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アネモネの育て方

Anemone coronaria公開日: 最終更新日:

アネモネの育て方の要点

開花
2〜5月
植えどき
10〜11月
水やり
土の表面が乾いたら(過湿嫌い)
置き場所
直射日光

Hapot編集部より

アネモネは、秋に球根を植えて日なたに置くだけで2月から5月まで咲き続ける、秋植え球根の中でも失敗の少ない初心者向きの花です。赤・青・紫・白の鮮やかな花色と黒い花芯のコントラストが目を引き、ギリシャ語で風を意味するanemosが名の由来で「風の花」とも呼ばれます。育て方はラナンキュラスとほぼ同じで、乾いた球根を湿らせたバーミキュライトで2-3日かけてゆっくり吸水させてから、尖った方を下にして浅植えします。耐寒性が強く霜に当たっても屋外で越冬し、一球から10輪前後と花上がりも優秀です。ラナンキュラスより丈夫で、水はけの良い場所なら植えっぱなしで翌年も咲くことがあるほど放任に強いのが美点です。一重の原種風から八重の豪華な品種まで揃い、花壇の前列や鉢、寄せ植えの差し色、切り花と用途も広く、秋の球根売り場でチューリップの隣に並ぶ小さな球根から始められます。

アネモネの姿

分類・基本データ

科
キンポウゲ科
属
イチリンソウ属 Anemone
種
アネモネ
別名
ボタンイチゲ、牡丹一華、ハナイチゲ、風の花
原産地
地中海沿岸原産。ギリシャ語のanemos(風)が名の由来です。

アネモネの育て方の5つのポイント

水やり

土の表面が乾いたら(過湿嫌い)

日光

直射日光

温度の目安

5-20°C(冷涼好き。生育適温10-15°C)

湿度

40-60%

土

水はけの良い花用培養土

アネモネはどれくらい大きくなる?

大きさの目安

草丈15〜40cm。花壇の前列・鉢・寄せ植え・切り花に。

成長の速さ

秋に植えて早春から長期開花

温度の目安(耐寒〜耐暑)

5-20°C(冷涼好き。生育適温10-15°C)

ケアのポイント

肥料

芽出し後から月2回の液肥

成長速度

秋に植えて早春から長期開花

毒性

全草に毒性(プロトアネモニン)。汁液でかぶれることも。ペット注意

ラナンキュラス同様「吸水処理」からスタート。植える向きが分かりにくい球根なので「尖った方を下」を覚えておきましょう。

育て方の詳細

苗・株の選び方

球根は、指で押して硬いこと、カビや黒ずみがないこと、大きさが2cm前後で厚みがあることの3点で選びます。小さくシワシワなのが正常な姿で、吸水すると倍以上に膨らむので見た目の貧相さは気にしなくて構いません。

避けたいのは、触って柔らかい球根と、白や緑のカビが付いた球根です。一重のデカン系は丈夫で初心者向き、八重のセントブリッド系は豪華さ重視で選びます。芽出し済みのポット苗なら吸水処理が不要で手軽です。

置き場所・日当たり

日当たりの良い屋外で育てます。1日5時間以上日が当たる場所が理想で、日照不足では花数が減り花色も冴えません。耐寒性は強く、霜に当たっても平気で屋外越冬しますが、-5°C以下になる寒冷地では鉢を軒下に寄せるか不織布をかけます。生育適温は10-15°Cの冷涼な気候で、開花期の2-5月は涼しい場所ほど花が長持ちします。失敗例として、冬の間だけ暖かい室内の窓辺に取り込み、葉が間延びして花が咲かないことがありますが、屋外の日なたに戻して1か月ほど寒さに当てれば締まった株になり、つぼみが上がります。風の花の名の通り風通しの良い場所が病気予防にもなり、花壇の前列、鉢、寄せ植えの差し色と使い勝手も良好です。

