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ビオラの育て方

Viola × wittrockiana最終更新日:
編集部

Hapot編集部より

ビオラ(Viola × wittrockiana)は、ヨーロッパ原産の野生スミレ類から育種されたスミレ科の一年草で、秋から翌年の初夏まで半年以上咲き続ける冬のガーデニングの主役です。開花期は10月〜翌5月と圧倒的に長く、花の少ない真冬の庭やベランダを彩れる貴重な存在。パンジーと同じ仲間ですが、花径4cm以下の小輪多花性のものがビオラと呼ばれ、雨や霜に強く株が乱れにくいため、寄せ植えやハンギングバスケットの定番素材になっています。花色は紫・黄・白・オレンジ・アプリコット・黒系までほぼ全色が揃い、近年は「ヌーヴェルヴァーグ」「ローブドゥアントワネット」などフリル咲きのブランドビオラも人気です。耐寒性が強く-5°C程度までは屋外で問題なく、難易度は初心者向け。花がら摘みと月2回程度の追肥さえ続ければ、春には株一面が花で覆われます。

分類・基本データ

スミレ科
スミレ属 Viola
ビオラ
別名
スミレ、三色菫(サンシキスミレ)、小輪パンジー、ツマグロ草
原産地
ヨーロッパ原産。野生種のサンシキスミレ(Viola tricolor)などを親として19世紀のヨーロッパで育種されました。原種は冷涼な草原や畑の縁に自生しており、暑さに弱く寒さに強い性質はここに由来します。
大きさ
草丈10〜25cm、株張りは20〜30cm。春になると生育旺盛になり、こんもりとドーム状に茂ります。ハンギング向けの枝垂れ性品種は株張り40cm近くになるものもあります。

育て方サマリ

水やり

土の表面が乾いたら(冬は2-3日に1回、春は毎日)

日光

直射日光

適温

-5-20°C(暑さに弱い)

湿度

40-60%

草花用培養土。元肥入りがおすすめ

ケアのポイント

肥料

2週間に1回液肥、または月1回緩効性肥料

成長速度

毒性

なし

種まきは8月下旬〜9月が適期。発芽適温は20°C前後なので、暑すぎる時期は避けましょう。花がら摘みをこまめにすると次の花が咲きやすくなります。茎ごと根元から摘み取るのがコツ。徒長(ひょろひょろ伸びる)した場合は思い切って切り戻すと、脇芽が出てこんもり茂ります。こぼれ種でも翌年芽が出ますが、親と同じ花が咲くとは限りません。ナメクジとアブラムシに注意。

育て方の詳細

苗・株の選び方

苗の買い時は流通が始まる10月中旬〜11月です。気温が高い10月上旬以前の早植えは徒長しやすいため、暖地では焦らないのがコツ。良い苗の条件は、節間が詰まってずんぐりした株姿、株元から脇芽が複数出ていること、葉色が濃く下葉が黄ばんでいないことの3点です。花が満開の苗より、蕾を多く持った苗のほうが植え付け後の根張りが良く、結果的に長く咲きます。ポット底から根がぐるぐる回って飛び出した老化苗や、ひょろりと間延びした徒長苗は避けましょう。ラベルの品種名と花色を確認し、寄せ植えなら同系色か反対色でまとめると失敗しません。

置き場所・日当たり

日当たりの良い場所が絶対条件です。秋〜春の花壇の主役ですが、日照不足ではひょろひょろに徒長して花数が激減します。1日4〜5時間以上日の当たる花壇・ベランダ・玄関先へ。寒さには非常に強く、霜が降りても枯れません(真冬は花が小休止しますが、春にまた爆発的に咲きます)。逆に暑さには弱く、初夏に気温が上がると株が乱れて終わりを迎えます。プランター・ハンギング・寄せ植えと仕立ての自由度が高いのも魅力です。

水やりの詳細

土の表面が乾いたら、株元にたっぷりが基本です。花や葉に上から水をかけると、花が傷み灰色かび病の原因にもなるため、株元給水を徹底しましょう。秋と春の生育期は乾きが早いので毎日〜2日に1回、真冬は成長が緩やかなので回数を減らし、凍結を避けるため暖かい日の午前中に与えます。プランターは地植えより乾きやすいので、特に春の満開期は水切れに注意してください。

