苗・株の選び方
良い苗は、茎が密でポットの縁まで葉が広がっていること、葉の色が濃く艶があること、根がポットの底から白く出ていることの3点で選びます。
避けたいのは、中心部が茶色く枯れ込んだ苗と、茎が間延びしてまばらな苗の2つです。花色は濃ピンク(マックダニエルクッション)、白(リトルドット)、淡ピンク、青紫(オーキントンブルー)などが定番で、複数色を市松に植えるデザインも人気です。広面積なら秋にまとめ買いし、翌春の開花を待つのが効率的です。
Hapot編集部より
シバザクラ(芝桜)は、一度植え付ければ毎年勝手に咲き、手入れは年1回の刈り込みだけという、庭の雑草だらけの場所を花の絨毯に変えたい人に最も向いたグランドカバーです。春に地面をピンクや白で埋め尽くす景色は、富士本栖湖や秩父の羊山公園で知られますが、原理は家庭の法面や花壇の縁でも同じです。常緑性で冬も地面を覆い、芝のように広がって雑草を抑え、乾燥にも痩せ地にも強く、傾斜地の土留めまでこなします。耐寒性は-20°C級で全国で越冬でき、弱点は踏み付けと梅雨の蒸れだけです。植え付けの適期は春と秋で、特に秋植えは根がじっくり張り、翌春から見事に咲きます。1株が2〜3年で直径30〜50cmに広がるため、株間20〜30cmで植えれば3年目の春に絨毯がつながります。花後に梅雨の前の刈り込みさえ覚えれば、10年単位で維持できる費用対効果の高い植物です。

水やり
庭植えは根付けば不要。鉢は表面が乾いたら
日光
直射日光
温度の目安
-20-35°C(耐寒・耐暑とも非常に強い)
湿度
40-60%
土
水はけの良い土(痩せ地OK)
大きさの目安
草丈10cm前後で地を這う。1株が2〜3年で直径30-50cmの絨毯に。
成長の速さ
中(1株が2〜3年で30-50cm四方に広がる)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-20-35°C(耐寒・耐暑とも非常に強い)
肥料
ほぼ不要(春と秋に少量の緩効性肥料で十分)
成長速度
中(1株が2〜3年で30-50cm四方に広がる)
毒性
毒性の報告は特にない
植え付けたら「花後の刈り込み」だけ覚えればOK。蒸れが唯一の弱点なので、梅雨前の一手間が絨毯の寿命を延ばします。
良い苗は、茎が密でポットの縁まで葉が広がっていること、葉の色が濃く艶があること、根がポットの底から白く出ていることの3点で選びます。
避けたいのは、中心部が茶色く枯れ込んだ苗と、茎が間延びしてまばらな苗の2つです。花色は濃ピンク(マックダニエルクッション)、白(リトルドット)、淡ピンク、青紫(オーキントンブルー)などが定番で、複数色を市松に植えるデザインも人気です。広面積なら秋にまとめ買いし、翌春の開花を待つのが効率的です。
日当たりと水はけの良い場所が絶対条件で、1日5時間以上日が当たり、雨の後に水が溜まらない場所を選びます。日照不足では花がまばらになり、過湿では株が蒸れて枯れ込みます。傾斜地、法面、花壇の縁、石垣の上など、日当たりが良くて水が溜まらない場所が最高の適地で、日陰のじめじめした場所には向きません。耐寒性は-20°C級で全国どこでも越冬でき、防寒は不要です。踏み付けには弱いため、通路そのものではなく通路脇に植えてください。
よくある失敗は、北側の塀際など日照2〜3時間の場所に植え、2年目から花が数輪しか咲かなくなることです。この場合は秋に株を掘り上げ、日当たりの良い場所へ株間20〜30cmで植え直すと、翌々春には花が戻ります。
植え付け後の1か月は根付くまで、土が乾いたら株元にたっぷり水を与えます。根付いた後の庭植えは基本的に降雨だけで育ち、乾燥には非常に強い植物です。むしろ水のやりすぎと長雨による蒸れが大敵で、梅雨時に株の内部が黒ずんで枯れる原因になります。鉢やプランター植えは、表面が乾いたら鉢底から流れるまで与える通常の管理を続け、真夏は朝か夕方に1日1回が目安です。夏に庭植えへ水やりをするなら、日中の高温時を避けて夕方に、株の上からでなく株元へ注ぎます。失敗しやすいのは、良かれと思って毎日スプリンクラーで葉の上から水をかけ、梅雨明けに株の中心が蒸れて茶色く枯れることです。気づいたら水やりを止め、枯れた部分を取り除いて風を通せば、周囲の元気な茎が秋までに広がって埋めてくれます。