水やりの詳細

植え付け後から春まで、土の表面が乾いたら鉢底から流れるまでたっぷり与えます。冬も生育中なので水切れに注意しますが、過湿は球根腐敗の元なので、乾いたらたっぷりのメリハリを守ります。冬は3-5日に1回、開花期の3-4月は2-3日に1回が目安で、凍結を避けるため午前中に与えます。花に水をかけると傷むため株元給水にします。失敗例として、植え付け直後から毎日水を与えて球根が腐り、芽が出ないことがあります。芽が出る前は土の表面が乾いてから与え、掘り上げてぶよぶよなら処分して植え直します。花後に葉が黄変し始めたら水を徐々に減らして休眠へ導き、葉が枯れたら水を止めます。

最適な土の作り方

市販の花用培養土をそのまま使えます。自分で配合するなら赤玉土小粒6、腐葉土3、パーライト1の水はけの良い土にし、鉢底には鉢底石を2cm敷きます。酸性土を嫌うため、庭植えは植え付け2週間前に苦土石灰を1平方メートルあたり100g混ぜ、1週間前に元肥の緩効性肥料を入れて高めの畝にします。球根は湿らせたバーミキュライトに埋めて涼しい場所で2-3日かけて吸水させ、尖った方を下、平らな方を上にして深さ1-2cmの浅植えにします。株間は10-15cmが目安です。

剪定・切り戻し

咲き終わった花は花茎の根元から切り取り、次々上がるつぼみに栄養を回します。2-5月の長い開花期を支えるのは、この花がら摘みと月2回の液肥です。花びらが散り始めた段階で切ると種づくりに体力を使わずに済み、一球あたり10輪前後の花数を保てます。黄変した葉も随時取り除いて株元の風通しを確保します。失敗例として、花がらを放置して株の中心が灰色かび病で腐ることがありますが、傷んだ花と葉をすべて根元から取り除き、風通しの良い場所へ移せば残った芽から回復します。切り花にも向くので、咲きかけを茎ごと切って室内に飾るのも良い手入れです。5月に入り花が終わったら葉を残し、球根を太らせます。

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    時期と道具を用意する

    花がら摘みは開花中の2-5月に随時行います。清潔な園芸バサミと手袋を用意します。汁液でかぶれることがあるので素手では触れません。

  2. 2

    散り始めた花を根元から切る

    花びらが散り始めた花は、花茎を根元までたどって付け根で切ります。途中で切ると残った茎が腐るので、必ず株元近くで切ります。

  3. 3

    黄変した葉を取り除く

    黄色くなった葉や傷んだ葉は付け根から取り除き、株元の風通しを確保します。灰色かび病の予防になります。

  4. 4

    切り花にする花は咲きかけで切る

    室内に飾りたい花は、咲きかけのうちに茎を長めに切ります。切った後も次のつぼみが上がるので、株の花数は減りません。

  5. 5

    作業後は液肥を続けて次の花を待つ

    作業後は土が乾いたら株元に水を与え、月2回の液肥を続けます。5月に花が終わったら葉を残し、球根を太らせて休眠に導きます。

植え替え

植え付けは10-11月で、吸水処理した球根を尖った方を下にして深さ1-2cmの浅植えにします。鉢なら5号鉢に3球、株間は10-15cmが目安です。花後、6月に葉が枯れたら掘り上げて陰干しし、ネット袋に入れて風通しの良い日陰で秋まで保存します。梅雨の多湿で腐りやすいため掘り上げが基本ですが、水はけの良い花壇なら植えっぱなしで数年咲くこともあります。失敗例として、上下を逆に植えて芽が出るのが1か月遅れることがありますが、球根は自力で向きを直して芽を出すので、掘り返さず待ちます。向きが分からない球根は横向きに植えれば安全です。植え付け後は日なたに置き、芽が出るまでは土の表面が乾いてから水を与えます。

