苗・株の選び方
良い苗は、本葉が2〜4枚で節間が詰まっていること、葉が厚く色が濃いこと、根がポットの底から白く出ていることの3点で選びます。
避けたいのは、つるがすでに30cm以上伸びて絡まった苗と、下葉が黄ばんだ苗の2つです。用途で系統を選ぶことも大切で、緑のカーテンには葉が茂り強健な日本アサガオか西洋アサガオ(ヘブンリーブルーは昼まで咲くが晩夏から開花)、花を楽しむなら大輪咲き、鉢なら市販の行灯仕立て苗も手軽です。種袋の「まき時・咲き始め」を確認して夏の計画に合わせてください。
Hapot編集部より
アサガオは、種まきから2か月ほどで咲き、つるはネットさえあれば勝手に登っていく、子どもから大人まで誰にでも育てられる夏の一年草です。小学1年生の教材として日本人のほぼ全員が一度は育てた花ですが、その実力は教材にとどまりません。江戸時代には二度の大ブームを巻き起こした園芸大国日本の原点で、大輪、変化咲き、絞りと奥深い品種の世界が今も続いています。実用面では「緑のカーテン」の主役格で、真夏の窓辺を涼しくしながら、毎朝新しい花が開く楽しみはエアコンにはない豊かさです。育て方の分かれ目は本葉8枚での摘心で、これをするかどうかでつるの本数と花数が大きく変わります。夜の照明が当たらない場所に置く、朝夕の水やりを欠かさない、この2点を守れば7月から10月まで毎朝花を数える習慣が続きます。こぼれ種で翌年も芽吹くため、一度育てれば毎年夏の相棒になってくれます。

水やり
土の表面が乾いたらたっぷり(夏は朝夕)
日光
直射日光
温度の目安
20-35°C(暑さに強い)
湿度
40-60%
土
水はけの良い培養土
大きさの目安
つるは2〜5m。ネット・行灯仕立て・緑のカーテンと仕立ては自在。
成長の速さ
非常に速い(つるは1日10cm以上伸びることも)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
20-35°C(暑さに強い)
肥料
植え付け時の元肥+月2〜3回の液肥
成長速度
非常に速い(つるは1日10cm以上伸びることも)
毒性
種に毒性あり(ファルビチン)。誤食注意、特に子どもに
「本葉8枚での摘心」がつる数と花数を倍増させる分岐点。緑のカーテンを作るなら必修テクニックです。
良い苗は、本葉が2〜4枚で節間が詰まっていること、葉が厚く色が濃いこと、根がポットの底から白く出ていることの3点で選びます。
避けたいのは、つるがすでに30cm以上伸びて絡まった苗と、下葉が黄ばんだ苗の2つです。用途で系統を選ぶことも大切で、緑のカーテンには葉が茂り強健な日本アサガオか西洋アサガオ(ヘブンリーブルーは昼まで咲くが晩夏から開花)、花を楽しむなら大輪咲き、鉢なら市販の行灯仕立て苗も手軽です。種袋の「まき時・咲き始め」を確認して夏の計画に合わせてください。
日当たりの良い場所で育てます。1日6時間以上の日照があると花数が安定し、日照不足ではつるばかり伸びて花が減ります。緑のカーテンにするなら南〜西向きの窓辺に高さ2m以上のネットを張り、プランターを設置します。注意したいのは夜の明るさで、アサガオは夜の暗さの長さで開花のタイミングを計る短日植物のため、街灯や室内の照明が夜通し当たる場所では花芽が付きにくくなります。
よくある失敗は、ベランダの照明の真下に置いて8月になってもつるばかり伸び、花が1輪も咲かないケースです。この場合は夜に暗くなる場所へ移すか、照明を消すだけで2〜3週間後からつぼみが付き始めます。風が強い場所ではつるがちぎれるので、ネットはしっかり固定してください。
夏の生育最盛期は朝夕2回、鉢底から流れるまでたっぷり与えるのが基本です。葉が大きく蒸散が激しいため、真夏の水切れは昼にぐったりし、夕方に花芽ごと傷む流れになります。緑のカーテン級に茂った株は、幅65cmのプランターで1日に2〜3L以上の水を消費します。朝の水やりは涼しいうちに、夕方は日が陰ってから行います。失敗しやすいのは、旅行で2日間水を切らし、下葉が黄色くなって落ち、つぼみが茶色くしおれることです。戻ったらすぐ日陰に移してたっぷり水を与え、傷んだ葉とつぼみを取れば、1週間ほどで新しい芽が動き出します。種まき直後と本葉2枚までの幼苗期は過湿に注意し、表面が乾いてから与える通常のリズムで管理してください。
