苗・株の選び方
良い苗の目安は、節間が詰まって株元から枝数が多いこと、葉色が濃くつやがあること、つぼみが上がり始めて花色を確認できることの3点です。
避けたいのは、茎がひょろりと伸びた徒長苗と、株元の葉が黄ばんで枯れ上がった苗で、後者は立ち枯れの初期の可能性があります。用途で草丈を選び、寄せ植えは矮性のフローラルシャワーなど、花壇の立体感には中高性、切り花には高性種を選びます。10-11月の店頭が品揃えのピークです。
Hapot編集部より
キンギョソウは、秋にポット苗を植えれば春に穂状の花を次々と咲かせ、咲き終わった穂を切り戻すだけで初夏まで咲き続ける、丈夫で初心者向きの秋植え一年草です。金魚の口のような花を指でつまむと開く姿が名前の由来で、英名のスナップドラゴンは噛みつく竜を意味します。地中海沿岸原産で冷涼な気候を好み、耐寒性は比較的強く霜よけ程度で越冬しますが、梅雨の蒸れと夏の暑さには弱く、一年草として扱います。草丈は矮性の15cmから切り花用の1mまで幅広く、花壇ではパンジーの後ろの中列、寄せ植えでは中段に立体感を出す役を担います。穂は下から上へ咲き上がり、7割咲いたところで穂ごと切ると脇芽から次の穂が立ち上がり、二巡目、三巡目と咲き続けます。こぼれ種でもよく更新するので、翌年また会える息の長さも魅力で、切り花にしても穂の先まで咲き進みます。

水やり
土の表面が乾いたら(過湿嫌い)
日光
直射日光
温度の目安
5-25°C(冷涼好き。耐寒性は比較的強い)
湿度
40-60%
土
水はけの良い花用培養土
大きさの目安
矮性15cm〜切り花用1m。花壇の中列・寄せ植え・切り花に。
成長の速さ
秋植えで春に最盛期、切り戻しで初夏まで
温度の目安(耐寒〜耐暑)
5-25°C(冷涼好き。耐寒性は比較的強い)
肥料
月1回の置き肥か2週に1回の液肥
成長速度
秋植えで春に最盛期、切り戻しで初夏まで
毒性
毒性の報告は特にない
「咲き終わった穂を早めに切る」だけで春の二巡目・三巡目が続きます。子どもと『パクパク』して遊べる、コミュニケーション力の高い花です。
良い苗の目安は、節間が詰まって株元から枝数が多いこと、葉色が濃くつやがあること、つぼみが上がり始めて花色を確認できることの3点です。
避けたいのは、茎がひょろりと伸びた徒長苗と、株元の葉が黄ばんで枯れ上がった苗で、後者は立ち枯れの初期の可能性があります。用途で草丈を選び、寄せ植えは矮性のフローラルシャワーなど、花壇の立体感には中高性、切り花には高性種を選びます。10-11月の店頭が品揃えのピークです。
日当たりの良い屋外で育てます。1日4-5時間以上の日照があれば穂の先まで咲き揃い、日照が足りないと茎が細く伸びて穂が倒れます。高性種は草丈60cm以上になり風で倒れやすいため、風当たりの弱い場所に植えるか、植え付け時に支柱を添えます。花壇では草丈に応じて中列から後列へ、矮性種は寄せ植えやプランターの中段に置きます。耐寒性は比較的強く-5°C程度まで耐えますが、寒冷地では軒下か不織布の霜よけで冬越しさせると春のスタートが早まります。失敗例として、ベランダの風の通り道に高性種を置いて穂が根元から倒れることがありますが、倒れた穂を切り戻して支柱を立て、風の弱い場所へ移せば脇芽から新しい穂が2-3週間で立ち上がります。梅雨の蒸れに弱いので、風通しの良い場所が初夏まで持たせる条件です。
土の表面が乾いたら株元にたっぷり与えます。過湿を嫌うので「乾いてから」を守り、冬は週1-2回、暖かい日の午前中に与えて凍結を避けます。穂の花に水がかかると花びらが傷んで灰色かび病の原因になるため、株元の葉をかき分けて土に注ぎます。春の最盛期は水の消費が増え、晴天なら2日に1回が目安で、水切れすると穂の先まで咲き切らずに終わります。失敗例として、冬に受け皿に水をためたまま毎日与えて根腐れさせ、下葉から黄色く枯れ上がることがありますが、受け皿の水を捨てて土が乾くまで待ち、日なたに置き直せば新しい根が出て持ち直します。地植えは根付いた後は降雨で足り、2週間以上雨が降らないときだけ補います。梅雨時は水やりより雨よけを優先します。