剪定・切り戻し

「花がら摘み」が最重要の手入れです。咲き終わった花を放置すると種を作るのに栄養を取られ、新しい花が激減します。しおれた花は花茎の根元から毎日こまめに摘み取りましょう。これだけで開花期間と花数が劇的に変わります。春に株が伸びて乱れたら、全体を1/2ほど切り戻すと2〜3週間でこんもり復活します(切った枝は水に挿して花を楽しめます)。

植え替え

ポット苗の植え付けは10〜11月が最適期です。根鉢を軽くほぐし、株間15〜20cmで植え付けます。一年草のため植え替えは基本不要ですが、寄せ植えの組み替えなどで移植する場合は、真冬を避けて秋か早春に。用土は市販の花用培養土に元肥(緩効性肥料)を混ぜたもので十分です。長く咲く分肥料切れしやすいので、月1回の置き肥か週1回の液肥を続けましょう。

増やし方

種まきで増やせます。適期は8月下旬〜9月(発芽適温20°C前後)。種まき用土に蒔いて薄く覆土し、乾かさないよう管理すると1週間ほどで発芽、10月には定植サイズに育ちます。お気に入りの株から種を採る場合は、花がらをいくつか残して種袋が茶色く熟したら採取(交雑するため親と同じ花になるとは限りません)。春のこぼれ種が秋に発芽することもあります。挿し芽も可能で、春の切り戻しで出た枝を土に挿すと発根します。

病害虫対策

アブラムシと灰色かび病が二大トラブルです。アブラムシは春先に新芽とつぼみへ大量発生しやすく、見つけ次第駆除を(発生初期なら粘着テープでの除去や牛乳スプレーも有効)。灰色かび病は多湿期に花や葉が灰色のカビで腐る病気で、花がら摘みと株元給水、風通しの確保が予防になります。ナメクジが夜間に花を食害することもあるので、食べ跡があれば夜の見回りか誘引剤で対処しましょう。

季節ごとの管理

春の管理

花の最盛期。花がら摘みをこまめに。液肥を2週間に1回。切り戻しで二番花を楽しめます。

夏の管理

暑さで衰え、夏には枯れます。来年分の種まきを8-9月に準備。

秋の管理

8月下旬〜9月に種まき。苗が出回るのは10-11月。植え付けたらしっかり根を張らせましょう。

冬の管理

寒さに強く、霜に当たっても大丈夫。成長はゆっくりですが、春に向けて根を張っています。

よくあるトラブルと対策

徒長する

原因

日光不足、肥料過多

対策

日当たりの良い場所に移動し、思い切って切り戻す

花が小さくなる

原因

肥料切れ、根詰まり

対策

液肥を与え、鉢が小さければ植え替え

葉に白い粉

原因

うどんこ病

対策

風通しを改善し、殺菌剤を散布

ビオラの花言葉・風水

花言葉

ビオラ全体の花言葉は「誠実」「信頼」「忠実」「少女の恋」。控えめな小さい花が寒さに耐えて健気に咲き続ける姿に由来します。色別では、紫は「揺るがない魂」、黄色は「つつましい幸せ」「田園の喜び」、白は「あどけない恋」「無垢」。うつむきがちに咲く花を恋する少女の面影に重ねた、ヨーロッパの花言葉文化らしいロマンチックな由来を持ち、卒業や旅立ちの季節に贈る花としても意味が合います。

風水・縁起

風水では、花の少ない冬に玄関やベランダを明るく保つこと自体が「良い気を呼び込む」とされ、ビオラは冬の運気対策に最適な花とされます。黄色やオレンジのビオラを西の方角に置くと金運、ピンク系を東南に置くと良縁を招くとされ、花色が豊富なビオラは方角別のカラー風水を実践しやすいのも利点です。枯れた花がらを放置すると陰の気がたまるとされるので、こまめな花がら摘みは風水的にも理にかなった習慣です。秋のお彼岸過ぎから植え付けてお正月の玄関を花で飾れば、新年を迎える縁起物としても活躍します。

ビオラのよくある質問

Qビオラとパンジーの違いは何ですか?どちらが育てやすい?回答を見る
A

植物学的には同じ仲間で、園芸上は花の大きさで区別します。一般に花径5cm以上がパンジー、4cm以下がビオラと呼ばれますが、近年は中間サイズの「パノラ」などもあり境界は曖昧です。性質の違いとして、パンジーは一輪が大きく見応えがある反面、雨で花が傷みやすく株が乱れがち。ビオラは花は小さいものの花数が圧倒的に多く、霜や雨に強く、こんもりまとまりやすいのが長所です。植えっぱなしで手間をかけずに長く楽しみたい初心者には、回復力の高いビオラのほうがおすすめです。育て方自体はほぼ同じなので、好みで混植しても問題ありません。

