | 5°C 以上 |
ラウイ | 草丈5〜10cm程度。ロゼットの直径は成長すると10〜15cmほどになり、2.5〜4号鉢で育てます。 | 中級者向け | 直射日光 | 土が完全に乾いてから数日後(夏と冬は月1回) | 5°C 以上 |
条件別のおすすめ
エケベリアの選び方
初めての一鉢ならトップシータービー
トップシータービーは暑さ寒さに比較的強く、株元から子株をよく出し、葉挿しでも増やしやすい品種で、図鑑では初心者向けとしています。日なたに置いて土が乾いてから水を与える、というエケベリアの基本を守れば大きな失敗は少なく、水やりの感覚をつかむ1鉢目に向いています。
白く美しい姿を楽しむならラウイ
ラウイは葉の地色が見えにくいほど厚い白い粉に覆われる原種で、白い陶器のような質感が魅力です。ただし葉に触れたり雨に当てたりすると粉が取れて戻らず、夏の蒸れにも弱いため、図鑑では中級者向けとしています。一年中雨の当たらない日なたと、7〜8月に遮光50%前後で水を月1回に減らす管理ができる人に向いています。
紅葉や品種集めを楽しむなら
秋から冬の紅葉や、手のひらサイズの鉢で多くの品種を集める楽しみは、図鑑の「エケベリア」のページで属全体の育て方としてまとめています。桃太郎や紅司など紅葉しやすい品種も、日光・寒暖差・肥料を控えることという紅葉の条件は共通です。まずは丈夫な品種で育て方を覚え、少しずつ品種を増やすと失敗が少なくなります。
夏の蒸れが心配な環境なら
エケベリアはどの品種も日本の梅雨から真夏が最も危険な時期で、雨よけと風通しが欠かせません。3種の中ではトップシータービーが比較的暑さに耐え、7〜8月は遮光30%ほどで西日を避ければ夏を越しやすい品種です。ラウイは最も蒸れに弱く、6月下旬から遮光50%前後の明るい日陰へ移す必要があります。風の抜けにくいベランダなら、トップシータービーから始めるのが無難です。
増やして楽しむなら
子株も葉挿しもよく育つトップシータービーは、増やして人に分けたい人に向いています。子株は直径3cmほどで外せ、葉挿しは2〜3週間で根と芽が出ます。ラウイも葉挿しで増やせますが、根が出るまで1か月前後、子株が鉢上げできる大きさになるまで1年ほどかかります。エケベリア全般の葉挿しの手順は、ハブの「エケベリア」のページにまとめています。
置き場所が室内の窓辺だけなら
エケベリアは3種ともよく日に当てることが前提の多肉植物で、室内の窓辺だけでは葉が開いて形が崩れやすくなります。トップシータービーは光が足りないと葉の反り返りが弱まり、ラウイは粉の色がくすみます。屋外に置き場所がない場合は、直射日光を避けた明るい室内で育つハオルチアの仲間を選ぶほうが、きれいな姿を保ちやすくなります。
似た品種の見分け方
葉の色と白い粉の厚さで見分ける
ラウイは葉全体が厚い白い粉に覆われ、株全体が白っぽく見えます。トップシータービーは銀色がかった青緑色の葉に、うっすらと粉がのる程度です。エケベリアの仲間には、青白いもののほか、紫、ピンク、黒に近い葉色の品種もあり、粉のほとんどない品種もあります。
葉の形で見分ける
トップシータービーは、葉の縁が上向きに反り返り、葉先が中心へ向かってカールする独特の形で、ほかの2種とは一目で見分けられます。ラウイは丸みのある肉厚の葉がバラの花のように重なる、整ったロゼットです。
トップシータービーとルンヨニーの違い
トップシータービーは、原種のエケベリア・ルンヨニーから生まれた園芸品種とされます。ルンヨニーはへら形の平たい葉を広げ、トップシータービーは同じような葉色のまま葉が反り返ります。ラベルが「ルンヨニー」だけの株は、葉の反り返りがあるかどうかで見分けます。
ラウイと白いエケベリアの見分け方
白い粉が美しいエケベリアには、ラウイのほかにカンテなどがあります。ラウイは葉が厚く丸みがあり、ロゼットの直径は10〜15cmほどにまとまります。カンテは葉が平たく大きく、より大型のロゼットに育つとされます。迷ったときは葉の厚みと丸みを比べます。
品種ごとの特徴

エケベリア
Echeveria
エケベリアは乾燥に強く水やりの手間が少ないため、日当たりの良い置き場所を確保できる方なら初心者でも育てやすい多肉植物です。
エケベリアの育て方を見る

エケベリア・トップシータービー
Echeveria runyonii 'Topsy Turvy'
エケベリア・トップシータービーは、葉の縁が上向きに反り返り、葉先が中心へ向かってカールする独特の形が目を引く品種で、エケベリアを初めて育てる人にも向いています。
エケベリア・トップシータービーの育て方を見る