市販の花用培養土に元肥を混ぜれば十分です。自分で配合するなら赤玉土(小粒)6、腐葉土3、パーライト1に緩効性肥料を用土10Lあたり10g混ぜます。緑のカーテン用は深さ30cm、幅65cmの大型プランターに2〜3株が目安で、鉢底石を3cm敷いて水はけを確保します。小さな鉢だと真夏の水切れと肥料切れが頻発するため、容量は大きいほど管理が楽になります。種まきは5月、地温が20°C以上になってからです。アサガオの種は皮が硬いため、一晩水に浸けるか、種の丸い側を爪切りで少し傷つける「芽切り」をすると発芽がそろいます。
花数を増やす鍵は摘心です。本葉が8〜10枚になったら主づるの先端を1〜2cm摘み取ると、脇から子づるが4〜5本伸び、カーテンの横幅と花数が一気に増えます。放任すると1本のつるがひょろ長く伸びるだけで、ネットの下半分がすかすかになります。子づるが伸びたらネットに均等に振り分けて誘引し、つるが集中した場所は別の場所へ掛け直します。咲き終わった花は、種を採る分以外は早めに摘むと株の体力が次の花に回ります。
よくある失敗は、摘心の時期を逃して7月に主づるが2mを超えてから気づくことです。それでも各つるの先端を摘めば脇芽が出るので、遅くても7月中旬までなら8月のカーテンに間に合います。摘心は晴れた日の午前中に清潔なハサミで行ってください。
時期と道具を確認する
摘心は本葉8〜10枚になった6月、花がら摘みは開花中の毎朝〜2日おきに行います。清潔なハサミと手袋を用意し、晴れた日の午前中に作業します。
主づるの先端を摘心する
主づるの先端を1〜2cm、指かハサミで摘み取ります。これで脇から子づるが4〜5本伸び、カーテンの横幅と花数が増えます。遅くても7月中旬までに行います。
子づるをネットに誘引する
伸びた子づるをネットに均等に振り分け、集中した場所は別の場所へ掛け直します。つるは反時計回りに巻くので、その向きに添わせると自然に絡みます。
咲き終わった花を摘む
しぼんだ花は、種を採る分を除いて花の付け根から摘み取ります。種を作らせないことで株の体力が次の花に回り、10月まで咲き続けます。
作業後の水と肥料を続ける
摘心後は液肥を月2〜3回与え、朝夕の水やりを続けます。2週間ほどで子づるが伸び始めるので、ネット全体に広がるよう誘引を繰り返してください。
一年草のため植え替えはなく、苗の定植が主な作業です。種まきは5月中の直まきかポットまきで、ポットまきなら本葉2枚までの若苗を根鉢を崩さずに定植します。アサガオは直根性で移植を嫌うため、本葉が4枚以上になってから動かすと根が傷んで生育が止まりやすくなります。定植の適期は5月下旬〜6月中旬、最低気温が15°Cを超えてからです。植え付け時に支柱やネットの登り口を作ってあげると、つるが迷わず上に向かいます。失敗しやすいのは、育ちすぎた苗を無理に植え替えて1〜2週間しおれさせることです。その場合は日陰に置き、水を切らさず、しおれた葉を数枚取って蒸散を減らすと持ち直します。定植後は根付くまでの1週間、土が乾いたらたっぷり与え、液肥は2週間後から始めてください。
時期と道具を用意する
定植は5月下旬〜6月中旬、最低気温が15°Cを超えてからです。本葉2枚までの苗、深さ30cmのプランター、培養土、鉢底石、ネットか支柱、移植ごてを用意します。
プランターに土を入れる
鉢底石を3cm敷き、元肥を混ぜた培養土を8分目まで入れます。幅65cmのプランターなら2〜3株分の間隔(20〜25cm)を空けて植え穴を作ります。
根鉢を崩さずに植える
ポットから苗を抜き、直根を傷めないよう根鉢はそのまま植え穴に入れます。根鉢の表面と土の高さをそろえ、周囲を軽く押さえて固定します。
ネットを設置して登り口を作る
高さ2m以上のネットを窓辺に固定し、苗のすぐ横に短い支柱を立ててつるの登り口を作ります。つるは反時計回りに巻くので、その向きに軽く添わせます。
