苗・株の選び方
良い苗は、葉が密で葉色が濃いこと、株元から枝が複数出て姿が整っていること、鉢底から白い根が見えることの3点で選びます。
避けたいのは、葉表が白くかすれてグンバイの被害が出ている株と、葉が黄ばんで下枝が枯れ込んでいる株です。用途で品種群を選び、大輪で生け垣の定番はヒラドツツジ、小輪多花で刈り込み映えするのはクルメツツジ、遅咲きで葉の細かいサツキは低い縁取りや盆栽に向きます。花色は開花株を見て選ぶのが確実です。
Hapot編集部より
ツツジは、花後2週間以内の刈り込みと酸性の土という2つの決まりを守れば、初めてでも毎年満開にできる、日本の気候に最もよく合った花木のひとつです。庭植えはもちろん、6号以上の鉢でも咲き、生け垣、玉仕立て、盆栽と仕立て方も自在です。刈り込みに強く、大気汚染や痩せ地、西日にも耐えるため、道路沿いや駐車場脇のような厳しい場所でも務まります。庭では1株でも見事に咲き、開花が1か月遅いサツキと組み合わせると4〜6月まで花が続きます。手入れはほぼ花後すぐの刈り込みだけで、夏に翌年の花芽ができるためこの時期を守ることが毎年咲かせる条件です。注意点は、石灰を与えるとアルカリ性に傾いて葉が黄ばむこと、根が浅いため夏の乾燥に弱いこと、葉裏に付くツツジグンバイの3つです。耐寒性は-10°C程度、耐暑性も強く、全国で庭植えできます。花蜜や葉に毒性成分を含む種類があるため、蜜を吸う遊びは避けてください。

水やり
庭植えは根付けば夏の日照りのみ。鉢は表面が乾いたら
日光
直射日光
温度の目安
-10〜35°C(耐寒・耐暑とも強い)
湿度
40-60%
土
酸性土壌(鹿沼土・ピートモス。石灰は厳禁)
大きさの目安
品種により0.5〜3m。生け垣・玉仕立て・庭木・鉢と自在。
成長の速さ
中(刈り込みで自在に制御)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-10〜35°C(耐寒・耐暑とも強い)
肥料
花後と秋に緩効性肥料を少量
成長速度
中(刈り込みで自在に制御)
毒性
花蜜・葉に毒性成分(グラヤノトキシン)を含む種類があり、蜜を吸う遊びは非推奨
「花後2週間以内の刈り込み」だけ守れば毎年咲きます。浅根性なので夏の乾燥と、深植えにだけ注意を。
良い苗は、葉が密で葉色が濃いこと、株元から枝が複数出て姿が整っていること、鉢底から白い根が見えることの3点で選びます。
避けたいのは、葉表が白くかすれてグンバイの被害が出ている株と、葉が黄ばんで下枝が枯れ込んでいる株です。用途で品種群を選び、大輪で生け垣の定番はヒラドツツジ、小輪多花で刈り込み映えするのはクルメツツジ、遅咲きで葉の細かいサツキは低い縁取りや盆栽に向きます。花色は開花株を見て選ぶのが確実です。
日当たりの良い場所ほどよく咲きます。半日陰でも育ちますが、日照が1日3時間を切ると花数が目に見えて減ります。生育適温は15-25°Cで、耐寒性は-10°C程度、耐暑性も強く、大気汚染や西日、痩せ地にも耐えます。根が浅く横に張る性質のため、株元を踏み固められる場所は苦手で、株元には腐葉土やバークでマルチングをします。生け垣なら株間30〜50cmで列植し、鉢植えは6号以上で屋外に置きます。成長は年10〜20cmと穏やかで、庭植えは品種により0.5〜3m、鉢植えは刈り込みで50cm前後に保てます。失敗例として、冬に室内へ入れて暖房の乾燥で蕾が落ちることがあります。ツツジは屋外で寒さに当てる方が花芽が充実するため、軒下の屋外に戻して土を乾かさないようにすれば、翌年は正常に咲きます。
根が浅いため、見た目より乾燥に弱い性質です。庭植えでも植え付け後2年間と、花芽のできる7〜8月に1週間以上雨がないときは、株元に10Lほどたっぷり与えます。夏の乾燥は葉の傷みだけでなく翌年の花数にも響きます。鉢植えは土の表面が乾いたら鉢底から流れるまで与え、春と秋は2〜3日に1回、夏は毎日朝に、冬は週1回程度が目安です。細かい根が密に張って水をはじきやすいので、鉢植えは水が染み込んでいるか鉢の重さで確認します。株元の敷きワラや腐葉土のマルチングが乾燥対策の定番です。失敗例として、8月の猛暑に鉢植えを3日水切れさせ、葉が茶色く縮れて翌春の花が半減することがあります。すぐに鉢ごと水に10分浸けて吸水させ、半日陰で養生すれば株は持ち直し、翌々年から花数が戻ります。
