HapotHapot植物のことなら、ハポット。
花卉初心者向け

ペチュニアの育て方

Petunia × hybrida最終更新日:
編集部

Hapot編集部より

ペチュニアは、春から秋まで半年以上咲き続ける「夏花壇の女王」です。ラッパ状の花が株を覆い尽くす開花力は草花随一で、ハンギングから溢れる姿はヨーロッパの窓辺そのもの。近年はサフィニアをはじめとする栄養系品種(挿し芽で増やされた選抜品種)の進化が目覚ましく、雨に強く、こんもり乱れず、花色も八重・絞り・アンティークカラーと百花繚乱です。管理の核心は「切り戻し」:伸びっぱなしでは株の中心が禿げてくるため、梅雨前と真夏の2回、思い切ってバッサリ刈ることで、秋まで新品同様の満開が続きます。「切る勇気が満開を作る」——ペチュニアはガーデナーにそれを教えてくれる先生でもあります。

分類・基本データ

ナス科
ペチュニア属 Petunia
ペチュニア
別名
サフィニア、ツクバネアサガオ、衝羽根朝顔
原産地
南米原産。日本生まれの栄養系品種サフィニアが世界のペチュニアを変えました。
大きさ
草丈15〜30cm、横に30〜80cm広がる。ハンギング・鉢・花壇の主役。

育て方サマリ

水やり

土の表面が乾いたら(花に水をかけない)

日光

直射日光

適温

15-30°C(霜に弱い春植え一年草扱い)

湿度

40-60%

水はけの良い花用培養土

ケアのポイント

肥料

週1回の液肥+月1回の置き肥(肥料で咲く花)

成長速度

速い

毒性

ナス科だが毒性は低いとされる。観賞用として扱う

「切り戻し」と「肥料」で決まる花。梅雨前のバッサリが夏の満開を、真夏のバッサリが秋の満開を作ります。

育て方の詳細

苗・株の選び方

節間が詰まり、枝数が多く、つぼみをたくさん持った苗を選びます。徒長苗は後の姿にも響くため避けること。雨ざらしの場所なら耐雨性の栄養系品種(サフィニア等)、価格重視なら実生系、八重や特殊色はブランド栄養系と、置き場所と予算で系統を選んでください。

置き場所・日当たり

日当たりの良い場所が絶対条件です。1日5時間以上の直射日光で本領を発揮し、日照不足ではつぼみが激減します。雨に当たると花が傷みやすいため(栄養系の耐雨品種を除く)、軒下・ベランダ・ハンギングなど「日は当たるが雨はしのげる」場所が理想。横に広がる性質なので、ハンギングや鉢の縁から垂らす飾り方が最も映えます。霜には弱く、春の植え付けは遅霜の心配がなくなってから。

水やりの詳細

土の表面が乾いたら株元にたっぷり、が基本です。生育旺盛で葉数が多く、夏は朝夕2回必要になることも。水やりの鉄則は「花に水をかけない」:ペチュニアの花は水に濡れると一発でしぼみ、灰色かび病の入口にもなります。株元の葉をかき分けて土に注いでください。梅雨時は過湿による株元の蒸れに注意し、雨を避けられる場所への移動が有効です。

最適な土の作り方

水はけの良い花用培養土に元肥を混ぜて植え付けます。ペチュニア専用土も市販されているほど過湿嫌いなので、通常の培養土にはパーライトを1〜2割足すと安心。連作を嫌うナス科なので、前年ペチュニアやトマトを育てた土の使い回しは避け、新しい土でスタートしてください。株間は25〜30cm、ハンギングなら30cm鉢に1〜2株が目安です。

剪定・切り戻し

ペチュニア管理の主役です。①日常の花がら摘み:咲き終わりの花を茎ごと摘み、種づくりを阻止(これだけで花数が段違い)。②梅雨前の切り戻し:6月に株全体を1/2にカットし、蒸れを回避しつつ梅雨明けの爆発的開花を仕込む。③お盆前後の切り戻し:夏バテした株を再度1/2に刈り、秋の第三波を作る。切るたびに液肥でサポートすれば、株は何度でも満開で応えてくれます。摘心(若苗の先端を摘む)で最初の枝数を増やすのも基本テクニックです。

