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アンスリウムの種類一覧|3品種の違いと選び方

アンスリウムはサトイモ科アンスリウム属の熱帯植物で、赤やピンクのハート形の苞を楽しむ種類と、ビロードのような葉に白い葉脈が浮かぶ種類に分かれます。図鑑には、花を楽しむ「アンスリウム」(アンドレアナム)と、葉を楽しむ原種の「クリスタリナム」「クラリネルビウム」の3種を掲載しています。種類による一番大きな違いは空気の湿度への要求で、同じビロード葉でも、湿度60%以上が必要なクリスタリナムと、50%前後の部屋でも育てやすいクラリネルビウムでは管理の手間が変わります。根が空気を好み、冬に15°C以上が必要な点は3種に共通です。ここでは楽しみ方、湿度、冬の温度、大きさを一覧で比べ、部屋の条件に合う一鉢の選び方をまとめました。

このページで比べているアンスリウムの種類(3品種):アンスリウム、アンスリウム・クラリネルビウム、アンスリウム・クリスタリナム。ほかにアンスリウム・シェルツェリアナム、アンスリウム・ワロクアナム、アンスリウム・ベイチーなど7品種も紹介しています。

アンスリウムとは

アンスリウムの基本情報
分類サトイモ科アンスリウム属(Anthurium)
原産地中南米の熱帯。図鑑の3種はメキシコ南部〜南米北部
楽しみ方苞(花)を楽しむ種類と、ビロード葉を楽しむ種類がある
冬の温度図鑑の3種とも15°C以上
毒性全草にシュウ酸カルシウムを含む

アンスリウムは、中南米の熱帯に広く分布するサトイモ科の大きな属で、1000種を超えるとされます。多くは樹木や岩に根を張って育つ着生・岩生の植物で、根が空気を好むため、鉢ではバークや軽石を混ぜた粗い用土で育てます。

花に見える赤やピンクのハート形の部分は仏炎苞という葉の変形で、中心の棒状の部分(肉穂花序)に小さな花が集まっています。園芸では、苞を楽しむアンドレアナムの仲間と、葉の模様や質感を楽しむ原種に大きく分かれます。

育て方の共通点は、レースカーテン越しの明るい日陰、土は乾かし気味で空気はしっとり、冬は15°C以上の3点です。種類ごとの違いは主に空気の湿度への要求で、葉が薄いものほど高い湿度が必要になります。

アンスリウムの品種を比較

横にスクロールすると、ほかの項目も比べられます

アンスリウムの品種ごとの写真・大きさ・難易度・日当たり・水やり・温度の比較
品種大きさの目安難易度日当たり水やり冬の最低温度
アンスリウムの種類「アンスリウム」の鉢植えの写真アンスリウム室内で30〜80cm。4〜7号鉢で流通。コンパクトな品種も多い。中級者向け間接光土の表面が乾いてから2-3日後(週1回程度)15°C 以上
アンスリウムの種類「アンスリウム・クラリネルビウム」の鉢植えの写真クラリネルビウム室内では高さ30〜50cmほど、葉は長さ・幅とも15〜25cmほど。3〜5号鉢で流通し、組織培養の小苗も出回ります。中級者向け間接光用土の表面が乾いたら(春〜秋は週1回前後、冬は10日〜2週間に1回)15°C 以上
アンスリウムの種類「アンスリウム・クリスタリナム」の鉢植えの写真クリスタリナム室内では高さ30〜60cm、葉は長さ20〜40cmほど。3〜6号鉢で流通し、組織培養の小苗も多く出回ります。上級者向け間接光用土の表面が乾き始めたら(春〜秋は週1-2回、冬は10日に1回程度)18°C 以上

条件別のおすすめ

冬に冷える部屋なら

冬の最低温度の目安が 15°C と、この仲間の中で寒さに強い品種です。

アンスリウムの選び方

花を楽しむなら赤い花のアンスリウム

ハート形の苞を一年を通して楽しみたいなら、図鑑の「アンスリウム」(アンドレアナム)を選びます。赤のほか、ピンク、白、緑、チョコレート色の品種があり、一つの苞が1か月以上もつこともあります。花を咲かせ続けるには、直射日光が当たる一歩手前の明るい日陰と、春から秋に月1回の薄い液肥が必要です。

葉の模様を楽しむならビロード葉の2種

濃い緑の葉に銀白色の葉脈が浮かぶ姿を楽しみたいなら、クリスタリナムかクラリネルビウムです。どちらも花は細い緑色の苞で目立たず、葉を観賞する原種です。新しい葉は1〜2か月に1枚ほどのゆっくりした成長なので、一枚ずつ開く葉をじっくり眺めたい人に向いています。

