苗・株の選び方
ガーデン初心者は「ガーデンマム」「ポットマム」の鉢・苗から:ドーム状に咲く姿が保証されており、花色も豊富です。蕾が色づき始めた株を選ぶと失敗なく満開を楽しめます。切り花用の高性種や大菊は挿し芽からの本格コースで。
Hapot編集部より
キク(菊)は、皇室の紋章から仏花、厚物の菊花展からポットマム、洋風のマム人気まで、日本人の暮らしに最も深く根を張った秋の花です。近年は「マム」の名で洋花としての再評価が進み、スプレーマムやガーデンマムのカラフルでポップな品種が花壇・寄せ植えの新定番に。性質は見た目より遥かにタフな宿根草で、一度植えれば冬に地上部が枯れても春に芽吹き、毎年秋に咲き続けます。管理の要は「摘心」:春から初夏に2〜3回芽先を摘むだけで、枝数が倍々に増えてドーム状の見事な株になります。秋の日暮れとともに花芽を作る短日植物なので、夜の照明にだけご注意を。仏花のイメージを一度忘れて、ガーデンマムの鮮やかさから始めてみてください。
水やり
土の表面が乾いたら(過湿嫌い)
日光
直射日光
適温
15-25°C(宿根草として耐寒性強)
湿度
40-60%
土
水はけの良い肥沃な土
肥料
春〜蕾が色づくまで月1回(開花中は不要)
成長速度
速い(春に芽吹き秋に開花の宿根サイクル)
毒性
ペットが食べると嘔吐等の恐れ(キク科のピレトリン類)
ガーデン初心者は「ガーデンマム」「ポットマム」の鉢・苗から:ドーム状に咲く姿が保証されており、花色も豊富です。蕾が色づき始めた株を選ぶと失敗なく満開を楽しめます。切り花用の高性種や大菊は挿し芽からの本格コースで。
日当たりと風通しの良い場所で育てます。日照不足は花数減少と徒長の元。そして重要なのが「夜の暗さ」:キクは短日植物で、秋の夜が長くなることで花芽を作るため、街灯・玄関灯・室内光が夜間当たる場所では開花が遅れたり咲かなかったりします。花壇・鉢とも「昼は明るく夜は暗い」場所が正解です。宿根性で耐寒性は強く、冬は地上部が枯れて根で越冬します。
土の表面が乾いたらたっぷり、が基本です。過湿を嫌うため受け皿の水は捨て、株元に注ぎます(葉や花への水かけは病気の元)。蕾が付いてから開花までの水切れは花のサイズを落とすため、秋はやや丁寧に。冬の休眠中は控えめで十分です。
水はけの良い肥沃な土を好みます。市販の花用培養土に元肥を混ぜて。連作を嫌う性質があるため、鉢は毎年新しい土に、花壇は数年で場所替えか土の更新を。挿し芽苗の植え付けは5〜6月、ポット苗は春と秋に出回ります。
キク栽培の主役は「摘心」です。①1回目:植え付け後、草丈15cmほどで芽先を摘む、②2回目・3回目:伸びた脇芽が15cmになるたび繰り返す(最終は7月中旬まで)。これで1本苗が数十輪咲くドーム株に化けます。開花後は花がらを摘み、全部咲き終わったら地際から10cmで刈り取り、冬至芽(株元の新芽)で越冬させます。大輪一輪仕立て(菊花展スタイル)は逆に脇芽・脇蕾をすべて取る「摘蕾」の世界です。
宿根草ですが、同じ場所・同じ土では年々花が衰える性質(いや地)があります。理想は毎春の更新:株元から出る冬至芽を春に掘り上げて新しい土に植え直すか、挿し芽で若い株を作ってバトンタッチします。「株は毎年若返らせる」が菊作りの伝統的な知恵です。
挿し芽が簡単で、菊作りの基本技術です。5〜6月、新芽の先端を5〜8cmで切り、下葉を取って挿し芽用土へ:2〜3週間で発根し、そのまま摘心コースへ移行します。株分け(春に冬至芽を分ける)も手軽。お気に入りの色を挿し芽で毎年つなぐのが、キクと長く付き合う王道です。
アブラムシ(新芽・蕾)、ハダニ、キクスイカミキリ(茎に産卵し先端が急にしおれる)が三大害虫です。キクスイカミキリはしおれた茎の下を切って幼虫ごと処分を。病気は白さび病(葉裏に白〜淡黄色のイボ状斑点)が最重要で、見つけ次第病葉を除去し、風通しを確保します。連作といや地は株の弱り=病害虫の呼び水になるため、毎年の株更新が最大の予防策です。
冬至芽の植え替え・挿し芽で株の更新。摘心1回目スタート。
摘心を7月中旬までに完了。夜の照明チェックも忘れずに。
開花の本番。蕾が色づいたら肥料を止め、花を満喫。
花後に刈り取り、冬至芽で越冬。霜よけは軽くでOK。
原因
キクスイカミキリの産卵。茎に傷を付けて卵を産み、幼虫が茎内を食い下がる。
対策
しおれた部分の少し下で茎を切り、幼虫ごと処分します。早期対処なら株全体への影響は軽微。切った下から脇芽が伸びて回復します。
原因
白さび病。キク特有の重要病害で、多湿と株の老化で広がる。
対策
病葉を見つけ次第除去・処分し、風通しを確保します。多発する株は諦めて処分し、健康な冬至芽や挿し芽から株を更新するのが確実です。
キク全体の花言葉は「高貴」「高潔」。赤は「あなたを愛しています」、白は「真実」、黄は「破れた恋」——色で大きく意味が変わる花です。
皇室の紋にも使われる菊は「最高位の陽の気」を持つとされ、長寿と繁栄の象徴。重陽の節句(9月9日)に菊を飾る風習は千年続く開運行事です。
まず「夜の明るさ」を疑ってください。キクは夜が12時間以上暗くなると花芽を作る短日植物:昨年以降に外灯・センサーライト・室内カーテン越しの光が当たるようになっていれば、それが原因です(鉢なら夜だけ暗い場所へ移動で解決)。次に疑うのは連作・いや地による株の老化:数年同じ場所の株は花が減るため、春の挿し芽や冬至芽の植え直しで若返らせます。摘心のしすぎ(7月中旬以降の摘心は花芽を遅らせます)も遅咲きの一因です。
「摘心のリズム」がすべてです。①苗の植え付け後、草丈15cmで1回目の摘心、②脇芽が15cm伸びるごとに2回目・3回目(最終は7月中旬)、③あとは放任で秋を待つ——これだけで1本の苗が数十輪のドームになります。市販のガーデンマムはこの仕立てが済んだ状態で売られているので、初年は買った株で楽しみ、翌年から自分の摘心で再現するのが上達の近道。肥料は蕾が色づくまで月1回を忘れずに。