苗・株の選び方
良い苗の目安は、節間が詰まって株元から枝数が多いこと、つぼみをたくさん持っていること、葉色が濃く下葉が黄ばんでいないことの3点です。
避けたいのは、茎がひょろりと伸びた徒長苗と、ポットの底から根が大量にはみ出した根詰まり苗で、どちらも植え付け後の株姿と回復に時間がかかります。雨ざらしの場所なら耐雨性の栄養系品種、価格重視なら実生系、八重や特殊な花色はブランド栄養系と、置き場所と予算で系統を選びます。4-5月の店頭が品揃えのピークです。
Hapot編集部より
ペチュニアは、4-5月に苗を植えれば霜が降りる10-11月まで半年以上咲き続ける、春植え一年草の中で最も花期が長く初心者に向く花です。南米原産で、ラッパ状の花が株を覆うように咲き、ハンギングや鉢の縁から垂らす姿がよく映えます。日当たりを好み、1日5時間以上の直射日光と、週1回の液肥で本領を発揮します。近年は挿し芽で増やされた栄養系品種の改良が進み、雨に強く株が乱れにくい品種や、八重咲き、絞り、アンティークカラーまで花色も豊富です。管理の要点は切り戻しで、伸びっぱなしにすると株の中心が禿げてくるため、6月の梅雨前と8月のお盆前後の2回、株を1/2ほど刈り込むと秋まで満開が続きます。雨と過湿を嫌うため、軒下やベランダなど雨をしのげる日なたが理想の置き場所です。花に水をかけないこと、花がら摘みを毎日続けることの2点を守れば、失敗の少ない夏花壇の主役になります。

水やり
土の表面が乾いたら(花に水をかけない)
日光
直射日光
温度の目安
15-30°C(霜に弱い春植え一年草扱い)
湿度
40-60%
土
水はけの良い花用培養土
大きさの目安
草丈15-30cm、横に30-80cm広がる。ハンギング・鉢・花壇の主役。
成長の速さ
速い
温度の目安(耐寒〜耐暑)
15-30°C(霜に弱い春植え一年草扱い)
肥料
週1回の液肥+月1回の置き肥(肥料で咲く花)
成長速度
速い
毒性
ナス科だが毒性は低いとされる。観賞用として扱う
「切り戻し」と「肥料」で決まる花。梅雨前のバッサリが夏の満開を、真夏のバッサリが秋の満開を作ります。
良い苗の目安は、節間が詰まって株元から枝数が多いこと、つぼみをたくさん持っていること、葉色が濃く下葉が黄ばんでいないことの3点です。
避けたいのは、茎がひょろりと伸びた徒長苗と、ポットの底から根が大量にはみ出した根詰まり苗で、どちらも植え付け後の株姿と回復に時間がかかります。雨ざらしの場所なら耐雨性の栄養系品種、価格重視なら実生系、八重や特殊な花色はブランド栄養系と、置き場所と予算で系統を選びます。4-5月の店頭が品揃えのピークです。
日当たりの良い屋外で育てます。1日5時間以上の直射日光が当たる場所で花数が最も多くなり、3時間以下の場所ではつぼみが目に見えて減ります。雨に当たると花が傷んで灰色かび病の入口になるため、軒下、ベランダ、ハンギングなど「日は当たるが雨はしのげる」場所が理想です。横に30-80cm広がる性質なので、ハンギングや鉢の縁から垂らす飾り方が最も映えます。霜には弱く、春の植え付けは遅霜の心配がなくなる4月中旬以降、秋は最低気温が5°Cを下回る前に役目を終えます。失敗例として、北向きの玄関先に置いて葉ばかり茂り花が数輪しか咲かないことがありますが、南か東の日なたへ移して液肥を週1回与えれば、2-3週間で新しいつぼみが上がります。
土の表面が乾いたら、株元にたっぷり与えるのが基本です。生育が旺盛で葉数が多いため、真夏は朝夕2回必要になることもあり、春と秋は1-2日に1回が目安です。水やりの鉄則は花に水をかけないことで、花弁は濡れるとすぐしぼみ、灰色かび病の原因にもなります。株元の葉をかき分けて土に直接注いでください。梅雨時は過湿で株元が蒸れやすく、雨の当たらない場所へ移し、土が乾くまで水を控えます。失敗例として、受け皿に水をためたまま数日放置して下葉が黄変し、根が茶色く傷むことがありますが、受け皿の水を捨てて風通しの良い場所で土をしっかり乾かし、傷んだ葉を取り除けば、1-2週間で新しい根と葉が動き出します。
