HapotHapot植物のことなら、ハポット。
花卉初心者向け

クロッカスの育て方

Crocus vernus ほか最終更新日:
編集部

Hapot編集部より

クロッカスは、まだ肌寒い2〜3月、他のどの花より早く地面からじかに咲き出す「春一番の使者」です。雪の間から顔を出す健気な姿はヨーロッパで春の象徴とされ、日本でも早春の花壇・芝生・鉢を最初に彩ります。草丈10cmの小ささながら、紫・白・黄・絞りの花色が群れて咲けば存在感は十分。栽培はムスカリと並ぶ「植えっぱなし優等生」で、10〜11月に植えたら春を待つだけ、数年で分球して群生します。芝生の中に球根を散らして植える「芝生のクロッカス」は欧州庭園の粋な伝統:花後の葉が芝刈りの頃には枯れているため、共存できるのです。秋咲きの仲間サフラン(料理用の雌しべ)も同属で、こちらは秋植え秋咲きの一風変わった楽しみです。

分類・基本データ

アヤメ科
サフラン属 Crocus
クロッカス
別名
ハナサフラン、春サフラン、クローカス
原産地
地中海沿岸〜小アジア原産。サフラン(秋咲き)と同属の早春球根です。
大きさ
草丈5〜10cm。花壇最前列・芝生・小鉢・グラス植えで。

育て方サマリ

水やり

植え付け後〜春は乾いたら。夏は休眠

日光

直射日光

適温

-15〜20°C(耐寒性抜群。開花には冬の寒さが必要)

湿度

40-60%

水はけの良い土

ケアのポイント

肥料

植え付け時の元肥+花後のお礼肥(少量)

成長速度

植えっぱなしで年々増える

毒性

観賞用クロッカスの球根は誤食注意(食用サフランと混同しない)

「秋に植えて、春一番を待つ」だけ。花が地面すれすれで咲くので、見下ろせる場所・目線の近い鉢が特等席です。

育て方の詳細

苗・株の選び方

大輪のバーナス系(紫・白・絞り)が定番で、黄花はやや早咲きです。球根はふっくら硬いものを、群植前提で多めに。芝生植え・ナチュラル植えなら混色ミックスが自然な景色を作ります。

置き場所・日当たり

日当たりの良い場所で育てます(開花期の早春にしっかり日が当たることが大切:落葉樹の下も、葉が茂る前なので好適地です)。花壇の最前列・芝生の中・鉢・ロックガーデンなど、背の低さ(10cm)が活きる場所へ。花は日光に反応して開閉するため、日なたほど開いた姿を長く楽しめます。耐寒性は最強クラス、全国で植えっぱなしOKです。

水やりの詳細

植え付け後から春まで、土の表面が乾いたらたっぷり(冬の乾燥に注意する球根共通ルール)。花後〜初夏に葉が枯れたら休眠入りで、夏は放置。鉢は雨の当たらない場所で夏を越させると球根が傷みません。

最適な土の作り方

水はけの良い土に、深さ5cm・間隔5cm前後で植え付けます。10月〜11月が適期。小球根なので群植が正義:ばらまいて落ちた所に植える「ナチュラル植え」にすると、自然に生えたような景色になります。芝生に植える場合は、ノミや球根プランターで穴を開けて埋め込むだけです。

剪定・切り戻し

花がら摘みと、初夏の枯れ葉整理のみ。細い葉は目立たないので、自然に枯れるまで放置で問題ありません(芝生植えなら芝刈り再開の頃には消えています)。

植え替え

庭植えは3〜5年植えっぱなしでOK。花が減ってきたら6月に掘り上げて分球・植え直します。鉢は2〜3年に1回、同じサイクルで。掘り上げ球根はネット袋の日陰保存で秋を待ちます。

増やし方

分球で自然に増えます。数年で子球が育って群生になり、「去年より花が増えた」が毎春の楽しみに。積極的に増やすなら6月の掘り上げで子球を外し、秋にまとめ植えを。

病害虫対策

病害虫はほぼ無縁です。唯一の敵は野生動物:球根はネズミ・リスの好物で、掘り返される地域では金網やネットで防御します。水はけの悪い場所での球根腐敗にだけ注意すれば、あとは放任で毎年咲きます。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
種蒔き
開花
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 2開花スタート・春一番の便り
  • 3開花続く・花がら摘み・お礼肥
  • 6葉が枯れたら(必要なら)掘り上げ
  • 10植え付け適期・芝生への埋め込み
  • 11植え付け完了・ネズミ対策の確認

季節ごとの管理

春の管理

2〜3月、春一番の開花。日光で開閉する花を観察する楽しみ。

夏の管理

休眠期。庭は放置、鉢は雨を避けて夏越し。

秋の管理

10〜11月に植え付け。芝生への埋め込みもこの時期。

冬の管理

屋外で寒さに当てる(開花の条件)。雪の下でも準備は進行中。

よくあるトラブルと対策

葉は毎年出るのに花が咲かなくなった

原因

球根の栄養不足:過密化・葉の早切り・日照不足のいずれか。

対策

6月に掘り上げて分球し、日当たりの良い場所へ植え直します。葉は自然に枯れるまで残し、花後のお礼肥も忘れずに。1〜2年で開花サイズに戻ります。

植えた球根が春までに消えていた

原因

ネズミ類の食害か、水はけ不良による腐敗。

対策

食害地域は金網ガードかプランターへ。水たまりのできる場所は高植え・土壌改良で排水を確保します。

クロッカスの花言葉・風水

花言葉

クロッカスの花言葉は「青春の喜び」「切望」。長い冬の終わりを真っ先に告げる花にふさわしい言葉です。

風水・縁起

雪を破って咲く花は「停滞を破る運気」の象徴とされ、早春の玄関先のクロッカスは一年の運気の口火を切るといわれます。

クロッカスのよくある質問

Q花が開いたり閉じたりします。仕様ですか?回答を見る
A

仕様です——それもクロッカス観賞の醍醐味です。クロッカスの花は温度と光に反応して開閉します:日が当たって暖かいと開き、曇り・雨・夜には閉じる「太陽のセンサー」。この性質のおかげで花粉が雨から守られ、花も長持ちします(一輪で1〜2週間)。よく開いた姿を楽しみたいなら、午前から日の当たる場所に植えるのが正解。閉じたつぼみ状の姿も、開いた星形も、両方楽しめる二度おいしい花です。

Qサフランライスのサフランはクロッカスから採れるのですか?回答を見る
A

同属の別種「サフラン(Crocus sativus)」から採れます。秋(10〜11月)に咲く紫の花の、赤い雌しべ3本を摘んで乾燥させたものが香辛料のサフラン:1gに150本前後の花が必要という宝石級の手間が、世界一高価なスパイスの理由です。家庭でも球根から簡単に育てられ(春咲きクロッカスと同じ植えっぱなし管理・ただし植え付けは8〜9月)、自家製サフランでパエリアを作る楽しみは球根栽培の隠れた名コースです。※観賞用の春咲きクロッカスの雌しべは使えないので、必ず「サフラン」の球根を選んでください。