加湿器のない部屋ならクラリネルビウム

クラリネルビウムは葉が厚紙のように厚く、図鑑では湿度50〜70%を目安にしています。湿度50%以上を保てる部屋なら、加湿ケースや温室がなくても新しい葉がきれいに開きます。暖房やエアコンの風が直接当たらない、窓から1m前後離した明るい日陰に置きます。

湿度を管理できるならクリスタリナム

クリスタリナムは葉が薄く柔らかいビロード質で、湿度60%以上がないと新しい葉が縮れたり、縁から茶色く乾いたりします。図鑑では上級者向けとしていて、加湿器や透明なケース、温室棚で湿度を保てる人に向いています。葉は長さ20〜40cmほどになり、葉柄の先で垂れるように広がる姿が見どころです。

冬の室温で選ぶ

図鑑の3種はどれも冬に15°C以上が必要で、13°Cを下回ると葉が傷みます。寒さへの強さで選べる種類はないので、冬に15°C以上を保てる部屋があるかどうかを先に確かめます。夜に冷える窓際は避け、部屋の内側の明るい場所に置きます。

置き場所の大きさで選ぶ

棚や机の上に置くなら、高さ30〜50cmほどにまとまるクラリネルビウムが扱いやすい大きさです。アンスリウムは室内で30〜80cmと品種によって幅があり、コンパクトな品種もあります。クリスタリナムは高さ30〜60cmほどですが、長い葉柄の先で葉が垂れるので、横に広がる余裕を見込みます。

初めての一鉢なら

図鑑ではアンスリウムとクラリネルビウムを中級者向け、クリスタリナムを上級者向けとしています。花を楽しみたいならアンスリウム、葉を楽しみたいならクラリネルビウムから始め、湿度の管理に慣れてからクリスタリナムを迎えると失敗が少なくなります。3種とも、用土は通気性の良いバーク主体の粗いものを使います。

ペットや小さな子どもがいる家では

アンスリウムの仲間は、図鑑の3種すべてが全草にシュウ酸カルシウムを含みます。犬や猫、小さな子どもがかじると、口の中の痛みや腫れ、よだれなどを起こすことがあるため、どの種類も手の届かない高い棚や吊り鉢で育てます。植え替えや葉の整理は手袋を着けて行います。

似た品種の見分け方

赤い花のアンスリウムとビロード葉の2種の違い

アンスリウム(アンドレアナム)の葉は表面に艶のある緑のハート形で、赤やピンクの大きな苞が目立ちます。クリスタリナムとクラリネルビウムは、葉の表面に艶ではなくビロードのようなしっとりした質感があり、白い葉脈が浮かびます。花は細い緑色の苞で、ほとんど目立ちません。

クリスタリナムとクラリネルビウムは葉の厚みで見分ける

クラリネルビウムの葉は厚紙のように厚く硬く、触ると張りがあります。形は幅の広いハート形で、株は小ぶりにまとまります。クリスタリナムの葉は薄く柔らかく、縦に長めのハート形で、長い葉柄の先で垂れるように広がります。

新しい葉の色と開き方

クリスタリナムは、新しい葉が赤銅色や紫がかった色で開き、数週間かけて濃い緑へ変わることが多い種類です。クラリネルビウムの新しい葉は薄く柔らかい状態で開き、時間をかけて厚く硬くなります。湿度が足りないと、どちらも新しい葉が縮れたり縁が乾いたりします。

交配株や似た種類に注意

ビロード葉のアンスリウムには、クリスタリナムとクラリネルビウムの交配株や、マグニフィカムなど似た葉の種類も流通しています。名札だけで判断せず、葉の厚み、形、葉柄の様子を見比べ、交配株なら親の表記も確かめます。

品種ごとの特徴

品種に共通する水やり・置き場所・植え替えの方法はアンスリウムの育て方にまとめています。

そのほかのアンスリウムの品種

図鑑にまだ個別のページがないアンスリウムの品種です(7品種)。見た目の特徴と、図鑑の品種との違い、流通量の目安を紹介します。

アンスリウム・シェルツェリアナム

赤やピンクの苞の上で、細い肉穂花序がくるりと巻くのが特徴の、花を楽しむ原種です。アンドレアナムより小型の株にまとまり、鉢花として流通することがあります。

アンスリウム・ワロクアナム

コロンビア原産の着生種で、細長いビロードの葉が大株では1mほどまで垂れ下がり、愛好家の間では「クイーンアンスリウム」とも呼ばれます。クリスタリナム以上に高い湿度を求め、温室やケースでの管理が基本です。

