苗・株の選び方
良い株の目安は、バルブが硬く太くシワがないこと、葉が濃い緑で艶があり先まで枯れていないこと、花茎に開いていないつぼみが半分以上残っていることの3点です。
避けたいのは、バルブがシワシワにへこんで葉が黄変している株と、葉にモザイク状の斑や黒い斑点が出ている株で、後者はウイルス病の可能性があります。鉢を持ち上げてぐらつかないかも確認します。購入後に自宅で育てて翌年も咲かせたいなら、12-1月の早い時期に選ぶと株が疲れていません。
Hapot編集部より
シンビジウムは、春から秋に屋外でしっかり日光と水を与えられる人なら、冬の室内で2-3か月も咲き続ける豪華な花を毎年楽しめる、洋ランの中で最も寒さに強い入門種です。東南アジアからヒマラヤ原産で、日本のシュンランの仲間を親に持つため5°C程度の低温にも耐えます。胡蝶蘭とは真逆の体育会系のランで、4月から屋外の日なたに出し、夏は毎日の水やりと月1回の肥料でバルブと呼ばれる株元の茎を太らせ、9月に肥料を止めて秋の涼しさに当てると花芽ができます。株高は40-80cm、花茎は1mに達するものもあり、冬の室内の主役になるサイズです。失敗の9割は一年中室内で可愛がりすぎることで、外で鍛えるほど冬に咲きます。用土は普通の土ではなくラン用のバークやシンビジウム用土を使い、2-3年に1回、花後の4月に植え替えと株分けをします。ラン科は無毒とされ、ペットのいる家庭でも比較的安心して置けます。

水やり
成長期はたっぷり(ラン界きっての水好き)。冬は控えめ
日光
直射日光
温度の目安
5-30°C(洋ランでは最強クラスの耐寒性)
湿度
50-70%
土
ラン用バークまたはシンビジウム用土(普通の土はNG)
大きさの目安
株高40〜80cm、花茎は1m級も。冬の室内の主役サイズ。
成長の速さ
春〜秋にバルブを育て、冬に開花する年周期
温度の目安(耐寒〜耐暑)
5-30°C(洋ランでは最強クラスの耐寒性)
肥料
4〜9月に置き肥+液肥(洋ランでは多肥タイプ)
成長速度
春〜秋にバルブを育て、冬に開花する年周期
毒性
ラン科は無毒とされ、ペットのいる家庭でも比較的安心
春から秋は外で鍛え、冬は室内で咲かせる。胡蝶蘭と真逆の体育会系ランと覚えれば、管理の迷いが消えます。
良い株の目安は、バルブが硬く太くシワがないこと、葉が濃い緑で艶があり先まで枯れていないこと、花茎に開いていないつぼみが半分以上残っていることの3点です。
避けたいのは、バルブがシワシワにへこんで葉が黄変している株と、葉にモザイク状の斑や黒い斑点が出ている株で、後者はウイルス病の可能性があります。鉢を持ち上げてぐらつかないかも確認します。購入後に自宅で育てて翌年も咲かせたいなら、12-1月の早い時期に選ぶと株が疲れていません。
春から秋は屋外の日なた、冬は室内の涼しい窓辺が定位置です。最低気温が10°Cを超える4月に屋外へ出し、5-6月はよく日に当ててバルブを太らせます。7-8月は葉焼けを防ぐため遮光30-50%の寒冷紗をかけるか、午後は日陰になる場所に置きます。秋は霜が降りる前の11月まで屋外で夜の涼しさに当て、花芽が伸びてきたら室内へ取り込みます。室内は5-15°Cの暖房の効いていない明るい場所が理想で、20°C以上の暖かい部屋では花が早く終わります。失敗例として、一年中リビングの窓辺で育てて3年咲かないことがありますが、4月から屋外に出して日光と水を十分に与えれば、その年の冬から花芽が上がります。風通しの良さも重要で、ベランダなら床に直置きせず台の上に置きます。
洋ランの中では特に水を好みます。4-9月の成長期は鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、春秋は2-3日に1回、真夏は毎日朝か夕方に与えます。バークは乾きやすいので、表面が白っぽく乾いたら与える判断で構いません。10月からは徐々に減らし、冬の室内では週1回程度にして、バルブにシワが寄らない程度に保ちます。開花中も乾かしすぎると花が早くしおれるため、週1回は確認します。失敗例として、夏に3日水切れさせてバルブがシワシワにへこむことがありますが、朝夕の水やりを再開して1-2週間続ければ新しいバルブから膨らみが戻ります。逆に冬に成長期と同じ頻度で与えると根腐れするため、季節でリズムを変えることが大切です。夏は葉水も兼ねて株全体にかけると気化熱で涼しく保てます。
