苗・株の選び方
ポット苗は茎が密で枯れ込みのないものを選びます。花色は濃ピンク(マックダニエルクッション)、白(リトルドット)、淡ピンク、青紫(オーキントンブルー)などが定番:複数色を市松に植えるデザインも人気です。広面積なら秋にまとめ買いし、翌春の開花を待つのが効率的。
Hapot編集部より
シバザクラ(芝桜)は、春に地面をピンクや白の絨毯に変える、グランドカバーの王様です。富士本栖湖や秩父・羊山公園の丘一面の景色で知られますが、原理は家庭の法面や花壇の縁でも同じ:一度植え付ければ毎年勝手に咲き、芝のように広がって雑草さえ抑えてくれます。常緑性で冬も地面を覆い、踏まれに弱い以外は驚くほど頑丈。乾燥に強く、痩せ地でも文句を言わず、傾斜地の土留めまでこなす働き者です。植え付け適期は春と秋:特に秋植えは根がじっくり張り、翌春から見事に咲きます。管理はほぼ「花後の刈り込み」一つだけ。庭の「土がむき出しで雑草だらけの場所」に、これほど費用対効果の高い解決策はありません。
水やり
庭植えは根付けば不要。鉢は表面が乾いたら
日光
直射日光
適温
-20〜35°C(耐寒・耐暑とも非常に強い)
湿度
40-60%
土
水はけの良い土(痩せ地OK)
肥料
ほぼ不要(春と秋に少量の緩効性肥料で十分)
成長速度
中(1株が2〜3年で30-50cm四方に広がる)
毒性
毒性の報告は特にない
ポット苗は茎が密で枯れ込みのないものを選びます。花色は濃ピンク(マックダニエルクッション)、白(リトルドット)、淡ピンク、青紫(オーキントンブルー)などが定番:複数色を市松に植えるデザインも人気です。広面積なら秋にまとめ買いし、翌春の開花を待つのが効率的。
日当たりと水はけの良い場所が絶対条件です。日照不足では花がまばらになり、過湿では株が蒸れて枯れ込みます。傾斜地・法面・花壇の縁・石垣の上など「日当たりが良くて水が溜まらない場所」が最高の適地:逆に日陰のジメジメした場所には向きません。耐寒性は-20°C級で全国どこでも越冬可能。踏み付けには弱いため、通路そのものではなく「通路脇」に。株間20〜30cmで植えれば2〜3年で絨毯がつながります。
植え付け後の1か月は根付くまで土が乾いたら水やりを。根付いた後の庭植えは基本的に降雨のみでOKで、乾燥には非常に強い植物です。むしろ水のやりすぎ・長雨による蒸れが大敵。鉢・プランター植えのみ、表面が乾いたら与える通常管理を続けます。夏の水やりをするなら夕方に、株の上からでなく株元へ。
水はけがすべてです。粘土質の場所は腐葉土と軽石・川砂を混ぜて改良するか、土を盛って高くしてから植え付けを。痩せ地でも育つため肥料分は少なくてOK:肥えすぎた土は徒長と蒸れを招きます。植え付けは春(3〜4月)か秋(9〜10月)。ポット苗の根鉢を軽くほぐし、株間20〜30cmで並べて植えます。斜面ではやや上向きに植えると活着が安定します。
年1回、「花後の刈り込み」が最重要の手入れです。5〜6月、花が終わったら株全体を1/3〜半分ほどバリカンやハサミで刈り込みます。目的は①梅雨前に風通しを作って蒸れ枯れを防ぐ、②新芽を促して株を密に保つ、③伸びすぎた茎の更新、の3つ。これを怠ると数年で中心部が枯れてドーナツ状にハゲてきます。「花の後、梅雨の前」とセットで覚えてください。
地植えが基本のため植え替えは通常不要です。数年経って中心部が枯れてきた株は、外側の元気な部分を掘り取って空いた場所に植え直す「更新」で若返らせます。鉢植えの場合は1〜2年に1回、春か秋に一回り大きな鉢か株分けを。
挿し芽と株分けで簡単に増やせます。挿し芽は花後の刈り込みで出た茎を5cmほどに切り、下葉を取って挿し木用土へ:1か月で発根します(刈り込みのたびに苗が量産できる計算です)。株分けは春か秋に、広がった株の外周をスコップで切り取って移植するだけ。茎が地面に触れた所から自然に発根する性質もあるため、「広げたい方向に茎を寝かせて土を被せる」だけでも増やせます。広い面を埋めたいなら、この自家増殖サイクルで苗代を大幅に節約できます。
病害虫は非常に少なく、最大の敵は「蒸れ」です。梅雨〜夏に株の内部が蒸れると灰色かび病などで部分枯れを起こします。予防は花後の刈り込みと、枯れ葉・雑草の除去による風通し確保。ハダニが夏の乾燥時に付くことがありますが、屋外の雨と風でほぼ自然解決します。株の間から生える雑草は、絨毯が完成するまでの2〜3年はこまめに抜いてください(完成後は雑草の方が生えにくくなります)。
4〜5月が開花の本番。絨毯の完成形を楽しむ。植え付け適期も。
花後の刈り込み(梅雨前)が最重要作業。蒸れに注意。
9〜10月が植え付けの好機。株分け・挿し芽の適期。
常緑で越冬。特に作業なし。霜柱で浮いた新植え株だけ押さえ直す。
原因
蒸れ。刈り込み不足で株内部の風通しが悪いと発生する。
対策
枯れた部分を取り除き、周囲の健康な茎を軽くすかします。来季から「花後〜梅雨前の刈り込み」を習慣化すれば再発をほぼ防げます。
原因
絨毯が完成するまでの隙間に雑草が定着。
対策
根が浅いうちに手で抜き取ります。植え付けから2〜3年、絨毯がつながるまでが我慢のしどころ:完成後は雑草の方が生えにくくなります。防草シート+植え穴方式で最初から抑える手もあります。
シバザクラの花言葉は「合意」「一致」「忍耐」。小さな花が寄り集まって一面の絨毯を作る姿と、踏まれても広がり続ける強さに由来します。
大地を覆う花の絨毯は「地の気を安定させる」とされ、家の周囲や法面に植えると土地の運気を整えるといわれます。
古株の宿命「ドーナツ化」です。原因は蒸れと株の老化:中心部は風が通らず古い茎が密集するため、数年放置すると枯れ込みます。対処は①枯れた部分を取り除き、②外側の元気な茎を枯れた側へ寝かせて土を薄く被せる(発根して再生します)、③または元気な部分を株分けして植え直す、の3段構え。予防は毎年の「花後の刈り込み」に尽きます。刈り込みを習慣にすれば、絨毯は10年単位で維持できます。
「日当たり・水はけ・株数・2〜3年の辛抱」の4点セットです。①1日5時間以上日が当たり水の溜まらない場所を選ぶ(傾斜地は最高)、②株間20〜25cmでポット苗を植える(1㎡あたり16〜25株)、③植え付け後2年は雑草取りと花後の刈り込みを続ける、④3年目の春、株同士がつながって絨毯が完成します。費用を抑えたいなら、初年は少なめに植えて挿し芽・株分けで増やしながら埋める「育てる絨毯」方式もおすすめです。