水はけの良い花用培養土に緩効性肥料を元肥として混ぜて植え付けます。市販の草花用培養土で問題ありませんが、過湿を嫌うため、通常の培養土にはパーライトを1-2割足すとさらに安心です。自分で配合するなら赤玉土小粒6、腐葉土3、パーライト1が目安で、鉢底には鉢底石を2-3cm敷いて排水を確保します。ナス科は連作を嫌うため、前年にペチュニアやトマトを育てた土の使い回しは避け、新しい土でスタートします。株間は25-30cm、ハンギングなら30cm鉢に1-2株が目安です。
ペチュニア管理の主役は切り戻しです。日常の手入れは花がら摘みで、咲き終わりの花を花柄ごと摘んで種づくりを止めると、花数が段違いに増えます。6月の梅雨前には株全体を1/2の高さにカットして蒸れを避け、梅雨明けの一斉開花を仕込みます。8月のお盆前後には夏バテした株を再び1/2に刈り、秋の三度目の満開を作ります。切り戻し後は液肥を週1回与えると、2週間ほどで新芽が吹き、3-4週間で株全体が再び花で覆われます。植え付け直後の若苗は先端を摘心して枝数を増やしておくと、後の株姿が整います。失敗例として、切るのが惜しくて放置し、中心が木質化して外側だけで咲く株になることがありますが、思い切って株の1/3まで切り戻し、液肥で支えれば1か月で新品同様の姿に戻ります。切った枝は挿し芽に使えます。
時期と道具を用意する
花がら摘みは開花中は毎日、切り戻しは梅雨前の6月上旬とお盆前後の8月中旬に行います。清潔な園芸バサミと液肥を用意します。
咲き終わった花を花柄ごと摘む
しぼんだ花は花柄の付け根から摘み取ります。種づくりに養分を取られなくなり、次のつぼみが上がり続けます。
梅雨前に株全体を1/2に切り戻す
6月上旬に株全体を1/2の高さで切ります。各枝に葉を数枚残して切ると新芽が吹きやすく、蒸れと灰色かび病を防げます。
お盆前後に2回目の切り戻しをする
8月中旬に夏バテした株を再び1/2に刈り込みます。傷んだ枝や枯れ葉も取り除き、株の中心まで風と光を通します。
液肥で回復を支えて満開を待つ
切り戻し後は週1回の液肥を与え、土が乾いたら株元に水を与えます。2週間で新芽が吹き、3-4週間で株全体が再び花で覆われます。
苗の植え付けは遅霜の心配がなくなる4-5月です。ポット苗は根が回りやすく、小さなポットのまま置くとすぐ根詰まりして生育が止まるため、購入後1週間以内に定植します。植え穴はポットより一回り大きく掘り、根鉢の底を軽くほぐして植え、株元が土に埋まらない高さに合わせます。鉢植えは5-6号鉢に1株、65cmプランターに2-3株が目安です。一年草扱いのため、その後の植え替えは不要で、秋の霜で役目を終えます。失敗例として、5月に3号ポット苗を寄せ植えに詰め込みすぎ、6月には株同士が蒸れて下葉が枯れ込むことがありますが、混んだ株を抜いて株間を25cm以上に広げ、1/2に切り戻せば梅雨明けに回復します。植え付け後はたっぷり水を与え、1週間は半日陰で養生してから日なたへ出します。
時期と道具を用意する
定植の適期は遅霜の心配がなくなる4-5月です。ポット苗、花用培養土、鉢底石、緩効性肥料、5-6号鉢か65cmプランター、移植ゴテを用意します。
鉢底石と元肥入りの土を入れる
鉢底石を2-3cm敷き、元肥を混ぜた培養土を鉢の縁から3cm下まで入れます。過湿を嫌うためパーライトを1-2割足すと安心です。
根鉢の底を軽くほぐして植える
ポットから抜いた根鉢の底を軽くほぐし、株間25-30cmで植えます。株元が土に埋まらない高さに合わせ、周囲の土を軽く押さえます。
水を与えて半日陰で養生する
鉢底から流れるまでたっぷり水を与え、1週間ほど半日陰で養生します。その後は1日5時間以上日の当たる屋外へ移します。
摘心と液肥で株づくりを始める