普通の土は根が窒息するため使えません。市販のシンビジウム用土か、ラン用のバークをそのまま使うのが確実です。自分で配合するなら中粒バーク7、軽石2、ヤシ殻チップ1にし、鉢底にはゴロ土か大粒の軽石を3cm敷いて排水を確保します。鉢は根がよく張るため深めのプラスチック鉢か素焼き鉢を使い、株に対して一回り大きい程度にとどめます。大きすぎる鉢は乾きが悪く根腐れの原因になります。植え替えは花後の4月に、2-3年に1回、古いバークをすべて新しいものに替えます。
花が終わったら花茎を株元から切り取ります。放置すると株の体力を消耗して翌年の花付きが悪くなるため、花が3分の1しおれた時点で切り花にするのも良い方法です。秋の芽かきも大切な手入れで、9-10月に株元から出る新芽のうち葉芽が3本以上あれば2-3本に絞り、余分な葉芽を根元からかき取って花芽に力を集中させます。花芽はふっくら丸く先が鈍い形、葉芽は平たく先が早く開く形で見分けます。失敗例として、花芽を葉芽と間違えてかき取り、その年の花を失うことがありますが、翌年は芽が5cmほど伸びて形がはっきりしてから判断すれば防げます。枯れた葉や古くなったバックバルブの葉は付け根から取り除き、株元の風通しを保ちます。
時期と道具を用意する
花茎切りは花後の3-4月、芽かきは9-10月、枯れ葉の整理は随時行います。清潔なハサミと手袋を用意し、ハサミは株ごとに消毒します。
咲き終わった花茎を株元から切る
花が終わったら花茎を株元近くで切り取ります。花が3分の1しおれた時点で切り花にすると、株の体力を温存でき翌年の花付きが良くなります。
秋に葉芽を2-3本に絞る
9-10月に株元から出る新芽を確認し、平たい葉芽が3本以上あれば2-3本残して根元からかき取ります。ふっくら丸い花芽は残します。
枯れた葉とバックバルブを整理する
黄変した葉や枯れた葉は付け根から取り除きます。葉のない古いバックバルブは株分けの際に外し、株元の風通しを保ちます。
作業後は日なたで通常管理に戻す
作業後は日なたに置き、成長期なら水と肥料を通常通り続けます。秋の芽かき後は肥料を止め、夜の涼しさに当てて花芽の伸びを待ちます。
植え替えは花後の4月に、2-3年に1回行います。根が鉢いっぱいに回り水が染み込みにくくなったら合図です。株を鉢から抜き、古いバークを竹串で崩してすべて落とし、黒く腐った根や空洞になった根をハサミで切ります。健全な白い根は長さ15cmほどに切り詰めても構いません。新しい鉢は一回り大きい程度にし、鉢底に軽石を3cm敷いて新しいバークで植え、バルブの付け根が表面に出る高さにします。株分けをする場合はバルブを3-4個ずつのまとまりで分けます。失敗例として、大きすぎる鉢に植えて夏に根腐れさせることがありますが、秋に一回り小さい鉢に植え直せば翌年から回復します。植え替え後は1週間水を控えて半日陰に置き、その後は日なたで通常の管理に戻します。
時期と道具を用意する
適期は花後の4月で、2-3年に1回です。一回り大きい鉢、シンビジウム用土かバーク、大粒の軽石、清潔なハサミ、竹串、手袋を用意します。
鉢から抜いて古いバークを落とす
鉢の縁を叩いて株を抜き、竹串で古いバークをすべて崩して落とします。根がプラスチック鉢に張り付いていれば鉢を切って外します。
腐った根を切り整理する
黒く腐った根や空洞の根をハサミで切り取ります。健全な白い根は15cmほどに切り詰めても構いません。株分けするならバルブ3-4個ずつに分けます。
軽石を敷いて新しいバークで植える
鉢底に軽石を3cm敷き、株を中央に置いてバークを隙間に詰めます。バルブの付け根が表面に出る高さにし、割り箸で軽く突いて固定します。