市販の花用培養土に緩効性肥料を元肥として混ぜれば十分です。自分で配合するなら赤玉土小粒6、腐葉土3、パーライト1の割合にし、鉢底には鉢底石を2cm敷いて水はけを確保します。花壇は植え付け2週間前に苦土石灰、1週間前に腐葉土と元肥を混ぜ、水はけが悪ければ高めの畝にします。株間は矮性種で15cm、高性種で25cmが目安です。高性種は植え付け時に支柱も添えておくと春に慌てません。連作すると立ち枯れが出やすいので、前年キンギョソウを植えた土は新しくします。
穂が下から咲き上がり、7割ほど咲き進んだら穂ごと切り戻すのが延命の極意です。穂の下の葉の上で花茎ごと切ると脇芽から次の花穂が立ち上がり、2-3週間で二巡目が咲き、三巡目まで続きます。切った穂は水に挿せば先端まで咲き進むので切り花として楽しめます。最後の一輪まで咲かせてから切るより、7割で切るほうがシーズン合計の花数は多くなります。春の後半に株が乱れたら全体を1/3切り戻して初夏のもうひと咲きへつなぎます。失敗例として、終わった穂を放置して種づくりに養分が回り、花が完全に止まることがありますが、終わった穂をすべて切り戻して液肥を1回与えれば、2-3週間で脇芽から新しい穂が立ち上がり開花が再開します。梅雨前の切り戻しは風通しを確保する病気予防にもなります。
時期と道具を用意する
穂の切り戻しは開花中の3-6月、株全体の切り戻しは春の後半に行います。清潔な園芸バサミ、液肥、切った穂を挿す花瓶を用意します。
7割咲いた穂を葉の上で切る
穂が下から7割ほど咲き進んだら、穂の下の葉の上で花茎ごと切ります。最後まで咲かせるより花数が増え、切った穂は切り花にします。
切り戻し後に液肥を与える
穂を切ったら液肥を1回与え、日なたで水を切らさないようにします。2-3週間で脇芽から次の穂が立ち上がり、二巡目が咲きます。
乱れた株を全体の1/3切り戻す
春の後半に株が乱れたら全体の1/3を目安に切り戻します。混んだ枝もすかして風を通し、梅雨の灰色かび病を予防します。
梅雨前に整理して撤収か夏越しへ
梅雨入り前に傷んだ穂と葉を取り除きます。一年草として撤収するか、温暖地なら雨の当たらない場所で水を控えめにして夏越しに挑戦します。
一年草扱いが基本で植え替えは不要ですが、温暖地では夏越しして宿根化することもあります。定植の適期は10-11月で、春先まで苗が出回るので2-3月の植え付けも可能ですが、その場合は花期が短くなります。根鉢の底を軽くほぐし、根鉢の表面が土と同じ高さになるように植え、株間は矮性種15cm、高性種25cm空けます。65cmプランターなら矮性種で4株、高性種で3株が目安です。移植には比較的寛容なので、寄せ植えの組み替えも涼しい時期なら問題ありません。失敗例として、12月以降の遅い植え付けで根張りが足りず春の穂が細いことがありますが、日なたで月1回の置き肥を続ければ4月には本来の穂に近づきます。植え付け後はたっぷり水を与え、高性種は支柱を添えて日なたに置きます。
時期と道具を用意する
定植の適期は10-11月です。ポット苗、花用培養土、緩効性肥料、鉢底石、65cmプランターか花壇、移植ゴテ、高性種なら支柱を用意します。
鉢底石と元肥入りの土を入れる
鉢底石を2cm敷き、元肥を混ぜた培養土を縁から3cm下まで入れます。花壇は1週間前に腐葉土と元肥を混ぜ、水はけが悪ければ高めの畝にします。
根鉢をほぐして草丈に応じた株間で置く
ポットから抜いた根鉢の底を軽くほぐし、矮性種は15cm、高性種は25cmの株間で置きます。65cmプランターなら矮性種4株、高性種3株です。
土を寄せて高性種は支柱を添える