酸性土壌がツツジ科共通の絶対条件です。庭植えは花後の5〜6月か9〜10月に、直径と深さ40cmの穴を掘り、掘り上げた土に鹿沼土と酸度未調整のピートモスを各10L混ぜ込み、浅根性に合わせて根鉢の上面が地面と同じ高さになるよう浅く植えます。深植えは衰弱の元です。石灰や草木灰は厳禁で、アルカリ性に傾くと鉄が吸えず葉が黄化します。鉢植えは鹿沼土7、ピートモス3の配合か、市販のツツジ・サツキ専用土を使い、鉢底石を2cm敷きます。
花後すぐ、遅くとも2週間以内の刈り込みが唯一にして最大の作業です。ツツジの花芽は6〜7月に作られるため、それ以降に刈ると翌年の花を切ることになります。刈り込みバサミで表面を整える刈り方で十分で、刈り込みに強く、多少深めに刈っても吹き直します。サツキは開花が遅い分、刈り込みの期限も6月末〜7月上旬までです。生け垣は年1回この時期に刈るだけで形と花が両立し、自然樹形にしたい場合は混み枝を付け根から抜く程度にとどめます。7月以降から冬にかけては切ってはいけない時期で、枯れ枝を取る程度にします。失敗例として、秋に形を整えようと刈って翌春まったく咲かないことがあります。株が枯れたわけではないので、その年は何もせず花後の5月に刈り込むリズムへ切り替えれば、翌々年から毎年咲きます。
花後剪定の時期と道具を準備する
適期は花後すぐから2週間以内で、ツツジは5月中〜6月上旬、サツキは7月上旬までです。刈り込みバサミ、剪定ばさみ、手袋、シートを用意します。
残った花がらを摘み取る
残った花がらを手で摘み取ります。花がらを付けたままにすると種が付いて株が消耗し、灰色かび病の原因にもなります。
表面を刈り込んで形を整える
刈り込みバサミで表面を整え、生け垣や玉仕立ては前年の刈り面より1〜2cm外側で刈ります。深めに刈っても吹き直すので、思い切って揃えます。
内側の枯れ枝と混み枝を抜く
刈り面から内側を見て、枯れ枝や交差する枝を付け根から切り取ります。風通しが良くなり、グンバイやもち病の予防になります。
お礼肥を与えて夏の水やりに備える
刈り込み後は株元に緩効性肥料を少量置き、たっぷり水を与えます。7月以降は花芽ができるため、冬まで刈り込みは行いません。
植え付けの適期は花後の5〜6月か9〜10月で、ポット苗を庭なら直径40cmの植え穴、鉢なら6号以上に浅めに植えて、たっぷり水を与えます。1〜2年生の苗なら翌春から花が咲きます。鉢植えは2年に1回、花後に一回り大きな鉢へ移します。細かい根が密に張るため、根鉢の外周と底を1cmほど軽くほぐし、酸性用土で植え替えます。根鉢の上面を土に埋めない浅植えを守り、植え替え後は2週間ほど半日陰に置きます。庭植えの移植は浅根性のため比較的容易で、花後か秋に根鉢を幹の直径の10倍ほどの大きさに取って行います。失敗例として、深植えにして株元が蒸れ、下の葉から黄ばんで枝が枯れ込むことがあります。株元の土を取り除いて根鉢の上面を露出させ、マルチングを薄くすれば、翌春の新芽から回復します。
植え付けの時期と道具を準備する
適期は花後の5〜6月か9〜10月です。鹿沼土とピートモス、6号以上の鉢か直径40cmの植え穴、鉢底石、腐葉土のマルチング材、スコップを用意します。
酸性の用土を準備する
鉢植えは鹿沼土7、ピートモス3を混ぜて鉢底石を2cm敷きます。庭植えは掘り上げた土に鹿沼土とピートモスを各10L混ぜます。石灰は絶対に入れません。
根鉢の外周を軽くほぐす
苗を鉢から抜き、密に張った根鉢の外周と底を1cmほど手でほぐします。黒く傷んだ根は切りますが、崩しすぎないようにします。
根鉢の上面を埋めない浅植えにする
根鉢の上面が土の表面と同じ高さになるよう置き、周りに用土を詰めます。深植えは衰弱の元なので、株元が土に埋まらないよう確認します。
水を与えてマルチングする
鉢底から流れるまで水を与え、株元に腐葉土を3cm敷いて乾燥を防ぎます。2週間は半日陰に置き、肥料は1か月後から少量与えてください。
