苗・株の選び方
球根は、芽の出る首がしっかり付いていること、触って硬くシワが少ないこと、カビや腐った部分がないことの3点で選びます。首がない球根は芽が出ないため必ず確認します。
避けたいのは、ぶよぶよと柔らかい球根と、首の部分が黒く乾いて折れそうな球根です。ポット苗なら節間が詰まって茎が太く、葉が濃い緑のものを選び、葉が縮れた苗はウイルス病やダニの疑いがあるので避けます。ラベルで草丈と花径を確認し、鉢向きの矮性か花壇向きの高性かを目的で選びます。
Hapot編集部より
ダリアは、真夏に切り戻して休ませ秋に咲かせるという日本流のリズムをつかめば、初夏から晩秋まで花径5-30cmの華やかな花を楽しめる、少し手をかける価値のある球根植物です。メキシコから中米の高原原産でメキシコの国花でもあり、生育適温は15-25°C、冷涼な気候を好むため日本の猛暑と霜が苦手です。4月中旬に球根を植えると6月から咲き始め、7月下旬に株を1/2-1/3に切り戻して猛暑を休ませると、10-11月に春以上の花色の秋ダリアが帰ってきます。草丈は矮性30cmから大輪種の1.5m、皇帝ダリアは3mを超え、花壇や鉢、切り花と用途も広く、花形もポンポン咲きやデコラ咲きなど多彩です。冬は霜で地上部が枯れたら球根を掘り上げ、凍らない5°C前後の場所で貯蔵します。球根を分ける際は芽の出る首を必ず付けるのが絶対のルールで、この点さえ押さえれば毎年株を増やしながら長く付き合えます。

水やり
土の表面が乾いたら(過湿嫌い・真夏の乾燥にも注意)
日光
直射日光
温度の目安
15-25°C(生育適温。真夏の酷暑と霜が苦手)
湿度
40-60%
土
水はけの良い肥沃な土
大きさの目安
矮性30cm〜大輪種1.5m、皇帝ダリアは3m超。花径5cm〜30cmまで多彩。
成長の速さ
速い(春に植えて初夏から晩秋まで開花)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
15-25°C(生育適温。真夏の酷暑と霜が苦手)
肥料
元肥+月2回の液肥(真夏は中断)
成長速度
速い(春に植えて初夏から晩秋まで開花)
毒性
毒性の報告は特にない
「真夏は切り戻して休ませ、秋に咲かせる」が日本流。冬の球根は凍結厳禁——この2つがダリアとの約束です。
球根は、芽の出る首がしっかり付いていること、触って硬くシワが少ないこと、カビや腐った部分がないことの3点で選びます。首がない球根は芽が出ないため必ず確認します。
避けたいのは、ぶよぶよと柔らかい球根と、首の部分が黒く乾いて折れそうな球根です。ポット苗なら節間が詰まって茎が太く、葉が濃い緑のものを選び、葉が縮れた苗はウイルス病やダニの疑いがあるので避けます。ラベルで草丈と花径を確認し、鉢向きの矮性か花壇向きの高性かを目的で選びます。
日当たりと風通しの良い屋外で育てます。1日5時間以上の日照が花付きの条件で、生育適温は15-25°Cです。真夏の35°Cを超える日が続くと花が小さくなり色もあせるため、7-8月は午後に日陰になる場所か、鉢なら半日陰へ移します。霜には弱く、地上部は一度の霜で枯れるため、11月に霜が降りたら球根を掘り上げます。大輪種は1.5mに達し風で倒れやすいので、植え付け時に支柱を立て、風の通り道を避けます。失敗例として、西日の当たるコンクリートの上に鉢を置き夏に葉が焼けて蕾が落ちることがありますが、7月下旬に1/2に切り戻して半日陰に移し、9月に日なたへ戻せば秋に咲きます。皇帝ダリアは日が短くなる11月に咲くため、夜間に照明の当たらない場所を選びます。
土の表面が乾いたらたっぷり与えます。過湿を嫌うため乾く前の水やりは球根の腐敗と根腐れを招き、春の芽出し前は特に控えめにします。芽が出て葉が茂る5-6月は2-3日に1回、真夏の鉢植えは朝夕の1日2回、秋の開花期は2-3日に1回が目安です。地植えは根付いた後は晴天が10日以上続くときだけ株元にたっぷり与えます。水は株元に注ぎ、花にかけると傷んで灰色かび病の原因になります。失敗例として、植え付け直後に毎日水を与えて球根を腐らせ芽が出ないことがありますが、掘り上げて首の部分が硬ければ、乾かして水はけの良い土に植え直せば芽が出ます。真夏の水切れは蕾を落とすため、切り戻し後も土を乾かしきらないよう管理します。