根付いたら先端を摘心して枝数を増やし、週1回の液肥を始めます。花がら摘みを毎日続け、6月の梅雨前に1/2の切り戻しをします。
挿し芽が最も手軽で確実です。適期は5-6月と9-10月で、切り戻しで出た元気な枝を5cmほどに切り、下葉を取って花とつぼみも除き、湿らせた挿し木用土に挿します。明るい日陰で土を乾かさないよう管理すると、2週間ほどで発根し、1か月で定植サイズになります。特に栄養系品種は種ができにくいため挿し芽が唯一の増やし方ですが、登録品種の営利目的の増殖は認められていないので家庭で楽しむ範囲にとどめます。種まきは3-4月で、発芽適温は20-25°Cです。微細な種子で光を好むため覆土はせず、霧吹きで湿らせて管理しますが、育苗はやや上級者向けです。失敗例として、真夏に挿し芽をして高温で腐らせることがありますが、9月下旬の涼しくなった時期に再度挑戦し、直射日光を避けた場所で管理すれば発根率が上がります。
時期と道具を用意する
挿し芽の適期は5-6月と9-10月です。清潔なハサミ、挿し木用土、3号ポット、霧吹きを用意し、切り戻しで出た元気な枝を使います。
枝を5cmに切って下葉を取る
枝を5cmほどに切り、下葉を取って花とつぼみも除きます。上部の葉を2-3枚残し、切り口を30分ほど水に浸けて吸水させます。
湿らせた挿し木用土に挿す
湿らせた挿し木用土に割り箸で穴を開け、切り口を傷めないように挿します。深さは2cm前後で、株元を軽く押さえます。
明るい日陰で乾かさずに管理する
直射日光を避けた明るい日陰に置き、土を乾かさないよう霧吹きで保湿します。2週間ほどで発根し、新芽が動き始めます。
発根後に鉢上げして日なたへ移す
1か月ほどで根が回ったら3-4号鉢に鉢上げし、徐々に日なたへ慣らします。秋の挿し芽は室内の窓辺で5°C以上を保って冬越しさせます。
害虫はアブラムシ、ナメクジ、ヨトウムシが常連です。アブラムシは春の新芽とつぼみに群がり、見つけ次第に水で洗い流すか、粘着テープで取り除きます。ナメクジとヨトウムシは夜行性で、花や葉に穴が開いていたら夜に見回って捕殺するか、誘引駆除剤を株元に置きます。病気は灰色かび病が最も多く、花がらの放置と多湿が原因です。花がら摘みの徹底と株元の風通し、雨よけが予防の基本になります。梅雨時に株の中心が蒸れて枯れ込むのは切り戻し不足のサインでもあり、6月上旬に1/2の切り戻しをしておくと発生が大幅に減ります。失敗例として、梅雨明けに株がドロドロに溶けたようになることがありますが、傷んだ枝葉をすべて取り除き、健康な部分まで切り戻して雨の当たらない場所に移せば、株元が生きていれば3週間ほどで復活します。
4-5月に苗を植え付けます。土が乾いたら株元に水を与え、根付いたら週1回の液肥を始めます。日当たりの良い屋外に置き、若苗は摘心して枝数を増やします。遅霜に当たると傷むため、寒の戻りは軒下へ避難させます。
6月上旬に梅雨前の切り戻しをし、雨の当たらない場所で過湿と灰色かび病を防ぎます。梅雨明け後は朝夕2回の水やりと週1回の液肥で開花を支えます。8月のお盆前後に2回目の切り戻しをし、ハダニと蒸れに注意します。
切り戻し後の株が9-10月に三度目の満開を迎えます。土が乾いたら水を与え、液肥は10月まで続けます。日なたに置いたまま霜が降りるまで咲かせ、栄養系品種は9-10月に挿し芽を作って冬越しの準備をします。夜の冷え込みで花色が濃くなります。
霜に当たると枯れる一年草扱いで、11-12月に撤収します。冬越しさせる挿し芽苗は室内の明るい窓辺で5°C以上を保ち、水は土が乾いてから控えめに与え、肥料は与えません。室内の過湿による根腐れと日照不足の徒長に注意します。
原因
蒸れと灰色かび病です。雨と過湿に弱いペチュニアにとって梅雨は最大の試練で、切り戻し不足で茂りすぎた株ほど被害が出ます。
対策