根鉢の表面が土と同じ高さになるよう土を寄せ、株元を軽く押さえます。高性種は根を傷めないよう植え付け時に支柱を添えておきます。
水を与えて日なたで管理する
たっぷり水を与え、日当たりと風通しの良い場所に置きます。以後は土が乾いたら株元に水を与え、月1回の置き肥を始めます。
種まきとこぼれ種で増えます。種まきの適期は9-10月で、発芽適温は15-20°Cです。微細種子で好光性なので、ポットに種まき用土を入れて種をまき、覆土はごく薄くするか土をかけずに霧吹きで湿らせます。発芽までの7-10日は乾かさないように管理し、本葉2枚で1本に間引き、本葉5-6枚になる11月に定植します。失敗例として、覆土を厚くして発芽率が1割以下になることがありますが、土をかけずにまき直せば揃って発芽します。こぼれ種でもよく更新し、石垣や庭の隅に住み着くたくましさがあります。秋に親株の周りへ並んだ小苗は、本葉4-6枚のうちに土ごと掬って移植します。春の切り戻し枝を5cmに切って挿す挿し芽も可能で、2-3週間で発根します。交配種の子は花色や草姿が親と変わることがあります。
時期と道具を用意する
種まきの適期は9-10月、発芽適温は15-20°Cです。種、種まき用土、3号ポット、霧吹きを用意します。微細種子なので風のない日に作業します。
土をかけずにまいて霧吹きで湿らせる
ポットに種まき用土を入れ、種を表面に薄くまきます。好光性なので覆土はせず、霧吹きで湿らせて種を土に密着させます。
発芽まで乾かさず明るい場所に置く
発芽までの7-10日は表面が乾かないよう霧吹きで管理し、明るい日陰に置きます。発芽したら日なたへ移して徒長を防ぎます。
本葉2枚で1本に間引く
本葉2枚で元気な1本を残して間引きます。こぼれ種の子苗も本葉4-6枚のうちに土ごと掬って好きな場所へ移します。
本葉5-6枚で定植し日なたで管理する
11月に本葉5-6枚になったら草丈に応じた株間で定植します。たっぷり水を与えて日なたに置き、月1回の置き肥を始めます。
丈夫ですが、春の穂に付くアブラムシと、多湿期の灰色かび病、立ち枯れに注意します。アブラムシは3月頃から穂やつぼみに群がるので、見つけ次第水で洗い流すか粘着テープで取り除き、多発時は園芸用の薬剤を使います。灰色かび病は咲き終わった穂の放置がカビの温床になるため、7割咲いた穂を切り戻す習慣がそのまま病気予防になります。失敗例として、梅雨の長雨で穂が茶色く溶けてカビが広がることがありますが、傷んだ穂と葉をすべて取り除き、全体を1/3切り戻して風通しの良い場所へ移せば、健全な株は初夏まで咲き続けます。立ち枯れは株元が茶色くなって突然しおれる病気で、連作と過湿で出やすいため、新しい土と株間の確保で予防します。発病した株は抜き取って処分します。
開花の最盛期です。土が乾いたら株元に水を与え、月1回の置き肥か2週に1回の液肥を続けます。日なたで管理し、7割咲いた穂から切り戻して二巡目、三巡目へつなぎます。高性種は支柱を立て、穂に付くアブラムシは見つけ次第取り除きます。
梅雨で一年草としては店じまいです。傷んだ穂と葉を取り除き、温暖地で夏越しに挑戦するなら1/3切り戻して雨の当たらない風通しの良い場所へ移し、水は控えめにして肥料は止めます。採種株は種を熟させてから撤収します。
10-11月が苗の植え付けと種まきの適期です。元肥入りの水はけの良い土に矮性種15cm、高性種25cmの株間で植え、たっぷり水を与えて日なたに置きます。高性種は支柱を添えます。定植直後の若苗はナメクジに注意します。
ゆっくり生育しながら越冬します。水は週1-2回、暖かい日の午前中に与え、11月と2月に置き肥を与えます。霜には比較的強いので屋外の日だまりに置き、寒冷地は軒下か不織布で霜よけをします。受け皿の水による根腐れに注意します。
原因
種づくりに栄養が回り、株が開花を止めてしまった状態です。
対策