水はけの良い肥沃な土を好みます。市販の花用培養土をそのまま使えますが、自分で配合するなら赤玉土小粒5、腐葉土3、パーライト2にし、鉢底には鉢底石を3cm敷きます。鉢は球根が大きいため大輪種で10号以上、矮性種で6-7号の深鉢を選びます。庭植えは植え付け2週間前に苦土石灰を1平方メートルあたり100g混ぜ、1週間前に腐葉土と緩効性肥料を入れて高めの畝にします。株間は大輪種で60cm、矮性種で30cmが目安で、深さは球根の上に5-7cm土がかぶる程度にします。
摘心、切り戻し、摘蕾、花がら摘みの4つが手入れの柱です。植え付け後、本葉が3-4対になったら先端を摘む摘心をして脇枝を増やします。7月下旬から8月上旬に株を1/2-1/3の高さに切り戻し、肥料を止めて猛暑を休ませると、9月に新しい枝が伸びて10-11月に秋ダリアが咲きます。大輪を狙う場合は蕾が3つ付いたら中央の1つを残して脇蕾を摘む摘蕾をします。咲き終わった花は花首の下で切り、次の花に養分を回します。失敗例として、夏に切り戻さず咲かせ続けて秋に花が小さく株が疲れることがありますが、8月中旬でも切り戻せば秋の花は回復します。切り戻しで出た枝は挿し芽に使えます。皇帝ダリアは切り戻さず、8月までに摘心を2回して背丈を抑えます。
時期と道具を用意する
摘心は本葉3-4対の5月、切り戻しは7月下旬から8月上旬、花がら摘みと摘蕾は開花中に行います。清潔な剪定バサミを用意し、晴れた日の午前中に作業します。
本葉3-4対で先端を摘心する
本葉が3-4対になったら茎の先端を指かハサミで摘みます。脇枝が増えて花数が2-3倍になり、草丈も抑えられます。
咲き終わった花を花首で切る
しおれた花は花首の下で切り取ります。花がらを残すと種づくりに養分を取られ、灰色かび病の原因にもなります。大輪を狙う株は脇蕾も摘みます。
7月下旬に1/2-1/3へ切り戻す
猛暑の前に株全体を1/2-1/3の高さに切り戻し、肥料を止めます。切った枝は挿し芽に使えます。皇帝ダリアは切り戻さず摘心で背丈を抑えます。
切り戻し後は半日陰で休ませる
切り戻し後は半日陰に置き、土が乾いたら水を与えて8月を休ませます。9月に日なたへ戻して液肥を再開すると、10-11月に秋ダリアが咲きます。
植え付けは霜の心配がなくなる4月中旬から5月に行います。球根は芽の出る首を上にして、球根の上に5-7cm土がかぶる深さに横向きに置き、同時に支柱を立てます。芽が出るまでは水を控えめにし、発芽後に通常の水やりに切り替えます。鉢植えは毎年、掘り上げた球根を新しい土で植え直します。失敗例として、首のない球根を植えて芽が出ないことがありますが、ダリアの芽は球根本体からではなく首からしか出ないため、首付きの球根かポット苗で再スタートします。ポット苗の定植は5月に、根鉢を崩さず同じ深さで植え付けます。冬は霜で地上部が枯れたら11月に掘り上げ、土を落として1週間陰干しし、おがくずやピートモスに埋めて5°C前後の凍らない場所で貯蔵します。
時期と道具を用意する
植え付けの適期は霜の心配がなくなる4月中旬から5月です。首付きの球根、花用培養土、鉢底石、10号の深鉢か花壇、支柱、移植ゴテを用意します。
鉢底石と元肥入りの土を入れる
鉢底石を3cm敷き、緩効性肥料を混ぜた培養土を鉢の半分まで入れます。花壇は2週間前に苦土石灰を混ぜて高めの畝にしておきます。
首を上にして球根を横向きに置く
芽の出る首を上にして球根を横向きに置き、球根の上に5-7cm土がかぶる深さにします。株間は大輪種で60cm、矮性種で30cmです。
支柱を立てて土をかぶせる
球根を傷つけないよう、この時点で支柱を球根の脇に立てます。土をかぶせて軽く押さえ、鉢の縁から3cm下まで土を入れます。