水を与えて根付くまで管理する
鉢底から流れるまでたっぷり水を与え、1週間は土が乾いたら水やりします。液肥は2週間後から月2〜3回、本葉8枚で摘心してつるを増やします。
種まきと採種のサイクルで毎年つなげます。花後にできる丸い果実が茶色くカラカラに乾いたら、中の黒い種を取り出して封筒に入れ、冷暗所で保存します。1株から数百粒は採れるため、翌年分もご近所へのお裾分けも十分です。種まきは5月、発芽適温は20-25°Cで、芽切りか一晩の吸水処理をした種を深さ1cmにまくと3〜5日で発芽します。こぼれ種でも初夏に勝手に発芽するほど繁殖力は旺盛で、発芽したら良い場所に間引きや移植をして活かせます。失敗しやすいのは、雨に当たって緑のうちに採った未熟な種をまき、発芽率が半分以下になることです。採種は果実が完全に茶色く乾いてから晴れた日に行ってください。なお種には毒性成分が含まれるため、口に入れないよう子どもへの注意を忘れずに。
時期と道具を準備する
種まきは5月、地温20°C以上が目安です。種、種まき用土、ポット、爪切りか紙やすり、水を入れた容器、ラベルを用意し、前年の種は乾いた状態を確認します。
種に芽切りと吸水処理をする
種の丸い側を爪切りで少し傷つけるか、紙やすりで軽く削り、一晩水に浸けます。皮が硬いアサガオの種は、この処理で発芽が3〜5日にそろいます。
ポットに1粒ずつ種をまく
湿らせた用土に深さ1cmの穴を開け、種を1粒ずつまいて土をかぶせます。直まきなら15cm間隔で2〜3粒ずつまき、発芽後に元気な1本に間引きます。
発芽まで土を乾かさない
日当たりの良い場所に置き、表面が乾いたら霧吹きで湿らせます。発芽後は過湿で立ち枯れしやすいので、表面が乾いてから与えるリズムに切り替えます。
花後に種を採って保存する
秋に果実が茶色くカラカラに乾いたら、晴れた日に黒い種を取り出します。封筒に入れて冷暗所で保存し、子どもの手の届かない場所に置いてください。
つると葉が茂るぶん、ハダニ(乾燥時の葉裏)、アブラムシ(新芽)、オンブバッタ(葉の食害)が付きやすくなります。ハダニは葉が白っぽくかすれる症状で分かり、葉裏へのシャワーで洗い流し、週2回の葉水で予防します。群れたアブラムシは見つけ次第、水で流すか薬剤で駆除します。夜に葉が大きく欠けるならヨトウムシの夜間見回りをしてください。病気は葉に白い粉が付くうどんこ病と、下葉から黄変する立ち枯れ系が稀に出ますが、風通しの確保と連作回避でほぼ防げます。失敗例で多いのは、8月の猛暑で葉水を怠り、カーテン全体が白くかすれて葉が落ちるケースです。被害の大きい葉を取り、葉裏を3日おきに洗い流しながら液肥を再開すれば、2〜3週間で新しい葉が茂ります。総じて丈夫で、教材に選ばれるだけの安心感があります。
5月に種をまきます。芽切りか一晩の吸水処理で発芽がそろい、発芽までは土を乾かさないようにします。肥料は元肥だけで十分です。日当たりの良い場所に置き、本葉2枚までの若苗は過湿で立ち枯れしやすいので注意してください。
本葉8枚で摘心し、子づるをネットに誘引します。水やりは朝夕2回、液肥は月2〜3回与えて葉のサイズを保ちます。日当たりの良い窓辺で毎朝の開花を楽しみ、猛暑で出るハダニは葉裏への水かけで防ぎます。
9月以降も咲き続け、西洋アサガオは本番を迎えます。水は朝1回に減らし、液肥は9月で終えます。日当たりはそのままで、種の採取を始めます。夜が冷えると花が小さくなるのは自然な変化で、枯れてからカーテンを撤収します。
オフシーズンです。株は霜で枯れるので抜き取り、ネットは洗って保管します。水も肥料も不要です。採種した種は封筒に入れて冷暗所で保存し、湿気でカビさせないようにします。こぼれ種は翌年初夏に発芽します。
原因
ハダニ。猛暑と乾燥でカーテンの葉裏に大発生しやすい。
対策
ホースのシャワーで葉裏を洗い流し、以後は葉水を習慣に。カーテンの内側の風通しを保つことも予防になります。
原因
摘心をせず1本のつるだけが伸びた、株数過多による根の競合、肥料切れ。