  1. 1

    時期と道具を用意する

    植え付けの適期は10-11月です。吸水処理した球根、花用培養土、鉢底石、5号鉢か花壇、移植ゴテ、緩効性肥料を用意します。

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    球根を2-3日かけて吸水させる

    湿らせたバーミキュライトに球根を埋め、10°C前後の涼しい場所に2-3日置きます。倍ほどに膨らんだら植え付けの合図です。水に直接浸けません。

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    鉢底石と元肥入りの土を入れる

    鉢底石を2cm敷き、元肥を混ぜた培養土を鉢の縁から3cm下まで入れます。花壇は2週間前に苦土石灰を混ぜて高めの畝にしておきます。

  4. 4

    尖った方を下にして浅植えする

    球根の尖った方を下、平らな方を上にして深さ1-2cmに置き、株間10-15cmで土をかぶせます。向きが分からなければ横向きでも構いません。

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    水を与えて日なたで管理する

    植え付け後にたっぷり水を与え、屋外の日なたに置きます。芽が出るまでは土の表面が乾いてから水を与え、過湿で球根を腐らせないよう注意します。

増やし方

分球で増やせます。6月に葉が枯れた後に掘り上げると球根が自然に分かれていることが多く、手で分けて陰干しし、秋まで保存してから植え付けます。開花サイズになるまで小さな球は1-2年の養成が必要で、その間も日なたで育てて葉を枯れるまで残します。種から育てることも可能で、花後にできる綿毛の付いた種を採り、10月に種まき用土へまいて薄く覆土すると2-3週間で発芽しますが、開花までは1-2年かかります。失敗例として、掘り上げた球根をビニール袋で保存して夏にカビさせることがありますが、ネット袋や紙袋に移して風通しの良い日陰に置き、カビた球だけ取り除けば残りは秋に植えられます。お気に入りの色は掘り上げ保存でつなぎましょう。

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    時期と道具を用意する

    分球の適期は葉が枯れた6月です。移植ゴテ、ネット袋か紙袋、球根を並べる新聞紙を用意し、晴れが続いた乾いた日に作業します。

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    葉が枯れたら球根を掘り上げる

    葉が完全に黄変して枯れたら、球根を傷つけないよう周囲から広めに掘り上げます。土を軽く落とし、腐った部分や柔らかい球は取り除きます。

  3. 3

    自然に分かれた球根を手で分ける

    球根が自然に分かれていれば手で分けます。無理に割ると腐りやすいので、つながっている部分はそのままにします。小さな球は1-2年で開花サイズになります。

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    陰干ししてネット袋で保存する

    風通しの良い日陰で1週間ほど陰干しし、ネット袋に入れて秋まで保存します。ビニール袋は蒸れてカビるので使いません。

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    秋に吸水処理をして植え付ける

    10-11月に湿らせたバーミキュライトで2-3日吸水させ、尖った方を下にして浅植えします。小さな球も同じ管理で日なたに置きます。

病害虫対策

アブラムシと灰色かび病が主な相手です。アブラムシは春の茎やつぼみに集まるので、見つけ次第水で洗い流すか手で払い、多発時は市販の殺虫剤を1週間おきに2回散布します。灰色かび病は花がらの放置と多湿で発生し、花や葉が灰色のカビに覆われます。花がら摘みと風通しの確保で予防し、発生したら傷んだ部分を根元から取り除きます。春の後半にうどんこ病が出ることもありますが、開花末期なら実害は小さく、発症葉を除去して様子を見ます。失敗例として、過湿で球根が腐って株がしおれることがありますが、掘り上げて硬い部分が残っていれば乾かして秋に植え直せます。汁液に触れるとかぶれることがあるため、手入れは手袋を着けて行います。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
種蒔き
開花
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 2月早い株の開花スタート
  • 3月開花本番・液肥月2回・花がら摘み
  • 4月満開・切り花でも楽しむ
  • 5月花の終わり・葉を残して球根を太らせる
  • 10月吸水処理スタート
  • 11月「尖った方を下」に浅植え

季節ごとの管理

春の管理

2-5月の開花期です。土が乾いたら午前中にたっぷり水を与え、月2回の液肥と花がら摘みを続けます。日なたの涼しい場所ほど花が長持ちします。アブラムシがつぼみに集まりやすいので早めに払い、花がらの放置による灰色かび病に注意します。

夏の管理

休眠期です。6月に葉が枯れたら水を止めて掘り上げ、陰干ししてネット袋で風通しの良い日陰に保存します。肥料は不要です。植えっぱなしにする場合は雨の当たらない場所に鉢を移し、梅雨の多湿で球根が腐らないよう乾かして管理します。

秋の管理

10-11月に植え付けます。湿らせたバーミキュライトで2-3日吸水させた球根を、元肥入りの水はけの良い土に尖った方を下にして浅植えします。芽が出るまでは土の表面が乾いてから水を与え、日なたに置きます。植え付け直後の過湿に注意します。