挿し木が容易で成功率も高く、生け垣の補修やお気に入り品種の保険として毎年数本挿しておくと重宝します。適期は6〜7月で、花後に伸びた今年の枝が硬くなり始めた頃に、先端10cmを切って下葉を取り、切り口を1時間水に浸けてから鹿沼土か挿し木用土に3〜4cm挿します。明るい日陰に置いて土を乾かさないよう管理し、2か月ほどで発根します。発根後は3号ポットに移して翌春まで育て、5〜6月に定植します。挿し木苗は2〜3年で花が咲きます。種まきも可能ですが、親と同じ花にならず開花まで年数もかかるため、園芸品種は挿し木で増やします。失敗例として、まだ柔らかい新梢を挿してしおれ、腐ることがあります。挿し穂は指で曲げてしなる程度に硬くなった枝を選び直し、直射を避けてビニール袋で湿度を保てば、残りの穂で発根が見込めます。
挿し木の時期と道具を準備する
適期は6〜7月です。清潔なハサミ、鹿沼土か挿し木用土、3号ポットか平鉢、割り箸、湿度を保つビニール袋を用意します。
今年の枝を10cmで切って下葉を取る
花後に伸びて硬くなり始めた今年の枝の先端10cmを切り、下半分の葉を取ります。上の葉は4〜5枚残し、大きい葉は半分に切ります。
水揚げして用土に挿す
切り口を1時間水に浸けて水揚げし、湿らせた用土に割り箸で穴を開けて3〜4cm挿します。穂の周りを指で押さえて固定します。
明るい日陰で発根を待つ
直射の当たらない明るい日陰に置き、土を乾かさないよう管理します。ビニール袋を被せて湿度を保つと、2か月ほどで発根します。
発根後にポットへ移して育てる
新芽が伸びて軽く引いても抜けなければ発根しています。3号ポットに移して翌春まで育て、5〜6月に定植すれば2〜3年で花が咲きます。
最重要はツツジグンバイで、葉裏に付いて汁を吸い、葉表が白くかすれて葉裏に黒い点々が残ります。5〜10月に繰り返し発生するため、月2回葉裏を確認し、薬剤を葉裏に散布するか粒剤を株元にまきます。刈り込みで風通しを良くすると発生自体が減ります。ベニモンアオリンガは新芽や蕾に食入する小さな幼虫で、蕾がふくらまないときは蕾を割って確認し、被害部を摘み取ります。ハダニは乾燥する夏に増えるので葉水で予防します。病気では花後のもち病があり、葉や花が白く膨らんで餅のようになるので、見つけ次第もぎ取って処分すれば広がりません。失敗例として、グンバイを放置して秋に葉が真っ白になり、翌春の花が減ることがあります。傷んだ葉は落ちますが株は残るので、翌年5月から月2回の葉裏確認と早期散布を続ければ、2年目には葉色と花数が戻ります。
4〜5月が開花の本番です。水は鉢植えなら2〜3日に1回、庭植えは不要です。肥料は与えず、花後の刈り込みを終えてからお礼肥を置きます。日当たりの良い屋外に置き、花後2週間以内に刈り込みます。新芽を食害するベニモンアオリンガに注意してください。
花芽ができる大切な季節です。水は鉢植えなら毎日朝に、庭植えも1週間雨がなければたっぷり与えます。6月にお礼肥を少量置き、以後は控えます。日なたに置きますが、鉢は西日を避けます。ツツジグンバイが増えるので、月2回葉裏を確認してください。
9月に緩効性肥料を少量与え、水は鉢植えなら2〜3日に1回、庭植えは不要です。日当たりの良い場所を保ち、9〜10月は植え付けと移植の適期です。刈り込みは翌年の花芽を切るので行わず、グンバイの最終確認と落ち葉の掃除で越冬させないようにします。
常緑のまま越冬し、作業はほとんどありません。水は鉢植えなら週1回程度、庭植えは不要です。肥料は与えません。屋外の日当たりに置いたまま寒さに当て、室内には入れません。乾いた寒風で葉が傷むので、寒冷地は防風ネットで守ってください。
10月の作業をくわしく知りたいときは秋の植え替えの記事も参考になります。
原因
ツツジグンバイの吸汁被害です。5〜10月に繰り返し発生します。
対策
葉裏を狙って薬剤を散布するか、浸透移行性の粒剤を株元にまきます。刈り込みで風通しを確保すると発生自体が減り、月2回の葉裏確認で早期に抑えられます。
原因
もち病です。ツツジ科特有のカビの病気で、多湿と日照不足で出やすくなります。
対策
膨らんだ部分を見つけ次第もぎ取って処分すれば、それ以上広がりません。風通しと日当たりを改善し、落ち葉を掃除して越冬源を減らします。
