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ハーブ初心者向け

カモミールの育て方

Matricaria chamomilla(ジャーマン種)最終更新日:
編集部

Hapot編集部より

カモミールは、りんごのような甘い香りの小さな白い花で、世界で最も飲まれているハーブティーの原料を自家生産できる癒し系ハーブです。主流のジャーマン種は一年草で、秋にまけば春に星の群れのような花が咲き乱れ、摘んだ花はフレッシュでもドライでもティーに。「植物のお医者さん」の異名を持ち、近くの植物を元気にするコンパニオンプランツとしても伝統的に愛されてきました。性質は丈夫で、こぼれ種で毎年勝手に生えてくるほど。管理らしい管理は「花摘み」と「蒸れ対策」くらいです。自分で育てた花を摘んで淹れる一杯——ハーブ栽培の喜びの原点が、この一株に詰まっています。

カモミールの姿

分類・基本データ

キク科
シカギク属 Matricaria
カモミール
別名
カミツレ、ジャーマンカモミール、ローマンカモミール、カモマイル
原産地
ヨーロッパ〜西アジア原産。和名カミツレは江戸時代の渡来時から続く古名です。
大きさ
草丈30〜60cm。花壇・プランター・菜園の縁で。ローマン種は這性10cm。

育て方サマリ

水やり

土の表面が乾いたら(過湿嫌い)

日光

直射日光

適温

15-25°C(冷涼好き。耐寒性強、暑さに弱い)

湿度

40-60%

水はけの良い土(痩せ地OK)

ケアのポイント

肥料

ほぼ不要(多肥は軟弱徒長と香りの低下を招く)

成長速度

速い(秋まき→春に開花)

毒性

食用ハーブ。キク科アレルギーの人は注意

「肥料をやらず、花をどんどん摘む」のが最良の管理。摘むほど次の花が咲き、ティーの在庫も増える幸せの循環です。

育て方の詳細

苗・株の選び方

ティー用ならジャーマン種一択です(ローマン種は葉も香りますが花は苦め)。種袋の「ジャーマン」表記を確認。苗から始める場合は、徒長していない若苗を秋に選びます。

置き場所・日当たり

日当たりと風通しの良い場所で育てます。秋まきの苗は霜に当たっても平気で越冬し、春の開花へ。暑さには弱く、梅雨〜夏に蒸れて一生を終えるのがジャーマン種のサイクルです。プランター・花壇・菜園の縁(コンパニオン役)と場所を選ばず、こぼれ種での「野良カモミール」も風情があります。多年草のローマン種は芝生のように這う性質で、香りの芝生(カモミールローン)に使われます。

水やりの詳細

土の表面が乾いたらたっぷり、の標準管理で十分です。過湿は蒸れと立ち枯れの元なので「乾いてから」を守ります。開花期の水切れは花数を減らすため、春はやや気にかけて。花に直接水をかけると傷むので株元給水で。

最適な土の作り方

痩せ地でも育ち、肥料はほぼ不要です(肥えた土では茎ばかり伸びて倒れ、香りも薄くなります)。水はけの良い土に、秋(9〜10月)に種まき:種は微細で好光性のため、まいたら土を被せず軽く押さえるだけにします。発芽後に間引いて株間15〜20cmに。移植にも比較的耐えるので、ポットまき→定植も可能です。

剪定・切り戻し

「花摘み」が手入れのすべてです。花の中央(黄色い部分)がぷっくり盛り上がった満開時が摘み時&香りのピーク:花だけを指でつまんで収穫します。摘むほど脇から次のつぼみが上がり、開花期間が延びる好循環に。春の後半、株が乱れてきたら半分に切り戻すと風通しが改善し、もうひと咲きします。

植え替え

一年草(ジャーマン種)のため植え替えはありません。秋にまいて春に咲き、初夏に種を残して終わるサイクルです。ローマン種(多年草)は年1回、秋に株分けを兼ねた植え替えで更新します。

増やし方

種まきとこぼれ種で増えます。花後に種が熟すと周囲にこぼれ、翌秋に自然発芽する「勝手に毎年」システムが動き出します。採種する場合は、花が茶色く枯れてから花ごと採って乾燥させ、揉んで種を外します。一株から膨大な種が採れるため、一度育てれば種を買うのは最初の一回だけです。

病害虫対策

春のアブラムシがほぼ唯一の相手です。つぼみと茎に群がりますが、ティー用なので薬剤は避け、手で取るか水で流します(テントウムシが来れば任せましょう)。梅雨時の蒸れ・うどんこ病は、収穫を兼ねた切り戻しと風通しで対処。「植物のお医者さん」自身は、実に手のかからない患者です。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
種蒔き
開花
手入れ
手入れの内容
  • 3春の成長開始・アブラムシ見回り
  • 4開花スタート・花摘み開始
  • 5収穫最盛期・ドライづくり
  • 6採種・こぼれ種に翌年を託して撤収
  • 9種まき(覆土せず軽く押さえる)
  • 10間引き・株間の確保

季節ごとの管理

春の管理

開花の本番。花摘み=収穫=手入れの幸せなループ。

夏の管理

梅雨で寿命(ジャーマン種)。種を残して撤収、ドライの在庫で夏を越す。

秋の管理

9〜10月に種まき。好光性なので覆土しないのがコツ。

冬の管理

ロゼットで越冬。霜に強く、特別な防寒は不要。

よくあるトラブルと対策

つぼみと茎にアブラムシがびっしり付いた

原因

春の定番。柔らかい花茎はアブラムシの好物。

対策

ティー用なので薬剤は避け、手で取るか水流で洗い流します。牛乳スプレーも有効。テントウムシが来たら任せて見守りましょう。

梅雨に入って株が一気に枯れてきた

原因

ジャーマン種の寿命+蒸れ。一年草の自然な終わり方。

対策

枯れる前に咲き残りの花を収穫し、種を採って翌秋へつなぎます。こぼれ種も期待できるため、株はそのまま少し置いてから撤収するのも手です。

カモミールの花言葉・風水

花言葉

カモミールの花言葉は「逆境に耐える」「あなたを癒す」。踏まれても香り立つ強さと、ハーブティーの効能そのものです。

風水・縁起

りんごの香りの白い花は「安眠と癒しの気」を持つとされ、寝室の窓辺やティータイムの空間づくりに好相性といわれます。

カモミールのよくある質問

Q収穫した花をハーブティーにする方法は?回答を見る
A

フレッシュなら、摘みたての花10個ほどをティーポットに入れて熱湯を注ぎ3分——りんごの甘い香りの生ティーは自家栽培の特権です。保存用のドライは、花をザルに広げて風通しの良い日陰で3〜5日乾燥(またはシリカゲル・食品乾燥機で)。完全に乾いたら密閉瓶で保存し、ティースプーン山盛り1杯を1カップに。就寝前の一杯として世界中で愛される定番です。※キク科アレルギーの方、妊娠中の方は摂取前に医師にご相談ください。

Q倒れるほど茂って蒸れてしまいます。回答を見る
A

肥料過多か密植のサインです。カモミールは痩せ地仕様:追肥を止め、混み合った株を間引くか、株全体を半分に切り戻して風を通してください(切った枝の花もティーに使えます)。倒れた茎も花は咲き続けるので、支柱で軽くまとめるだけでも十分。来季は「無肥料・株間15〜20cm」でスリムに育てると、倒伏も蒸れも激減します。