アンスリウム・ベイチー

コロンビア原産で、葉脈に沿って波打つように凹凸の入った細長い葉が垂れ下がる種類です。「キングアンスリウム」の名で呼ばれることがあり、大きく育つため広い空間と高い湿度が必要です。

アンスリウム・マグニフィカム

クリスタリナムに似たビロード質の葉に白い葉脈が浮かぶ種類です。葉柄の断面が四角く、縁に翼のような張り出しがあることで見分けられるとされ、交配親としてもよく使われます。

アンスリウム・フォーゲティー

ビロード葉に白い葉脈が入る点はクリスタリナムに似ますが、葉の付け根に切れ込みがなく、丸みのある楕円形の葉になるのが特徴です。流通量は少なめです。

アンスリウム・レガレ

ペルー原産とされる大型の種類で、幅の広いビロード質の葉に淡い葉脈が浮かびます。株が大きく育つため、愛好家の温室で育てられることが多い種類です。

アンスリウム・フーケリー

厚い大きな葉がロゼット状に広がり、中心に落ち葉や水をためる鳥の巣のような姿になる種類です。似た姿の別種がこの名で売られていることもあるため、購入時は学名を確かめます。

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出典: アンスリウムの種類一覧|クリスタリナム・クラリネルビウムなど3種の違いと見分け方(写真付き)(Hapot)https://hapot.jp/plants/types/anthurium

アンスリウムの種類についてよくある質問

アンスリウムの花の種類と葉の種類の違いは?

花の種類(アンドレアナムの仲間)は、赤やピンクの艶のある苞を一年を通して楽しむのが目的で、葉は艶のある緑です。葉の種類(クリスタリナムやクラリネルビウム)は、ビロード質の葉に浮かぶ白い葉脈を楽しむ原種で、花は細い緑色の苞で目立ちません。育て方では、葉の種類のほうが空気の湿度を多く必要とし、特にクリスタリナムは湿度60%以上が目安です。根が空気を好み、冬に15°C以上が必要な点は共通です。

アンスリウム・クリスタリナムとクラリネルビウムの違いは?

葉の厚みと形、必要な湿度が違います。クラリネルビウムは厚紙のように厚く硬い、幅の広いハート形の葉で、株は高さ30〜50cmほどの小ぶりにまとまります。クリスタリナムは薄く柔らかいビロード質の、縦に長めのハート形の葉で、葉柄の先で垂れるように広がります。原産地もクラリネルビウムはメキシコ南部の岩場、クリスタリナムは中南米の湿った森とされ、クラリネルビウムのほうが乾燥に強く育てやすい種類です。

初心者に育てやすいアンスリウムの種類は?

花を楽しむなら赤い花のアンスリウム、葉を楽しむならクラリネルビウムが始めやすい種類です。図鑑ではどちらも中級者向けとしていますが、通気性の良い用土で乾かし気味に育て、冬に15°C以上を保てば長く楽しめます。クリスタリナムは湿度60%以上と冬の15°C以上を保つ必要がある上級者向けの種類なので、ほかのアンスリウムで水やりと湿度の管理に慣れてから迎えると失敗が少なくなります。

加湿器がない部屋でも育てられるアンスリウムは?

ビロード葉の種類なら、葉が厚く乾燥に比較的強いクラリネルビウムが向いています。湿度50%以上を保てる部屋なら、加湿器やケースがなくても新しい葉がきれいに開きます。赤い花のアンスリウムも、週2〜3回以上の葉水で空気の湿り気を補えば育てられます。葉が薄いクリスタリナムは、乾いた部屋では新しい葉が縮れやすいので、加湿器を置ける部屋で育ててください。どの種類も暖房やエアコンの風が直接当たる場所は避けます。

アンスリウムは種類によって冬越しの温度が違いますか?

図鑑の3種はどれも冬に15°C以上が必要で、種類による大きな差はありません。13°Cを下回る場所が続くと、葉が黒く傷んだり、花のアンスリウムでは花が止まったりします。冬は夜に冷える窓際から部屋の内側の明るい場所へ移し、水やりの間隔を広げて肥料を止めます。暖房で空気が乾く時期なので、ビロード葉の種類は加湿器で湿度を補い、花の種類は葉水を続けます。

猫や犬がいる家で選べるアンスリウムの種類は?

図鑑の3種はどれもシュウ酸カルシウムを含むため、ペットに安全な種類はありません。犬や猫がかじると、口の中の痛みや腫れ、よだれ、嘔吐などを起こすことがあります。育てる場合は、手の届かない高い棚や吊り鉢、ペットの入らない部屋に置いてください。小ぶりなクラリネルビウムは低い棚に置きがちなので、特に置き場所に気を付けます。ペットと安全に楽しめる観葉植物を探すなら、カラテアやテーブルヤシが候補になります。