傷んだ部分をすべて取り除き、健康な位置まで切り戻して雨の当たらない場所へ移します。株元が無事なら梅雨明けに復活します。来季は6月上旬の切り戻しと耐雨性品種で予防します。
原因
夜行性のナメクジ、ヨトウムシの食害です。昼間は鉢の底や落ち葉の下に潜んでいます。
対策
夜間に見回って捕殺するか、誘引駆除剤を株元に置きます。鉢の下や落ち葉など隠れ場所を掃除することも効果的です。
原因
切り戻し不足です。枝の先端だけで咲き続けると、日の当たらない中心部が葉を落として木質化します。
対策
株全体を1/2から1/3の高さに切り戻します。1-2週間で中心から新芽が吹き、3-4週間で満開が戻ります。切り戻し後は週1回の液肥で回復を支えます。
原因
日照不足か、窒素分の多い肥料の与えすぎです。1日3時間以下の日照ではつぼみが極端に減ります。
対策
1日5時間以上日の当たる場所へ移します。肥料はリン酸の多い花用の液肥に切り替え、週1回与えます。2-3週間で新しいつぼみが上がります。
原因
灰色かび病です。花に水がかかったことや花がらの放置、多湿が原因で発生します。
対策
カビの出た花と花がらをすべて摘み取り、株元給水に切り替えて風通しを確保します。雨の日は軒下へ移し、混み合った枝は切り戻します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ペチュニアの花言葉は「あなたと一緒なら心が和らぐ」「心の安らぎ」です。春から秋まで次々と咲いて長く寄り添い続ける花期の長さに由来するとされます。また、タバコの葉に似ることから名付けられた学名の背景から「決して諦めない」という言葉が添えられることもあります。
ペチュニアは夏の間じゅう咲き続けることから「絶えない陽の気」の象徴とされ、玄関やベランダの南側に飾ると家全体の活気を保つといわれます。垂れ下がって広がる株姿が気の停滞をほぐすとされ、明るい花色のハンギングは人の出入りする場所に向くとされます。
切り戻しで復活します。伸びた枝の先端だけで咲き続けると、中心部は日が当たらず葉を落として木質化するのがペチュニアの宿命です。花が全部なくなっても構わないので、株全体を1/2から1/3の高さにバッサリ切ってください。1-2週間で中心から新芽が吹き、3-4週間後には株全体を覆う満開が戻ります。切り戻し後は週1回の液肥で回復を支え、切った枝は挿し芽にすると予備の株が作れます。
蒸れと灰色かび病のダメージで、株元が生きていれば梅雨明けに復活します。応急処置は、傷んだ枝や葉、花がらをすべて取り除き、健康な部分まで切り戻して、雨の当たらない風通しの良い場所へ移すことの3点です。来季への予防は6月上旬の梅雨入り前に株を1/2に切り戻しておくことで、コンパクトな株は風が通り蒸れの被害が激減します。雨に強い栄養系品種を選ぶのも根本的な対策になります。
花弁が薄く、濡れるとすぐにしぼんで傷むためです。傷んだ花はそのまま灰色かび病の発生源になり、株全体に広がることがあります。水やりは株元の葉をかき分けて土に直接注ぎ、雨の日は軒下へ移すか、雨に強い栄養系品種を選びます。うっかり花を濡らしてしまった場合は、しぼんだ花をすぐ摘み取って風通しを確保すれば、新しいつぼみが2-3日で開いて見た目は戻ります。
親株のままの冬越しは難しく、挿し芽苗で冬越しさせるのが現実的です。ペチュニアは本来多年草ですが霜に弱く、日本の屋外では枯れます。9-10月に元気な枝を5cmに切って挿し芽を作り、発根した小苗を室内の明るい窓辺で5°C以上を保って管理します。水は土が乾いてから控えめに与え、肥料は春まで与えません。4月に屋外へ出して定植すれば、栄養系のお気に入り品種を翌年につなげられます。
ペチュニアの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
10月の作業と、ペチュニアの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。