水はけがすべてです。粘土質の場所は腐葉土と軽石か川砂を土の3割ほど混ぜて改良するか、土を10cm盛って高くしてから植え付けます。鉢植えは市販の花用培養土に軽石を2割混ぜ、鉢底石を2〜3cm敷けば問題ありません。痩せ地でも育つため肥料分は少なくてよく、肥えすぎた土は徒長と蒸れを招きます。元肥は緩効性肥料をひとつまみ程度で十分です。植え付けは春(3〜4月)か秋(9〜10月)で、ポット苗の根鉢を軽くほぐし、株間20〜30cmで並べて植えます。斜面ではやや上向きに植えると活着が安定します。
年1回の花後の刈り込みが最も重要な手入れです。5〜6月、花が終わったら株全体を3分の1〜半分ほど、バリカンかハサミで刈り込みます。目的は、梅雨前に風通しを作って蒸れ枯れを防ぐこと、新芽を促して株を密に保つこと、伸びすぎた茎を更新することの3つです。これを怠ると数年で中心部が枯れてドーナツ状にはげてきます。「花の後、梅雨の前」とセットで覚えてください。
よくある失敗は、花後の刈り込みを2〜3年さぼり、株が古い茎ばかりになって中心から枯れ込むことです。その場合は枯れた部分を取り除き、外側の元気な茎を枯れた側へ寝かせて土を薄くかぶせると、1〜2か月で発根して再生します。刈り込んだ茎は挿し芽の材料になるので捨てずに活用してください。
時期と道具を用意する
刈り込みは花が終わった5〜6月、梅雨入り前に行います。バリカンか芝刈り用のハサミ、手袋、刈った茎を集める袋を用意し、晴れた日の午前中に作業します。
株全体を3分の1〜半分に刈る
株の高さの3分の1〜半分を目安に、全体を均等に刈り込みます。緑の葉が残る位置で切り、古い茎だけになるまで深く刈らないようにします。
枯れた茎と雑草を取り除く
株の内部で茶色く枯れた茎を手で取り除き、株の間から出た雑草も根から抜きます。風通しが良くなり、梅雨の蒸れ枯れを防げます。
枯れた部分に茎を寝かせる
中心がはげている株は、外側の元気な茎を枯れた側へ寝かせて土を薄くかぶせます。1〜2か月で発根し、秋までに再生します。
刈り込み後の管理をする
刈った後は肥料を与えず、鉢植えだけ土が乾いたら水を与えます。刈り取った茎は5cmに切って挿し芽にし、秋の植え付け用の苗として育ててください。
地植えが基本のため、植え替えは通常不要です。植え付けの適期は春(3〜4月)と秋(9〜10月)で、秋植えの方が根がじっくり張って翌春の花が安定します。株間20〜30cmでポット苗を並べ、根鉢の表面が土と同じ高さになるよう植えて、たっぷり水を与えます。数年経って中心部が枯れてきた株は、外側の元気な部分を掘り取って空いた場所に植え直す「更新」で若返らせます。鉢植えは1〜2年に1回、春か秋に一回り大きな鉢へ移すか株分けします。失敗しやすいのは、深植えして茎の付け根が土に埋まり、蒸れて枯れることです。植え付け後に株元が土に埋もれていたら、周りの土を少し取り除いて茎を露出させると回復します。植え付け後1か月は土が乾いたら水を与え、根付いたら降雨に任せます。
時期と道具を用意する
植え付けは3〜4月か9〜10月で、秋植えが翌春の花が安定します。ポット苗、移植ごて、腐葉土、軽石か川砂、緩効性肥料、手袋を用意し、苗は前日に水を与えておきます。
水はけの良い土を準備する
粘土質なら腐葉土と軽石を3割混ぜて耕すか、土を10cm盛って高くします。鉢植えは鉢底石を2〜3cm敷き、培養土に軽石を2割混ぜます。肥料はひとつまみで十分です。
株間20〜30cmで並べて植える
根鉢の底を軽くほぐし、根鉢の表面が土と同じ高さになるよう植えます。深植えすると茎の付け根が蒸れるので注意し、斜面ではやや上向きに植えます。
たっぷり水を与えて固定する