原因
刈り込みの時期が遅く、6〜7月にできた花芽を切っています。日照不足も花数を減らします。
対策
刈り込みを花後2週間以内(5月中〜6月上旬、サツキは7月上旬まで)に移します。秋冬は刈らずに我慢し、周囲の枝を整理して1日3時間以上の日照を確保してください。
原因
土がアルカリ性に傾いて鉄が吸えない鉄欠乏です。石灰や草木灰をまいた庭で起こります。
対策
石灰の使用をやめ、株の周りにピートモスと鹿沼土をすき込んで酸性に戻します。回復には半年ほどかかりますが、新しい葉から緑が戻ります。
原因
浅根性ゆえの夏の水切れです。鉢植えや西日の強い場所で起こりやすくなります。
対策
鉢ごと水に10分浸けて吸水させ、半日陰で養生します。株元に腐葉土でマルチングし、夏は毎朝の水やりを習慣にすれば、翌年から花数も戻ります。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ツツジ全体の花言葉は「節度」「慎み」とされ、赤は「恋の喜び」、白は「初恋」とされます。街を彩るほど華やかに咲きながら、一つひとつの花は小さく控えめな佇まいであることに由来するといわれます。漢字の躑躅は、美しさに足を止める様子を表すとされます。
株全体を覆うように咲く花は「満ちる運気」の象徴とされ、家の周囲の生け垣ツツジは家を花で守る結界のように働くといわれます。赤やピンクの花は東から南側に植えると人間関係と健康の気を高めるとされ、花がらをこまめに摘むことが運気を保つ条件とされます。
刈る時期が原因のほぼ一択です。ツツジの花芽は6〜7月にでき、秋や冬に刈るとその花芽ごと落としてしまいます。毎年きちんと手入れしているのに咲かない典型的なパターンです。解決は簡単で、刈り込みを花後すぐから2週間以内、5月中〜6月上旬(サツキは7月上旬まで)に移すだけです。今年の秋冬は刈らずに我慢し、来年の花後から新しいリズムに乗せてください。日照不足や極端な肥料切れも補助的な要因なので、周囲の枝の整理と春秋の少量施肥も添えると万全です。
まず葉裏を見てください。黒い小さな虫や黒い点々があればツツジグンバイの吸汁被害で、葉裏を狙って薬剤を散布するか、浸透移行性の粒剤を株元にまきます。発生は5〜10月に繰り返すため、月2回の見回りと風通しの確保を続けます。葉裏に虫がおらず、葉脈だけ緑で葉全体が黄色い場合はアルカリ土壌による鉄欠乏で、石灰をまいた覚えがあればそれが原因です。ピートモスや鹿沼土をすき込んで酸性に戻せば、新しい葉から緑が戻ります。
どちらもツツジ属で、園芸上は開花時期と葉の性質で区別します。ツツジは4〜5月に咲き、新葉が出る前か同時に大きめの花を付け、葉は柔らかく大きめです。サツキは1か月遅い5〜6月に、新葉が出そろってから小さめの花を咲かせ、葉は細かく硬めで光沢があります。育て方はほぼ同じですが、刈り込みの期限が異なり、ツツジは6月上旬まで、サツキは7月上旬までです。両方を植えると4〜6月まで花が途切れません。
蕾が茶色く枯れて開かないときは、ベニモンアオリンガの幼虫が蕾に食入している可能性が高いです。枯れた蕾を割って小さな幼虫や糞があれば確定で、被害の蕾を摘み取って処分し、翌年は4月から新芽と蕾を観察して早めに対処します。虫がいない場合は冬から早春の乾燥が原因で、蕾は水分不足に敏感です。鉢植えは冬も週1回、庭植えも乾く年は水を与え、寒風の当たる場所は防風すれば翌年は開きます。
育てられます。6号以上の鉢に鹿沼土主体の酸性用土で浅植えにし、屋外の日当たりに置くのが基本です。根が浅く細かいため乾燥に弱く、春と秋は2〜3日に1回、夏は毎日朝に水を与え、冬も週1回は与えます。花後2週間以内に刈り込んで高さ30〜50cmに保てば、2年に1回の植え替えでコンパクトに咲き続けます。室内では光不足と乾燥で蕾が落ちるため、開花中だけ玄関などに飾り、花が終わったらすぐ屋外へ戻してください。
ツツジの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
10月の作業と、ツツジの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。