エケベリア・ラウイ
Echeveria laui
エケベリア・ラウイは、全体が厚い白い粉(ブルーム)に覆われる、エケベリアの中でも特に白く美しい原種で、姿の美しさをじっくり楽しみたい中級者に向いています。
エケベリア・ラウイの育て方を見る
品種に共通する水やり・置き場所・植え替えの方法はエケベリアの育て方にまとめています。
そのほかのエケベリアの品種
図鑑にまだ個別のページがないエケベリアの品種です(7品種)。見た目の特徴と、図鑑の品種との違い、流通量の目安を紹介します。
静夜(エケベリア・デレンベルギー)
Echeveria derenbergii の和名で、青白い小さな葉が詰まった小型のエケベリアです。葉先がほんのり赤く色づき、子株を出して群生します。交配親としても多く使われてきた原種です。
花うらら(エケベリア・プリドニス)
Echeveria pulidonis の和名で、細めの葉の縁が赤く縁取られる小型の原種です。寒さに当たると縁の赤がはっきりし、春に黄色い花を咲かせます。
大和錦(エケベリア・プルプソルム)
Echeveria purpusorum の和名で、硬く尖った三角形の葉に赤褐色のまだら模様が入る原種です。成長がゆっくりで、小さな鉢で長く楽しめます。
カンテ
Echeveria cante は、白い粉に覆われた葉の縁がピンクに色づく大型の原種で、ラウイと並ぶ白いエケベリアの代表です。粉が取れやすく、雨と蒸れを避けた管理が要ります。
リラシナ
Echeveria lilacina は、白い粉をまとった灰紫色の葉がバラの花のように重なる原種です。冬に寒さに当たると、淡いピンクを帯びることがあります。
月影(エケベリア・エレガンス)
Echeveria elegans の和名で、半透明の縁を持つ青白い葉の小型の原種です。子株をよく出して群生し、多くの交配品種の親として知られています。
ルンヨニー
Echeveria runyonii は、銀色がかった青緑色のへら形の葉を広げる原種で、トップシータービーの親にあたります。丈夫で子株をよく出し、葉挿しでも増やせます。
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出典: エケベリアの種類一覧|ラウイ・トップシータービーなど3種の違いと見分け方(写真付き)(Hapot)https://hapot.jp/plants/types/echeveria
エケベリアの種類についてよくある質問
エケベリア・ラウイとトップシータービーの違いは?
ラウイは厚い白い粉に覆われた丸い葉が重なる原種で、トップシータービーは銀色がかった青緑色の葉が上向きに反り返る園芸品種です。育てやすさも違い、トップシータービーは暑さ寒さに比較的強く子株や葉挿しでよく増えるため初心者向け、ラウイは粉が取れやすく夏の蒸れに弱いため中級者向けです。花の時期も、ラウイは春から初夏、トップシータービーは夏の終わりから秋に咲くことが多いとされます。
初心者に向くエケベリアの種類は?
図鑑の品種では、トップシータービーが最も初心者に向いています。暑さ寒さに比較的強く、子株や葉挿しで増やしやすいため、多少の失敗があっても株を残せます。エケベリア全般も初心者向けとしていますが、日当たりと雨よけができる屋外の置き場所が前提です。ラウイは白い粉が取れやすく夏の蒸れに弱いので、1鉢目より2鉢目以降に選ぶと失敗が少なくなります。
白い粉が付くエケベリアの種類は?
図鑑の品種では、ラウイが最も粉が厚く、株全体が白く見えます。トップシータービーにもうっすらと粉がのります。図鑑にない品種では、カンテやリラシナなども白い粉の美しさで知られています。どの品種も粉は葉を守るロウ質の層で、触れたり水をかけたりすると取れて戻らないため、水は株元に注ぎ、移動するときは鉢を持ちます。
夏に強いエケベリアの種類は?
図鑑の3種では、トップシータービーが比較的暑さに耐えます。7〜8月は遮光30%ほどで西日を避け、水を2〜3週間に1回に減らせば夏を越しやすい品種です。ただしエケベリアはどの品種も高温多湿が苦手で、雨よけと風通しは欠かせません。最も蒸れに弱いのはラウイで、6月下旬から遮光50%前後の明るい日陰に移し、7〜8月の水を月1回に減らします。
室内で育てやすいエケベリアの種類は?
エケベリアは品種を問わず、室内の窓辺だけでは光が足りず、葉が開いて形が崩れやすい多肉植物です。図鑑の3種も、日当たりのよい屋外の軒下で育てることを前提にしています。室内で育てる場合は南向きの窓辺のいちばん明るい場所に置き、晴れた日中はベランダに出すと姿を保ちやすくなります。屋外に置き場所がないなら、明るい室内で育つハオルチアの仲間を選ぶのがおすすめです。
葉挿しで増やしやすいエケベリアの種類は?
図鑑の品種では、トップシータービーが葉挿しでも子株でも増やしやすい品種です。3〜5月か9〜10月に付け根からていねいに外した葉を土の上に置くと、2〜3週間で根と芽が出ます。ラウイも葉挿しで増やせますが、根が出るまで1か月前後かかり、子株が育つまで1年ほど見込みます。どの品種も、付け根が欠けた葉からは芽が出ないので、葉を左右に揺らしてきれいに外します。