1週間水を控えて養生する
植え替え後は1週間水を控え、半日陰に置きます。その後はたっぷり水を与えて日なたに移し、肥料は1か月後から再開します。
株分けで増やします。適期は花後の4月で、植え替えと同時に行います。鉢から抜いて古いバークを落とし、バルブを3-4個ずつのまとまりで手やハサミで分けます。1つのまとまりに新芽か若いバルブが含まれるようにし、葉のない古いバックバルブだけの株は花が咲くまで2-3年かかります。分けた株はそれぞれ一回り小さめの鉢に新しいバークで植え、1週間は水を控えて半日陰で養生します。バックバルブだけを湿らせた水苔に伏せておくと数か月で新芽が出ることもあり、これも増やす方法の1つです。失敗例として、バルブを1-2個ずつに細かく分けて株が弱り数年咲かないことがありますが、3-4個以上のまとまりで分け直せば翌年から回復します。株分け後は肥料を1か月控え、新根が動いてから再開します。
時期と道具を用意する
株分けの適期は花後の4月で、植え替えと同時に行います。分ける数だけの鉢、シンビジウム用土かバーク、軽石、清潔なハサミ、手袋を用意します。
古いバークを落として株を確認する
鉢から抜いて古いバークをすべて落とし、バルブのつながりを確認します。新芽や若いバルブがどこに付いているかを見て分ける位置を決めます。
バルブ3-4個ずつに分ける
バルブを3-4個以上のまとまりで、手か清潔なハサミで分けます。各まとまりに新芽か若いバルブが含まれるようにし、細かく分けすぎません。
腐った根を切って新しいバークで植える
黒く腐った根を切り、一回り小さめの鉢に軽石を3cm敷いて新しいバークで植えます。バルブの付け根が表面に出る高さにします。
半日陰で養生し肥料は1か月控える
植え付け後は1週間水を控えて半日陰に置きます。その後は日なたに移して水を通常通り与え、新根が動く1か月後から肥料を再開します。
ナメクジ、カイガラムシ、ハダニが主な害虫です。ナメクジは秋に伸びる花芽をかじり、被害を受けた花芽は再生しないため、10-11月は夜間の見回りと誘引剤で守ります。カイガラムシは葉裏や葉の付け根に白や茶色の粒状に付き、歯ブラシでこすり落として殺虫剤を1週間おきに2回散布します。ハダニは夏の乾燥時に葉裏へ出るので、葉水と葉裏へのシャワーで予防します。病気はウイルス病と軟腐病で、葉にモザイク状の斑が出るウイルス病は治療できないため株ごと処分し、ハサミを消毒します。失敗例として、夏の高温多湿でバルブが黒く柔らかくなる軟腐病が出ることがありますが、腐った部分を切り取って風通しの良い場所へ移し、水を控えれば健全なバルブは残ります。
花後の4月に植え替えと株分けをし、最低気温10°C以上になったら屋外の日なたへ出します。水は2-3日に1回たっぷり与え、5月から月1回の置き肥と2週に1回の液肥を始めます。新芽に付くアブラムシと、急に日光に当てた葉焼けに注意します。
バルブを太らせる体力づくりの本番です。水は毎日朝か夕方にたっぷり与え、肥料は月1回の置き肥と2週に1回の液肥を続けます。遮光30-50%で葉焼けを防ぎ、風通しの良い場所に置きます。乾燥によるハダニと高温多湿の軟腐病に注意します。
9月で肥料を止め、水は2-3日に1回に減らします。屋外で夜の涼しさに当てると花芽ができます。9-10月に葉芽を2-3本に絞る芽かきをし、花芽の立ち上がりを待ちます。花芽をかじるナメクジの夜間見回りが欠かせません。霜の前に室内へ取り込みます。
花芽が見えたら5-15°Cの暖房のない明るい室内へ移します。水は週1回程度でバルブにシワが寄らない程度に保ち、肥料は与えません。20°C以上の部屋を避けると2-3か月咲き続けます。暖房の乾燥と水切れによる花のしおれに注意します。
原因
ナメクジの食害か、急な凍結です。花芽はナメクジのご馳走です。
対策
秋の夜間パトロールと誘引剤で花芽を守ります。霜の降りる前に軒下や室内へ移動します。かじられた花芽は再生しないため、予防がすべてです。
原因
