苗・株の選び方
こんもり密に茂り、株元の蒸れ・枯れ込みのない苗を選びます。白が定番ですが、紫・ピンク・アプリコットの混色も寄せ植えの妙味。暑さに強い栄養系「スーパーアリッサム」は夏越し狙いに最適です。
Hapot編集部より
アリッサム(スイートアリッサム)は、米粒ほどの小花が絨毯状に敷き詰められ、ほんのり蜂蜜の香りを漂わせる「寄せ植えの縁の絶対王者」です。役どころは徹底して名脇役:主役の株元を覆い、鉢の縁からこぼれ、花壇の前列を埋める——「隙間を花に変える」専門職です。パンジー・ビオラ・ノースポールとの相性は鉄板で、この4種を覚えれば冬の寄せ植えは卒業証書もの。性質は丈夫で花期も長く(秋〜初夏)、香りに誘われてミツバチや益虫も集まります。弱点は高温多湿の蒸れだけ:日本の夏に一度途切れますが、切り戻しと秋の涼しさで復活する底力も持っています。
水やり
土の表面が乾いたら(過湿と蒸れが苦手)
日光
直射日光
適温
5-25°C(耐寒性あり。夏の蒸れが弱点)
湿度
40-60%
土
水はけの良い花用培養土
肥料
月1回の薄い液肥(多肥は徒長の元)
成長速度
速い(横に這って広がる)
毒性
毒性の報告は特にない
こんもり密に茂り、株元の蒸れ・枯れ込みのない苗を選びます。白が定番ですが、紫・ピンク・アプリコットの混色も寄せ植えの妙味。暑さに強い栄養系「スーパーアリッサム」は夏越し狙いに最適です。
日当たりと風通しの良い場所で育てます。定位置は「端っこ」:寄せ植えの縁、ハンギングの側面、花壇の最前列、レンガの隙間——低く(10cm)横に広がる性質が輝く場所です。石灰質の乾いた土を好む地中海育ちなので、水はけの悪い場所だけ避けてください。霜には耐えますが、寒冷地の厳冬期は軒下が安心です。
土の表面が乾いたら株元にたっぷり。細かい花に上から水をかけると傷みと蒸れの元なので、株元給水を徹底します。過湿に弱いため「乾いてから」を守り、梅雨時は雨の当たらない場所へ移せる鉢・ハンギングが管理しやすいです。
水はけの良い花用培養土でOK。アブラナ科ながら酸性土をやや嫌うため、庭植えは苦土石灰をひと握り混ぜると本領を発揮します。ポット苗の植え付けは10〜11月と3〜4月:根鉢を崩さず、広がる分の余白を残して。
「もこもこ」を保つ鍵が切り戻しです。①花が一巡してタネっぽくなったら、株全体を1/3〜半分刈ると2〜3週間で再びもこもこに(花がら摘みを株単位でやるイメージ)。②梅雨前の切り戻しは蒸れ予防を兼ねる最重要作業。伸びすぎた枝の随時カットも姿を保ちます。刈るたび復活する再生力が、長い花期の正体です。
一年草扱いが基本で植え替えは不要です(温暖地では夏越しして多年草化することも)。寄せ植えの組み替え時は、根鉢ごとそっと移せば活着します。
種まきとこぼれ種で増えます。種まきは9〜10月か3月:微細種子なので薄まき・ごく薄い覆土で。こぼれ種でもよく更新し、石垣の隙間などに自然に住み着くたくましさがあります。切り戻した枝の挿し芽も可能です。
丈夫ですが、アブラナ科ゆえアオムシ・コナガが稀に付きます(見つけ次第捕殺)。実質最大の敵は蒸れ:梅雨〜夏に株の中心が茶色く枯れ込むのは高温多湿のサインで、切り戻しと風通しで軽減します。アブラムシは春先の新芽をチェックを。
最盛期。もこもこの縁取りが完成。一巡したら切り戻しで二巡目へ。
蒸れの試練。半日陰へ移動+切り戻しで夏越しに挑戦(ダメなら秋に更新)。
植え付け・種まきの適期。冬の寄せ植えの縁役として登板。
咲きながら越冬。霜に耐え、日だまりで香りを漂わせる。
原因
蒸れ。高温多湿期の密な株内部で発生する定番症状。
対策
枯れ込みを取り除いて株を1/2に切り戻し、風通しの良い半日陰へ。復活力は高いので、涼しくなれば再生します。梅雨前の予防的切り戻しが最良の対策です。
原因
花の一巡による小休止、または肥料過多・日照不足。
対策
株を1/3刈り込んでリセットし、薄い液肥を1回。日当たりを確保すれば2〜3週間で次の花のウェーブが始まります。
アリッサムの花言葉は「優美」「飛躍」。小さな花が集まって大きな景色を作る姿と、甘い香りに由来します。
香る白い小花の絨毯は「良縁を招く気」を持つとされ、玄関まわりの鉢の縁に植えると出会い運を呼ぶといわれます。
「縁の内側に斜め植え」が職人の技です。手順:①鉢の縁ぎりぎりに、株をやや外向きに傾けて植える(真上向きより早く縁からこぼれます)、②主役との間に握りこぶし一つの余白を残す(広がりしろ)、③2〜3株を等間隔に配置すれば1か月で縁が白い雲に。ハンギングなら側面ポケットに差し込むと球体が完成します。パンジー+ノースポール+アリッサムの三点セットは、冬寄せ植えの黄金比:主役・中間・縁の三層が自動的に決まる、覚えて損のない方程式です。
高温多湿による蒸れで、アリッサム唯一にして最大の弱点です。対処:①枯れ込み部分を取り除き、株全体を1/2に切り戻す、②風通しの良い半日陰(西日回避)へ移動、③水は株元へ控えめに。これで夏を越せれば、秋に涼しさとともに復活します(温暖地では多年草化の入口)。夏越しに失敗しても悲観は無用:秋にこぼれ種の子苗か新苗で更新すればよく、「夏はお休みする花」と割り切るのが日本での上手な付き合い方です。暑さに強い改良種スーパーアリッサムなら、夏越し成功率が大きく上がります。