株元に水がしみ込むまで与え、土が沈んだら足します。斜面で苗が動くときは、U字ピンや小枝で根鉢を軽く押さえておくと活着が安定します。
根付くまで1か月管理する
1か月は土が乾いたら水を与え、その後は降雨に任せます。株の間の雑草は根が浅いうちに抜き、翌年の花後から毎年の刈り込みを始めてください。
挿し芽と株分けで簡単に増やせます。挿し芽は花後の刈り込みで出た茎を5cmほどに切り、下葉を取って挿し芽用土に挿すと、1か月で発根します。刈り込みのたびに苗が量産できる計算です。株分けは春か秋に、広がった株の外周をスコップで切り取って移植するだけです。茎が地面に触れた所から自然に発根する性質もあるため、広げたい方向に茎を寝かせて土をかぶせるだけでも増やせます。失敗しやすいのは、真夏に挿し芽をして高温多湿で腐らせることです。挿し芽の適期は5〜6月と9〜10月で、明るい日陰に置いて土を乾かさないよう管理し、発根後に日なたへ移します。広い面を埋めたいなら、初年は少なめに植えてこの自家増殖サイクルで増やすと、苗代を大幅に節約できます。
時期と道具を準備する
挿し芽の適期は花後の5〜6月と9〜10月です。清潔なハサミ、挿し芽用土を入れた育苗トレイか小鉢、霧吹きを用意し、刈り込みで出た茎を材料にします。
茎を5cmに切って下葉を取る
元気な茎を5cmほどの長さに切り、下半分の葉を取り除きます。切り口は斜めにし、切ってから30分以内に挿すと発根率が上がります。
用土に挿して日陰に置く
湿らせた挿し芽用土に割り箸で穴を開け、茎の下半分を挿して土を軽く押さえます。明るい日陰に置き、土が乾かないよう霧吹きで管理します。
発根したら日なたへ移す
1か月ほどで発根し、新芽が動き始めたら日なたに移して通常の水やりに切り替えます。ポットの底から根が出たら植え付けの適期です。
株分けと伏せ茎も活用する
春か秋に株の外周をスコップで切り取って移植すれば株分けになります。広げたい方向に茎を寝かせて土をかぶせるだけでも発根し、苗代を節約できます。
病害虫は非常に少なく、最大の敵は蒸れです。梅雨から夏に株の内部が蒸れると、灰色かび病などで部分枯れを起こします。予防は花後の刈り込みと、枯れ葉や雑草の除去による風通しの確保で、これだけで発生の大半を防げます。ハダニが夏の乾燥時に付いて葉が白っぽくかすれることがありますが、屋外の雨と風でほぼ自然に収まり、ひどい場合は葉裏に水をかけて洗い流します。ナメクジが春の新芽をかじることもあるので、夜間の見回りと誘引剤で対処します。失敗例で多いのは、株の間から突き抜けた雑草を放置し、日陰になった部分が蒸れて枯れることです。雑草は根が浅いうちに手で抜き、枯れた部分は取り除いて、元気な茎を寝かせて土をかぶせれば秋までに再生します。絨毯が完成するまでの2〜3年は、雑草取りを月1回続けてください。
4〜5月が開花の本番です。庭植えは降雨に任せ、3月に緩効性肥料を少量与えます。日当たりの良い場所で絨毯の完成形を楽しみ、春の植え付けもこの時期です。新芽をナメクジがかじることがあるので、夜に見回ってください。
花後の5〜6月に株を3分の1〜半分に刈り込み、梅雨前に風通しを作ります。水やりは鉢植えだけ、肥料は与えません。日なたのままで構いません。刈り込みを怠ると株の内部が蒸れて枯れるので、この時期の作業が最も重要です。
9〜10月は植え付けと株分け、挿し芽の適期です。植え付け後1か月は土が乾いたら水を与え、10月に緩効性肥料を少量施します。日当たりの良い場所を選び、秋の長雨で水が溜まる場所は土を盛って高くしてください。
常緑で越冬し、特に作業はありません。水は鉢植えが乾いたときだけ、肥料は不要です。-20°Cまで耐えるので防寒も不要です。霜柱で新植えの株が浮いたら手で押さえ直し、根が乾いて枯れないようにします。
原因
蒸れ。刈り込み不足で株内部の風通しが悪いと発生する。
対策
枯れた部分を取り除き、周囲の健康な茎を軽くすかします。来季から「花後〜梅雨前の刈り込み」を習慣化すれば再発をほぼ防げます。
原因
絨毯が完成するまでの隙間に雑草が定着。