対策
今からでも各つるの先端を摘んで子づるを促し、液肥を再開します。来季は「本葉8枚で摘心・65cmプランターに2〜3株・月2〜3回の液肥」の基本設計で。
原因
窒素過多のつるボケ、夜間の照明による花芽の抑制、または遅咲きの西洋アサガオ。
対策
液肥を控え、夜に街灯や室内光が当たらない場所へ移します。日本アサガオなら2〜3週間でつぼみが付きます。西洋アサガオは9月からが本番なので、つるを育てて待ってください。
原因
真夏の水切れ、または高温による花芽の傷み。
対策
朝夕2回の水やりに戻し、傷んだつぼみは取り除きます。プランターが小さいなら株元をマルチングして乾燥を防ぎ、1週間ほどで新しいつぼみが付きます。
原因
幼苗期の過湿による立ち枯れ病、またはネキリムシの食害。
対策
倒れた苗は回復しないので抜き取り、残りは表面が乾いてから水を与えるようにします。株元の土を浅く掘ってネキリムシがいれば捕殺し、6月中なら種をまき直しても間に合います。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
アサガオの花言葉は「はかない恋」「固い絆」「愛情」です。朝開いて昼にはしぼむ花の命の短さが「はかない恋」の由来で、支柱にしっかり絡みついて離れないつるの姿が「固い絆」を表します。青は「はかない恋」、白は「あふれる喜び」、紫は「冷静」と色ごとの意味もあります。
風水では朝一番に開く花は「一日の陽の気の起点」とされ、東側の窓辺のアサガオは家に朝の活気を呼び込むといわれます。緑のカーテンは夏の熱気(過剰な陽)を和らげる調整役にもなります。江戸時代には牽牛花の名で七夕に飾られ、織姫と彦星の再会を祝う縁起の良い花とされてきました。
原因は窒素過多、夜の明るさ、品種特性の3つが大半です。まず肥料(特に窒素)が多いとつるボケするので液肥を控えます。次にアサガオは短日植物で、夜に街灯や室内光が当たると花芽ができないため、夜に暗くなる場所へ移します。そして西洋アサガオ(ヘブンリーブルーなど)はそもそも9月からが本番の遅咲き品種なので、秋までつるを育てて待ちます。日本アサガオで夜も暗いのに咲かない場合は、摘心して子づるを増やすと花芽の付く枝が増え、2〜3週間でつぼみが見え始めます。
摘心、誘引、水と肥料の3点です。本葉8〜10枚で主づるの先端を摘み、子づる4〜5本を横に振り分けます。つるが集中したら別の場所へ掛け直し、ネット全体に均等に広げます。幅65cmのプランターに2〜3株が適正で、多すぎると根が競合してかえって茂りません。朝夕の水やりと月2〜3回の液肥で葉のサイズを保つことも欠かせません。7月中にネットの7割を覆えれば、8月の猛暑に間に合います。
一輪は朝限りですが、株として長く咲かせることはできます。咲きがらをこまめに摘んで種づくりの消耗を防ぎ、月2〜3回の液肥を9月まで続けて体力を保ち、6月の遅まきや西洋アサガオの併用で10月まで開花リレーをつなぎます。一輪を長く見たいなら、開花する朝の涼しさが鍵で、猛暑日の花は昼前にしぼみますが、涼しい日や日陰の花は午後まで持ちます。西洋アサガオは午後まで咲く性質なので、昼も見たいならヘブンリーブルーを選んでください。
アサガオの種にはファルビチンという成分が含まれ、量によっては嘔吐や腹痛、下痢を起こすことがあります。1〜2粒を口に入れただけならまず口をすすがせ、様子を見てください。飲み込んだ量が多い、嘔吐や強い腹痛がある、ぐったりしている場合はすぐに医療機関か中毒110番に相談してください。予防としては、採種した種は封筒に名前を書いて子どもの手の届かない場所に保管し、栽培中は種を取る作業を大人が行うようにします。花や葉をさわる程度なら問題ありません。
アサガオの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
10月の作業と、アサガオの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。