苗・株の選び方
贈答でいただいた鉢がそのまま最高のスタート株です。購入するなら、バルブが太く数の多い株・つぼみが上がり始めた株を。アーチ型に垂れるカスケードタイプ、テーブルサイズの小型種など、置き場所に合わせた系統選びも楽しめます。
Hapot編集部より
シンビジウムは、冬の贈答鉢花の重鎮にして、「洋ランの中で最も体育会系」な頑丈さを持つ入門ランです。胡蝶蘭が温室育ちの箱入りなら、シンビジウムは春から秋を屋外で日焼けしながら過ごすほど光と体力の花:東洋のシュンランの血を引くため耐寒性も高く(5°C近くまで平気)、家庭環境への適応力は洋ラン随一です。冬に贈られた豪華な鉢を「また咲かせる」ことが最初の挑戦:鍵は「春〜秋の屋外での日光浴」と「夏の水と肥料」で、翌冬の花芽はこの体力づくりの通知表です。数年株を育て、秋に花茎がすっと立ち上がった時の達成感は、ラン栽培の入口として最高の成功体験になります。
水やり
成長期はたっぷり(ラン界きっての水好き)。冬は控えめ
日光
直射日光
適温
5-30°C(洋ランでは最強クラスの耐寒性)
湿度
50-70%
土
ラン用バークまたはシンビジウム用土(普通の土はNG)
肥料
4〜9月に置き肥+液肥(洋ランでは多肥タイプ)
成長速度
春〜秋にバルブを育て、冬に開花する年周期
毒性
ラン科は無毒とされ、ペットのいる家庭でも比較的安心
贈答でいただいた鉢がそのまま最高のスタート株です。購入するなら、バルブが太く数の多い株・つぼみが上がり始めた株を。アーチ型に垂れるカスケードタイプ、テーブルサイズの小型種など、置き場所に合わせた系統選びも楽しめます。
【春〜秋(4〜10月)】屋外の日なたが定位置です。真夏だけ30〜50%の遮光(または半日陰へ)にし、それ以外はしっかり日光浴:この期間の光量が翌冬の花数を決めます。【冬(11月〜)】花芽が見えたら室内の明るい窓辺へ。開花中は暖房の効きすぎない涼しい部屋(10〜15°C)ほど花が長持ちします(2〜3か月咲き続けることも)。霜と凍結だけ避ければ、寒さはむしろ味方です。
洋ランの常識を裏切る水好きです。成長期(春〜秋)は毎日〜2日に1回たっぷり、真夏は朝夕:バルブ(株元の球状の茎)を太らせるこの時期の水が、翌冬の花の燃料になります。冬は週1回程度に減らし、乾かし気味で花芽を守ります。年間を通し、鉢内の停滞水はNG:バーク植えの排水性が前提の水やりです。
普通の培養土は厳禁です(根が窒息します)。ラン用バーク・軽石主体のシンビジウム専用土を使い、通気性の良い深めのラン鉢へ。株がきつくなるほど花付きが良い傾向があるため、鉢は「やや窮屈」を保つのがコツです。
花が終わったら花茎を根元から切り取ります(放置は株の消耗)。春の植え替え時に、枯れた古いバルブ(葉のないシワシワのもの)を整理。葉先の枯れは美観に応じてハサミで整えます。新芽が多すぎる場合は、秋に小さい芽をかき取って2〜3芽に絞ると、花芽に力が集まります(芽かき)。
2〜3年に1回、花後の4〜5月に。鉢から抜いて古いバークを落とし、枯れバルブを外して一回り大きな鉢か、株分けして同サイズへ。植え替え後は明るい日陰で2週間養生し、通常の屋外コースへ復帰させます。根詰まりで水が染みなくなったら待ったなしのサインです。
株分けで増やせます。植え替え時に、バルブ2〜3個ずつをナイフで切り分けて植え付けるだけ。バックバルブ(葉の落ちた古バルブ)も、湿らせた水苔に据えておくと新芽が出ることがある「バックバルブ吹かし」で再生可能:贈答鉢一つから数年でベランダのラン園が作れます。
丈夫ですが、屋外栽培ゆえの相手がいます:ナメクジ(新芽と花芽の大敵!特に秋の花芽期は夜間パトロールか誘引剤で死守)、アブラムシ(花茎に付く)、ハダニ・カイガラムシ(葉裏チェック)。病気ではウイルス病(葉に濃淡のモザイク:治療不可のため器具の消毒を習慣に)と、多湿時の軟腐病に注意します。
花後の植え替え・株分けの季節。屋外デビューして日光浴開始。
体力づくりの本番。水と肥料をたっぷり、遮光30-50%。
肥料を止め、芽かきで絞る。花芽の立ち上がりを待つ。ナメクジ警戒。
花芽が見えたら室内へ。涼しい部屋で2〜3か月の長い花を楽しむ。
原因
ナメクジの食害(花芽はご馳走)、または急な凍結。
対策
秋の夜間パトロールと誘引剤で花芽を死守します。霜の降りる前に軒下・室内へ移動を。かじられた花芽は残念ながら再生しないため、予防が全てです。
原因
水不足による消耗、または根詰まり・根腐れで水を吸えていない。
対策
成長期なら水やりを増やします。鉢がパンパン・水が染み込まない場合は根詰まりなので、春に植え替えを。古いバックバルブのシワは自然な世代交代の範囲です。
シンビジウムの花言葉は「飾らない心」「素朴」。豪華な花姿ながら、他の洋ランより気取らず丈夫な性質そのものです。
冬に長く咲く花は「持続する繁栄」の象徴とされ、年末年始の贈答鉢の定番。玄関やリビングの陽の気を春まで保つといわれます。
一にも二にも「春〜秋の屋外日光浴」です。シンビジウムの花芽は、夏に太らせたバルブの貯金から生まれます。年間ルーチン:①花後(春)に花茎を切り、必要なら植え替え→②4月から屋外の日なたへ(真夏のみ遮光)→③夏は毎日の水と月1回の置き肥+液肥でバルブを太らせる→④9月で肥料を止め、秋の涼しさに当てる(花芽形成のスイッチ)→⑤花芽が見えたら室内へ。失敗の9割は「一年中室内の可愛がりすぎ」:外で鍛えるほど冬に咲く、体育会系のランです。
秋に株元から出る芽の「形」で見分けます:花芽はふっくら丸く、先端が銃弾のように鈍く、上に向かってまっすぐ伸びます。葉芽は平たく、早くから先が開いて葉の形が見えてきます。触ると花芽は中身が詰まった硬さがあるのも手がかり。葉芽ばかりの年は夏の体力不足(日照・肥料・水のどれか)のサインなので、来季の屋外管理を強化します。なお新芽が多すぎると力が分散するため、葉芽を2〜3本に絞る「芽かき」も花芽への近道です。