植え替え

苗の植え付けは4〜5月(遅霜の後)。本格的な植え替えは不要な一年草扱いですが、小さいポットのまま売られている苗はすぐ根詰まりするため、購入後早めの定植が大切です。秋まで育った株は霜で終了。栄養系のお気に入り品種は、秋に挿し芽を作って室内で冬越しさせれば翌春につなげます。

増やし方

種まきと挿し芽の2通りです。種まきは3〜4月、微細種子なので覆土せず(好光性)、育苗はやや上級者向け。手軽なのは挿し芽:切り戻しで出た枝を5cmほどに切り、下葉を取って湿らせた土に挿せば2週間で発根します。特に栄養系品種(サフィニア等)は種ができにくいため挿し芽一択。ただし登録品種の営利増殖は不可なので、家庭で楽しむ範囲で。

病害虫対策

アブラムシ(新芽・つぼみ)とナメクジ・ヨトウムシ(花や葉の食害)が常連です。アブラムシは見つけ次第駆除、夜行性のナメクジ・ヨトウムシは夜の見回りか誘引剤で。病気は灰色かび病(花がらの放置と多湿が原因)が最多:花がら摘みの徹底と株元の風通し、雨よけが予防のすべてです。梅雨時に株の中心が蒸れて枯れ込むのは切り戻し不足のサインでもあります。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
種蒔き
開花
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 4植え付け・摘心・液肥開始
  • 5花がら摘みの習慣化
  • 6梅雨前の切り戻し(1/2にバッサリ)
  • 7梅雨明けの爆発的開花を満喫
  • 8お盆前後に2回目の切り戻し
  • 9秋の第三の満開・挿し芽づくり

季節ごとの管理

春の管理

4〜5月に植え付け・摘心で枝数づくり。液肥スタート。

夏の管理

6月に梅雨前の切り戻し→梅雨明けに爆発的開花。お盆に2回目。

秋の管理

切り戻し後の第三の満開。霜まで咲き続ける。挿し芽で冬越し準備。

冬の管理

霜で終了(一年草扱い)。栄養系は挿し芽苗を室内で保護。

よくあるトラブルと対策

梅雨で株が溶けるように傷んだ

原因

蒸れと灰色かび病。雨と過湿に弱いペチュニアの最大の試練。

対策

傷んだ部分をすべて取り除き、健康な位置まで切り戻して雨の当たらない場所へ。株元が無事なら梅雨明けに復活します。来季は梅雨入り前の切り戻しと耐雨性品種で予防を。

花に穴が開いたり、夜のうちに食べられたりする

原因

夜行性のナメクジ・ヨトウムシの食害。

対策

夜間に見回って捕殺するか、誘引駆除剤を株元に。昼間は鉢の底や落ち葉の下に潜んでいるので、隠れ場所の清掃も効果的です。

ペチュニアの花言葉・風水

花言葉

ペチュニアの花言葉は「あなたと一緒なら心が和らぐ」「心の安らぎ」。次々と咲いて寄り添い続ける花期の長さに由来します。

風水・縁起

夏じゅう咲き続ける花は「絶えない陽の気」の象徴とされ、玄関やベランダの南側に飾ると家全体の活気を保つといわれます。

ペチュニアのよくある質問

Q株の中心が禿げて、外側だけで咲いています。回答を見る
A

ペチュニアの宿命的な姿で、「切り戻し」が唯一で最良の解決策です。伸びた枝の先端だけで咲き続けると、中心部は日が当たらず葉を落として木質化します。思い切って株全体を1/2〜1/3の高さにバッサリ切ってください(花が全部なくなっても大丈夫)。1〜2週間で中心から新芽が吹き、3〜4週間後には株全体を覆う満開が復活します。切り戻し後の液肥と、切った枝の挿し芽もお忘れなく。

Q梅雨で株がドロドロに傷んでしまいました。回答を見る
A

蒸れと灰色かび病のダメージです。応急処置は①傷んだ枝・葉・花がらをすべて取り除く、②健康な部分まで切り戻す、③雨の当たらない風通しの良い場所へ移動、の3点。株元が生きていれば梅雨明けに復活します。来季への予防は「梅雨入り前の切り戻し」が最強:株をコンパクトにしておけば風が通り、蒸れの被害が激減します。雨に強い栄養系品種を選ぶのも根本対策になります。