苗・株の選び方
球根は硬くカビのないものを選びます。小さくシワシワなのが正常な姿なので、見た目の貧相さは気にしなくてOK(吸水すると倍以上に膨らみます)。一重のデカン系は丈夫で初心者向き、八重のセントブリッド系は豪華さ重視。ポット苗(芽出し済み)なら吸水処理不要で手軽です。
Hapot編集部より
アネモネは、赤・青・紫・白の鮮烈な花色と黒い花芯のコントラストが目を引く、早春の球根植物です。ギリシャ神話では風の神が愛した花(アネモス=風)とされ、「風の花」の異名を持ちます。ラナンキュラスと並ぶ秋植え球根の人気者で、育て方もほぼ兄弟:カラカラの球根をゆっくり湿らせる「吸水処理」から始め、日なたで育てれば2月から5月まで長く咲き続けます。一重の原種風から八重の豪華な品種まで揃い、一球から10輪前後と花上がりも優秀。ラナンキュラスより野性味があって丈夫で、植えっぱなしで数年咲く例もあるほど。秋の球根売り場で、チューリップの隣のこの小さな球根を見逃さないでください。
水やり
土の表面が乾いたら(過湿嫌い)
日光
直射日光
適温
5-20°C(冷涼好き。生育適温10-15°C)
湿度
40-60%
土
水はけの良い花用培養土
肥料
芽出し後から月2回の液肥
成長速度
秋植え→早春から長期開花
毒性
全草に毒性(プロトアネモニン)。汁液でかぶれることも。ペット注意
球根は硬くカビのないものを選びます。小さくシワシワなのが正常な姿なので、見た目の貧相さは気にしなくてOK(吸水すると倍以上に膨らみます)。一重のデカン系は丈夫で初心者向き、八重のセントブリッド系は豪華さ重視。ポット苗(芽出し済み)なら吸水処理不要で手軽です。
日当たりの良い場所で育てます。日照不足では花数が減り、花色も冴えません。耐寒性は強く、霜に当たっても平気で屋外越冬します(寒冷地は防寒を)。開花期が2〜5月と長いのが魅力で、涼しい場所ほど花が長持ちします。花壇の前列、鉢、寄せ植えの差し色と使い勝手も良好。風の花の名の通り、風通しの良い場所が病気予防にもなります。
植え付け後から春まで、土の表面が乾いたらたっぷりと。冬も生育中なので水切れに注意しつつ、過湿は球根腐敗の元なので「乾いたら、たっぷり」のメリハリを守ります。花に水をかけると傷むため株元給水で。花後、葉が黄変し始めたら水を減らして休眠へ導きます。
水はけの良い花用培養土でOKです。庭植えは2週間前に苦土石灰(酸性土を嫌います)、1週間前に元肥を混ぜて高めの畝に。球根はまず吸水処理を:湿らせたバーミキュライトに埋めて涼しい場所で2〜3日、ゆっくり膨らませます。植える向きは「尖った方を下・平らな方を上」(ラナンキュラスと逆で迷いやすいポイント)。分からなければ横向きでも自力で調整してくれます。深さは1〜2cmの浅植えで。
咲き終わった花は花茎の根元から切り取り、次々上がるつぼみに栄養を回します。長い開花期を支えるのはこの花がら摘みと月2回の液肥。黄変した葉も随時取り除いて株元の風通しを保ちます。切り花にも向くので、咲きかけを室内に飾るのも一興です。
植え付けは10〜11月。花後、初夏に葉が枯れたら掘り上げて陰干しし、ネット袋で秋まで保存します(梅雨の多湿で腐りやすいため掘り上げが基本)。水はけの良い花壇なら植えっぱなしで数年咲くこともあり、ラナンキュラスより「放任に強い」のがアネモネの美点:ダメ元の植えっぱなし実験も面白いところです。
分球で増やせます。掘り上げた球根が自然に分かれていたら、そのまま分けて保存・植え付けを。開花サイズになるまで小球は1〜2年の養成が必要です。種から育てることも可能(タンポポのような綿毛の種)ですが開花まで時間がかかるため、球根スタートが実用的。お気に入りの色は掘り上げ保存でつなぎましょう。
アブラムシ(春の茎・つぼみ)と灰色かび病(花がら放置と多湿)がお決まりの相手です。見つけ次第の駆除と、花がら摘み・風通しで予防します。うどんこ病が春の後半に出ることもありますが実害は限定的。球根の腐敗は吸水処理の丁寧さと水はけで防ぎます。汁液に触れるとかぶれることがあるため、手入れは手袋着用で。
2〜5月の長期開花。液肥と花がら摘みでフルスロットル。
葉が枯れたら掘り上げて陰干し保存(または植えっぱなし実験)。
10〜11月に吸水処理→「尖った方を下」に植え付け。
葉が茂る生育期。霜に強く屋外でOK。早い株は2月から開花。
原因
吸水処理なしの直植え、または上下逆さ植え(尖った方が上になっている)。
対策
「湿らせたバーミキュライトで2〜3日吸水→尖った方を下に浅植え」でやり直します。上下不明なら横向き植えでも自力で芽が上を向きます。
原因
開花末期の株の疲れと風通し不足。
対策
発症葉を除去し風を通します。開花末期なら実害は小さいため、花を楽しみ切ってから株を整理すればOKです。
アネモネの花言葉は「はかない恋」「あなたを信じて待つ」。神話の悲恋に由来します。赤は「君を愛す」、白は「真実」、紫は「あなたを信じて待つ」。
風の名を持つ花は「気の流れを運ぶ」とされ、庭や玄関の淀みを払うといわれます。鮮やかな花色は早春の陽の気の呼び水に。
「尖った方を下、平らな(へこんだ)方を上」です。ラナンキュラス(タコ足を下)と混同しやすく、チューリップ(尖った方が上)とは逆なので、球根界屈指のひっかけ問題といえます。よく見ると尖った側が根の出る側。どうしても判別できない場合は横向きに植えれば、芽が自力で上を向いて出てきます。植え付け前の吸水処理(湿らせたバーミキュライトで2〜3日)もお忘れなく。
総合的にはアネモネです。どちらも吸水処理→秋植え→春咲きの同じ流れですが、アネモネの方が①寒さに強く防寒の手間が少ない、②病気に強い、③植えっぱなしでも翌年咲くことがある、と放任耐性で勝ります。花の豪華さではラナンキュラスに軍配。「手軽さのアネモネ、華やかさのラナンキュラス」なので、初挑戦はアネモネ、慣れたら両方植えて2〜5月の球根リレーを楽しむのがおすすめです。