対策
根が浅いうちに手で抜き取ります。植え付けから2〜3年、絨毯がつながるまでが我慢のしどころで、完成後は雑草の方が生えにくくなります。防草シートに植え穴を開ける方式で最初から抑える手もあります。
原因
古株の老化と蒸れ。数年刈り込みをしないと中心の古い茎が密集して枯れ込む。
対策
枯れた部分を取り除き、外側の元気な茎を枯れた側へ寝かせて土を薄くかぶせると1〜2か月で発根して再生します。毎年5〜6月の刈り込みで予防できます。
原因
日照不足、または株の老化。日当たりが1日3時間以下だと花付きが落ちる。
対策
秋に株を掘り上げて日当たりの良い場所へ植え直すか、周囲の木や草を刈って光を入れます。古株は花後の刈り込みと株分けで若返らせると、翌々春から花が戻ります。
原因
霜柱による根の持ち上がり。秋に植えたばかりの根の浅い株に起きやすい。
対策
見つけたら手で株元を押さえて土に戻し、周囲に土を軽く足します。放置すると根が乾いて枯れるため、寒冷地では植え付け後に腐葉土で株元を覆っておくと予防になります。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
シバザクラの花言葉は「合意」「一致」「臆病な心」「忍耐」です。小さな花が寄り集まって一面の絨毯を作る姿が「合意」「一致」の由来で、地面に低く広がり、踏まれても広がり続ける強さが「忍耐」を表します。「臆病な心」は、背を伸ばさず地を這うように咲く控えめな姿から付けられたといわれます。
風水では大地を覆う花の絨毯は「地の気を安定させる」とされ、家の周囲や法面に植えると土地の運気を整えるといわれます。むき出しの土は気が散りやすいと考えられるため、シバザクラで覆うことは家の土台を守る意味を持ちます。ピンクは家庭運と対人運、白は浄化、紫は精神の安定を助ける色とされます。
古株に起きるドーナツ化で、原因は蒸れと株の老化です。中心部は風が通らず古い茎が密集するため、数年放置すると枯れ込みます。対処は3段階で、枯れた部分を取り除き、外側の元気な茎を枯れた側へ寝かせて土を薄くかぶせて発根させ、それでも足りなければ元気な部分を株分けして植え直します。予防は毎年の花後の刈り込みに尽きます。5〜6月に株全体を3分の1〜半分刈り込む習慣があれば、絨毯は10年単位で維持できます。
日当たり、水はけ、株数、2〜3年の辛抱の4点がそろえば作れます。1日5時間以上日が当たり水の溜まらない場所を選び(傾斜地は最適)、株間20〜25cmでポット苗を植えます(1平方メートルあたり16〜25株)。植え付け後2年は雑草取りと花後の刈り込みを続け、3年目の春に株同士がつながって絨毯が完成します。費用を抑えたいなら、初年は少なめに植えて挿し芽と株分けで増やしながら埋める方法もおすすめです。
芝と違って踏み付けには弱く、人が日常的に歩く場所には向きません。茎が折れて葉が傷み、そこから蒸れて枯れ込みます。庭の通路そのものではなく通路の両脇に植え、歩く場所には飛び石やレンガを置いてください。たまに1〜2回踏まれる程度なら回復しますが、犬の遊び場や子どもの通り道になると1シーズンで穴が開きます。傷んだ部分は枯れた茎を取り除き、周囲の元気な茎を寝かせて土をかぶせれば1〜2か月で再生します。
5〜6月、花が終わったら株全体を3分の1〜半分の高さに刈り込んでください。これがシバザクラで唯一かつ最も重要な手入れで、梅雨前に風通しを作り、新芽を促して株を密に保ちます。バリカンや芝刈り用のハサミを使うと広い面積でも短時間で終わります。刈り込んだ茎は5cmに切って挿し芽にすれば苗が増やせます。刈り込み後は肥料を与えず、雑草を抜いて風通しを保てば、秋には刈った部分が新しい葉で覆われます。
シバザクラの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
10月の作業と、シバザクラの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。