Qビオラの苗はいつ植えるのがベストですか?回答を見る
A

最適期は最高気温が20°Cを下回る10月下旬〜11月です。このタイミングで植えると、年内に根がしっかり張り、春の爆発的な開花につながります。12月以降の真冬の植え付けも可能ですが、根の活動が鈍く株が大きくなりにくいため、できれば11月中がおすすめです。植え付け間隔は地植え・プランターとも15〜20cm。65cmプランターなら3株が目安で、詰めすぎると春に蒸れます。植え付け時に元肥入り培養土を使い、根鉢は軽くほぐす程度にして、植えたらたっぷり水を与えてください。寒風の強い場所では2週間ほど風の弱い場所で養生させると活着が良くなります。

Q真冬になってビオラの花が止まりました。枯れてしまったのでしょうか?回答を見る
A

枯れていません。ビオラは最低気温が0°Cを下回る1〜2月、地上部の成長を緩めて開花のペースを落とす「冬眠モード」に入りますが、地中では春に向けて根を伸ばし続けています。葉が紫がかるのも寒さに対する正常な反応(アントシアニンの蓄積)で、病気ではありません。この時期は水やりを控えめ(土が乾いてから2〜3日後の暖かい午前中)にし、肥料も真冬はいったんストップしてOK。2月下旬に気温が上がり始めたら液肥を再開すると、3月から一気に花数が増えます。冬の間も日当たりの良い場所に置き続けることが春の開花量を左右します。

Qビオラは雪や霜に当たっても大丈夫ですか?回答を見る
A

基本的に大丈夫です。ビオラは-5°C程度までの耐寒性があり、霜に当たって凍ったように見えても、日中に気温が上がれば元に戻ります。雪が積もった場合も、雪は意外にも断熱材として株を寒風から守る働きをするため、慌てて雪を払う必要はありません。注意が必要なのは、強い寒風が直接当たる場所と、霜柱で株が持ち上げられて根が切れる「霜柱害」です。寒風はマンションの北側通路などで起きやすいので風の弱い場所へ移動を、霜柱は株元に腐葉土やバークチップを敷くマルチングで防げます。植え付け直後の根付いていない苗だけは、霜が続く時期を避けて植えましょう。

Qビオラは食べられるって本当ですか?回答を見る
A

「食用(エディブルフラワー)として栽培されたビオラ」であれば食べられます。サラダやケーキ、ゼリーの飾りとして使われ、ほのかな甘みとサクッとした食感があります。ただし重要な注意点として、園芸店で観賞用として売られている苗は食用を想定しない農薬が使われている可能性があるため、絶対に食べないでください。食べる場合は「エディブルフラワー」と表示された食用栽培品を購入するか、種から無農薬で自家栽培したものに限ります。自家栽培なら8月下旬〜9月に種をまき、農薬を使わずに育てれば、冬から春のテーブルを彩る花が収穫できます。萼を外して花びらだけを使うと苦味が出にくいです。

Qビオラはこぼれ種で翌年も咲きますか?回答を見る
A

咲くことがあります。春に花がらを摘まずに何輪か残しておくと種が完熟して弾け、秋の気温低下とともに株まわりから自然に発芽します。ただし2つ知っておきたい点があります。第一に、市販品種の多くは交配種(F1)のため、こぼれ種の子は親と同じ花色・花形にならず、先祖返りした素朴な小花になる傾向があること。第二に、発芽率や開花時期は不安定で、園芸品種のような揃った株姿は期待できないことです。その偶然性を「毎年違う花が出る楽しみ」と捉える人も多く、ナチュラルガーデンとの相性は抜群です。確実に好みの花を咲かせたい場所は苗の植え付け、通路の隙間や花壇の縁はこぼれ種任せ、と使い分けるのがおすすめです。

パンジー・ビオラの品種一覧

パンジー・ビオラ としてまとめている他の品種です。

品種大きさの目安難易度水やり
ビオラ(本記事)草丈10〜25cm、株張りは20〜30cm。春になると生育旺盛になり、こんもりとドーム状に茂ります。ハンギング向けの枝垂れ性品種は株張り40cm近くになるものもあります。初心者向け土の表面が乾いたら(冬は2-3日に1回、春は毎日)
パンジー草丈15〜25cm。花壇・プランター・ハンギング・寄せ植えの万能選手。初心者向け土の表面が乾いたら(冬は午前中に)