芽が出るまで水を控えて管理する
植え付け直後に1回水を与え、芽が出るまでは土が乾いてから少量与える程度にします。発芽後は日なたで土が乾いたらたっぷり与え、5月から液肥を始めます。
分球と挿し芽で増やせます。分球は春の植え付け前の4月に、貯蔵した球根の塊を芽の出る首が各片に付くように清潔なナイフで切り分けます。首のない球根片は芽が出ないため、芽が確認できるまで待ってから分けるのが確実です。切り口は乾かしてから植えます。挿し芽は5-6月に摘心や切り戻しで出た枝先を8-10cmに切り、下葉を取って湿らせた挿し芽用土に挿すと、20-25°Cなら2-3週間で発根します。挿し芽の株もその年の秋に咲き、小さな球根を作ります。失敗例として、ジャガイモ感覚で球根だけを切り分けて芽が出ないことがありますが、翌年は3月に球根を暖かい場所に置いて芽を出させてから、芽を1-2個ずつ付けて分けます。種からも育てられますが親と同じ花にはなりません。
時期と道具を用意する
分球の適期は植え付け前の4月です。貯蔵した球根の塊、清潔なナイフ、切り口に塗る殺菌剤か草木灰、新聞紙を用意します。3月から暖かい場所で芽出しをしておくと確実です。
球根の首にある芽を確認する
球根の塊を茎の付け根である首の部分をよく見て、芽が出ている位置を確認します。芽は首からしか出ないため、芽のない位置では分けません。
首と芽を付けて切り分ける
各片に首と芽が1-2個ずつ付くように、清潔なナイフで塊を切り分けます。芽のない球根片は発芽しないので、無理に細かく分けません。
切り口を乾かしてから植える
切り口に殺菌剤か草木灰を塗り、風通しの良い日陰で半日から1日乾かします。乾いたら首を上にして球根の上に5-7cm土がかぶる深さに植えます。
発芽まで水を控えて養生する
植え付け後は芽が出るまで水を控えめにし、発芽したら日なたで通常の管理に戻します。分けた株もその年の秋に咲き、新しい球根を作ります。
アブラムシ、ハダニ、ホコリダニ、ナメクジが主な害虫で、病気はうどんこ病、灰色かび病、ウイルス病に注意します。アブラムシは春の新芽と蕾に付き、ウイルス病を媒介するため見つけ次第水で洗い流し、多発時は殺虫剤を1週間おきに2回散布します。ハダニとホコリダニは夏の乾燥時に発生し、新芽や葉が縮れます。葉水と被害部の除去で対処します。うどんこ病は秋の乾湿差で葉が白い粉に覆われ、病葉を取り除いて専用薬剤を散布します。葉にモザイク状の模様が出るウイルス病は治療できないため、株ごと処分してハサミを消毒します。失敗例として、夏に切り戻しをせず蒸れて灰色かび病が広がることがありますが、傷んだ部分を取り除き1/2に切り戻して風通しを確保すれば、秋に健全な枝が伸びます。
4月中旬から球根を植え付け、支柱を同時に立てます。芽が出るまで水は控えめにし、発芽後は土が乾いたらたっぷり与えます。5月から月2回の液肥を始め、本葉3-4対で摘心をします。日なたで管理し、アブラムシと植え付け直後の過湿に注意します。
6月から初夏の花が咲きます。水は鉢なら朝夕、地植えは晴天が続いたときだけ与え、7月から肥料を止めます。7月下旬に株を1/2-1/3に切り戻して半日陰で猛暑を休ませます。35°C超の高温による花質低下と、乾燥によるハダニに注意します。
秋ダリアの本番です。9月に日なたへ戻し、液肥を月2回再開すると10-11月に春以上の花が咲きます。水は2-3日に1回、蕾が付いたら水切れさせないようにします。秋の乾湿差で出るうどんこ病と台風による倒伏に注意します。
霜で地上部が枯れたら11月に球根を掘り上げ、1週間陰干ししてからおがくずやピートモスに埋め、5°C前後の凍らない場所で貯蔵します。水も肥料も不要です。貯蔵中の凍結と湿気によるカビに注意します。
原因
ホコリダニの被害か、アブラムシが媒介するウイルス病です。
対策
ダニなら被害部を除去して薬剤散布で回復できます。葉にモザイク模様が出るウイルス病なら治療できないため、感染拡大を防ぐために株ごと処分し、ハサミを消毒します。