冬の管理

葉が茂る生育期で、屋外の日なたで管理します。土が乾いたら午前中に水を与え、12月から月2回の薄い液肥を始めます。霜には強く防寒は不要ですが、-5°C以下の寒冷地は軒下へ。暖かい室内に取り込むと徒長するので避けます。早い株は2月に咲きます。

10月の作業をくわしく知りたいときは秋植え球根の植え方や冬の寄せ植えの記事も参考になります。

よくあるトラブルと対策

芽が出ない・球根が腐った

原因

吸水処理なしの直植え、植え付け直後の過湿、または上下逆さ植えのいずれかです。

対策

湿らせたバーミキュライトで2-3日吸水させてから、尖った方を下に浅植えでやり直します。芽が出るまでは土の表面が乾いてから水を与えます。上下が不明なら横向きでも芽は上を向きます。

ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

アネモネの花言葉・風水

花言葉

アネモネの花言葉は「はかない恋」「あなたを信じて待つ」です。ギリシャ神話で美少年アドニスの死を悲しんだ女神の涙から咲いた花とされる悲恋の物語に由来します。色別では赤が「君を愛す」、白が「真実」、紫が「あなたを信じて待つ」とされます。

風水・縁起

風の名を持つアネモネは「気の流れを運ぶ花」とされ、庭や玄関の淀んだ気を払うといわれます。名前の由来であるギリシャ語のanemos(風)から、風が運ぶ新しい縁や変化の象徴とされました。鮮やかな花色は早春の陽の気を呼び込む色とされ、東側に植えると良いとされます。

アネモネのよくある質問

Qアネモネの球根はどちらを上にして植えますか。回答を見る
A

尖った方を下、平らなへこんだ方を上にして植えます。ラナンキュラスはタコ足を下に、チューリップは尖った方を上にするので、混同しやすい球根です。よく見ると尖った側が根の出る側で、どうしても判別できない場合は横向きに植えれば芽が自力で上を向いて出てきます。植え付け前に湿らせたバーミキュライトで2-3日かけてゆっくり吸水させる処理も忘れずに行い、深さ1-2cmの浅植えにしてください。

Qラナンキュラスとアネモネはどちらが育てやすいですか。回答を見る
A

総合的にはアネモネです。どちらも吸水処理をして秋に植え、春に咲く同じ流れですが、アネモネの方が寒さに強く防寒の手間が少ないこと、病気に強いこと、植えっぱなしでも翌年咲くことがあることと、放任耐性で勝ります。花の豪華さではラナンキュラスに軍配が上がります。初挑戦はアネモネで慣れ、翌年から両方植えて2-5月の球根リレーを楽しむのがおすすめです。

Qアネモネの吸水処理はなぜ必要ですか。やり方も教えてください。回答を見る
A

乾燥した球根をいきなり土に植えて水を与えると、急激に水を吸って腐りやすいためです。湿らせたバーミキュライトかキッチンペーパーの上に球根を置き、冷蔵庫の野菜室か10°C前後の涼しい場所で2-3日かけてゆっくり膨らませます。球根が倍ほどに膨らんで芽の部分が白く見えてきたら植え付けの合図です。水に直接浸けると吸いすぎて腐るので避けてください。芽出し済みのポット苗を買えばこの処理は不要です。

Qアネモネは植えっぱなしでも翌年咲きますか。回答を見る
A

水はけの良い場所なら咲くことがありますが、確実にしたいなら掘り上げます。梅雨の高温多湿で球根が腐りやすいため、6月に葉が枯れたら掘り上げて陰干しし、ネット袋で風通しの良い日陰に保存して10-11月に植え直すのが基本です。鉢植えなら雨の当たらない軒下に移して断水すれば、掘り上げずに夏を越せることもあります。翌春に芽が出なかった場合は、球根が腐っているので新しい球根で再スタートしてください。

アネモネに関係するナレッジ

アネモネの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。

アネモネを育てる人が次に読んでいるページ

10月の作業と、アネモネの手入れで迷ったときに役立つページです。

この記事について

執筆: Hapot編集部

植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。

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