水不足による消耗、または根詰まりや根腐れで水を吸えていない状態です。
対策
成長期なら水やりを増やします。鉢がパンパンで水が染み込まない場合は根詰まりなので、春に植え替えます。古いバックバルブのシワは自然な世代交代の範囲です。
原因
一年中室内で管理して日光と水が不足し、バルブが太っていないためです。
対策
4月から屋外の日なたに出し、夏は毎日の水と月1回の肥料でバルブを太らせます。9月に肥料を止めて秋の涼しさに当てると、その冬から花芽が上がります。
原因
急に強い日光に当てた葉焼け、または夏の遮光不足です。
対策
焼けた部分は戻りませんが、株は生きています。遮光30-50%の寒冷紗をかけるか午後は日陰になる場所へ移します。春に屋外へ出すときは1週間ほど半日陰で慣らします。
原因
ウイルス病、または高温多湿による斑点性の病気です。ウイルス病は治療できません。
対策
モザイク状の斑なら株ごと処分し、使ったハサミを消毒して他の株への感染を防ぎます。黒い斑点だけなら病葉を取り除き、風通しの良い場所で殺菌剤を2回散布します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
シンビジウムの花言葉は「飾らない心」「素朴」「高貴な美人」です。豪華な洋ランでありながら、日本のシュンランに近い落ち着いた花色と姿を持つことから飾らない心と呼ばれ、贈答用の鉢花として長く親しまれてきました。ピンクは「上品な女性」、白は「深窓の麗人」とされ、開店祝いや新築祝いに選ばれます。
シンビジウムは「福を呼ぶ花」とされ、玄関やリビングの東側に置くと家族の運気を安定させるといわれます。中国で蘭は古くから君子の花とされ、シンビジウムの仲間である東洋ランが徳の高い人の象徴だったことに由来します。花茎がまっすぐ上に伸びる姿から出世運を高める花とされます。
一にも二にも春から秋の屋外での日光浴です。シンビジウムの花芽は夏に太らせたバルブの貯金から生まれます。花後の4月に花茎を切り必要なら植え替え、4月から屋外の日なたへ出し、夏は毎日の水と月1回の置き肥でバルブを太らせ、9月で肥料を止めて秋の涼しさに当て、花芽が見えたら室内へ、が年間の流れです。失敗の9割は一年中室内で可愛がりすぎることで、外で鍛えるほど冬に咲きます。
秋に株元から出る芽の形で見分けます。花芽はふっくら丸く、先端が鈍く、上に向かってまっすぐ伸びます。葉芽は平たく、早くから先が開いて葉の形が見えてきます。触ると花芽は中身が詰まった硬さがあるのも手がかりです。芽が5cmほど伸びると形がはっきりするので、それから判断すれば間違えません。葉芽ばかりの年は夏の体力不足のサインなので、来季は屋外での日光と水、肥料を強化してください。葉芽は2-3本に絞る芽かきをすると花芽に力が集まります。
花後の4月に、2-3年に1回行います。根が鉢いっぱいに回って水が染み込みにくくなったら合図です。株を抜いて古いバークをすべて落とし、黒く腐った根を切り、一回り大きい程度の鉢に新しいシンビジウム用土かバークで植えます。鉢底には軽石を3cm敷き、バルブの付け根が表面に出る高さにします。普通の土は根が窒息するので使えません。植え替え後は1週間水を控えて半日陰に置き、その後は日なたで通常の管理に戻します。
5-15°Cの涼しい場所に置くことです。暖房の効いた20°C以上の部屋では花が2-3週間で終わりますが、暖房のない明るい玄関や廊下なら2-3か月咲き続けます。水は週1回程度でバルブにシワが寄らない程度に保ち、乾かしすぎると花が早くしおれます。直射日光と暖房の風は花を傷めるので避けます。花が3分の1しおれた時点で花茎を切って切り花にすると、株の体力を温存できて翌年の花付きが良くなります。
シンビジウムの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
10月の作業と、シンビジウムの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。