原因
乾燥しすぎ(シワ)か、湿気と傷(カビ)です。
対策
シワは軽度なら春の吸水で復活します。カビはカビの部分を取り除いて乾かし、おがくずやピートモスに埋めて5°C前後で貯蔵し直します。凍らせず乾かしすぎずが冬越しの合言葉です。
原因
芽の出る首が付いていない球根片か、植え付け直後の過湿による腐敗です。
対策
首のない球根は発芽しないため、首付きの球根かポット苗で再スタートします。腐敗なら掘り上げて硬い部分が残っていれば乾かし、水はけの良い土に植え直します。
原因
35°Cを超える猛暑による花質の低下です。冷涼な高原原産のダリアの正常な反応です。
対策
7月下旬から8月上旬に株を1/2-1/3に切り戻し、肥料を止めて半日陰で休ませます。9月に液肥を再開すると10-11月に春以上の秋ダリアが咲きます。
原因
大輪種は1.5mに達し、支柱なしでは風や花の重みで倒れます。
対策
折れた枝は付け根で切り、残った株に支柱を立てて麻ひもで結びます。切った下の節から脇枝が伸びて秋に咲きます。翌年は植え付け時に支柱を立てます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ダリアの花言葉は「華麗」「優雅」「気品」です。ナポレオン妃ジョゼフィーヌが自邸の庭で愛でて広めた逸話から、宮廷の花としての華やかさが由来とされています。一方で「移り気」「不安定」という意味もあり、フランス革命後の不安定な時代に流行したことから生まれました。
ダリアは「陽の気を強く放つ花」とされ、南向きの庭や玄関に植えると家に活気と華やかさを呼び込むといわれます。大輪の花が太陽のように放射状に開く姿が、エネルギーを外へ広げる象徴とされたことが由来です。赤やオレンジの花は活力、ピンクの花は恋愛運を高める色とされます。
ほぼ確実に首(発芽点)のない球根です。ダリアの芽は球根本体からではなく、球根が付いていた茎の付け根である首からしか出ません。ジャガイモ感覚で球根だけを切り分けると、栄養タンクだけで芽のない球根になってしまいます。分球は必ず首を付けて切り分けるのが絶対のルールです。すでに植えた首なし球根は発芽しないので、首付きの球根かポット苗で再スタートしてください。過湿で腐った場合も芽は出ないため、掘り上げて硬さを確認します。
ダリアは冷涼なメキシコ高原の出身で日本の猛暑が苦手なため、夏の花質低下は仕様です。正解は咲かせ続けずに休ませることで、7月下旬から8月上旬に株を1/2-1/3へ切り戻し、肥料を止めて半日陰気味に管理します。涼しくなる9月に新しい枝が伸びるので液肥を再開すれば、10-11月に春以上の花色と花形の秋ダリアが帰ってきます。夏に無理をさせないことが、秋の豪華さへの投資です。
霜で地上部が枯れたら11月に掘り上げ、茎を10cm残して切り、土を落として風通しの良い日陰で1週間陰干しします。その後、おがくずやピートモス、新聞紙に包んで段ボールに入れ、5°C前後の凍らない場所で春まで貯蔵します。凍らせず乾かしすぎずが合言葉で、月1回は様子を見てカビた部分は取り除きます。関東以西の暖地で水はけの良い場所なら、株元に腐葉土を厚くかけて植えっぱなしでも越冬できることがあります。
花数を増やすなら摘心、大輪を咲かせるなら摘蕾が必要です。摘心は植え付け後、本葉が3-4対になったら茎の先端を摘む作業で、脇枝が増えて花数が2-3倍になり草丈も抑えられます。摘蕾は蕾が3つ付いたら中央の1つを残して両脇の蕾を摘む作業で、養分が集中して花径が大きくなります。小輪を多く楽しみたいなら摘蕾は不要です。矮性種は摘心だけで十分にこんもり咲き、皇帝ダリアは8月までに2回摘心して背丈を抑えます。
ダリアの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
10月の作業と、ダリアの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。