終わった穂をすべて切り戻し、液肥を1回与えます。2-3週間で脇芽から新しい穂が立ち上がり、開花が再開します。「7割咲いたら切る」を習慣にします。
原因
多湿による蒸れと徒長株の倒伏です。
対策
傷んだ部分を整理して株を1/3に切り戻し、風通しを確保します。温暖地なら夏越しして秋にもう一度咲く可能性もあります。倒伏しやすい高性種は早めの支柱で予防します。
原因
高性種の風当たりと日照不足です。草丈60cm以上の穂は重く、茎が細いと風で倒れます。
対策
倒れた穂は切り戻して切り花にし、支柱を立てて麻ひもでゆるく結びます。風の弱い日なたへ移せば、脇芽から新しい穂が2-3週間で立ち上がります。
原因
立ち枯れ病です。連作と過湿で発生しやすくなります。
対策
発病した株は抜き取って処分し、周囲の株は水やりを株元だけにして風通しを確保します。翌年は新しい土を使い、株間を広めに取ります。
原因
春の水切れか肥料切れです。最盛期は水の消費が増え、乾くと穂の先のつぼみが開かずに終わります。
対策
晴天なら2日に1回を目安に株元へたっぷり水を与え、2週に1回の液肥を再開します。途中で終わった穂は切り戻して次の穂に期待します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
キンギョソウの花言葉は「おしゃべり」「おせっかい」「清純な心」です。指でつまむとパクパク動く金魚の口のような花姿が、よくしゃべる口元を連想させたことに由来するとされます。「清純な心」は、穂の先まで澄んだ色で咲き上がる姿から生まれたといわれます。
上に伸びる花穂とにぎやかな花色は「会話と社交の気」を呼ぶとされ、リビング前の花壇や玄関アプローチに向くといわれます。真っすぐ立ち上がる穂が気を上へ導くと考えられたことに由来するとされ、黄色やオレンジの花は金運、ピンクは良縁の色とされます。
早めの穂切りで解決します。キンギョソウは下から上へ咲き上がるため、穂の7割が咲き終わったら、穂の下の葉の上で花茎ごと切ります。残した株から脇芽が伸び、2-3週間で新しい穂が立ち上がります。最後の一輪まで咲かせてから切るより、7割で切るほうがシーズン合計の花数は多くなります。切った穂は水に挿せば先端まで咲き進むので、室内で最後まで楽しめます。
育てられます。キンギョソウのこぼれ種は発芽力が高く、秋に親株の周りへ小苗が並ぶことがよくあります。本葉4-6枚のうちに土ごと掬って好きな場所へ移植し、以後は購入苗と同じ管理で構いません。それ以上育つと直根が張って動かしにくくなります。ただし交配種の子は親と花色や草姿が変わることが多いため、狙いの色を確実に植えたい場所は苗で、遊びのスペースはこぼれ種で、と使い分けます。
高性種の風当たりと日照不足が主な原因です。草丈60cm以上の高性種は穂が重く、風の通り道では根元から倒れます。倒れた穂は切り戻して切り花にし、株には支柱を立てて麻ひもでゆるく結び、風の弱い場所へ移せば脇芽から新しい穂が2-3週間で立ち上がります。日照が4時間以下だと茎が細くなって倒れやすくなるので、日なたへ移します。今後は植え付け時に支柱を添えるか、矮性種や中高性種を選ぶと安心です。
温暖地なら可能ですが、一年草として扱うのが基本です。原産地では多年草で、日本でも温暖地で梅雨前に1/3切り戻し、雨の当たらない風通しの良い場所で水を控えめにすれば夏を越して秋にもう一度咲くことがあります。ただし梅雨の蒸れと夏の暑さで枯れることも多く、夏越しした株は翌春の穂が細くなりがちです。確実に楽しむなら種を採って秋にまき直すか、新しい苗を植えるほうが花数は多くなります。
キンギョソウの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
10月の作業と、キンギョソウの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。