苗・株の選び方
苗選びでは「茎が太くがっしりして節間が詰まっている」「本葉8〜9枚で第1花房の蕾が見え始めている」「葉裏に虫や病斑がない」ものを選びます。第1花房付きの苗を植えると着果の連鎖が始まりやすく、つるボケ防止になります。プランターの古土を使う場合や同じ場所で続けて栽培する場合は、青枯れ病・萎凋病に耐性のある接ぎ木苗を強くおすすめします。購入は4月下旬〜5月上旬、遅霜の心配がなくなってからが適期です。徒長気味の見切り苗は深植え(寝かせ植え)で立て直す方法もあります。
Hapot編集部より
トマト(Solanum lycopersicum)は、南米アンデス原産のナス科野菜で、家庭菜園の人気ランキングで常に上位を占める「菜園の王様」です。大玉(200g前後)・中玉(40〜60g)・ミニと品種が多彩で、桃太郎に代表される大玉品種は完熟収穫できる家庭栽培ならではの味が魅力です。栽培適温は20〜30°C、日照は1日8時間以上が理想で、プランターなら25L以上の容器で育てられます。脇芽かき・誘引・追肥に加えて、雨よけや水分管理など大玉ほど丁寧な管理が求められるため難易度は中級ですが、その分、自分で育てた完熟トマトを丸かじりする喜びは格別です。尻腐れ病や疫病などの対策を押さえれば、1株から20〜30個の収穫も十分狙えます。
水やり
朝1回たっぷり(夏場は朝夕2回)。乾燥気味のほうが甘い実に
日光
直射日光
適温
20-30°C(最適25°C前後)
湿度
50-65%
土
野菜用培養土。連作障害に注意(ナス科は3年空ける)
肥料
第1花房の実が膨らみ始めたら2週間に1回追肥
成長速度
速い
毒性
未熟果・茎葉にトマチン(有毒アルカロイド)を含む
苗選びでは「茎が太くがっしりして節間が詰まっている」「本葉8〜9枚で第1花房の蕾が見え始めている」「葉裏に虫や病斑がない」ものを選びます。第1花房付きの苗を植えると着果の連鎖が始まりやすく、つるボケ防止になります。プランターの古土を使う場合や同じ場所で続けて栽培する場合は、青枯れ病・萎凋病に耐性のある接ぎ木苗を強くおすすめします。購入は4月下旬〜5月上旬、遅霜の心配がなくなってからが適期です。徒長気味の見切り苗は深植え(寝かせ植え)で立て直す方法もあります。
1日6時間以上の直射日光が必須です。日照が足りないと花が落ち、実が付いても甘くなりません。ベランダ栽培ならもっとも日当たりの良い場所にプランターを置き、畑なら連作を避けた日なたへ(ナス科を3〜4年育てていない場所。連作は青枯病などの土壌病害を招きます)。雨に当たると実が割れ、病気も増えるため、露地では雨よけ支柱+ビニールの「雨よけ栽培」が品質を大きく上げます。風通しの良さも病気予防に直結します。
「水を絞るほど甘くなる、でも絞りすぎは尻腐れ」というバランスの作物です。植え付け直後はたっぷり与えて活着させ、その後は土の表面が乾いてから朝に与えるのが基本。実が色づき始めたら水をやや控えめにすると糖度が上がります。ただし極端な乾燥と過湿の繰り返しは、実のお尻が黒く凹む「尻腐れ果」(カルシウム欠乏)と実割れの原因に。プランターは特に乾燥しやすいので、「控えめだが安定的に」を心がけてください。
大玉・中玉トマトは「わき芽かき」が最重要作業です。主枝と葉の付け根から出るわき芽を、小さいうちに手でかき取り、主枝1本仕立てにします(わき芽を放置すると栄養が分散し、実が小さく病気も増えます)。わき芽かきは晴れた日の午前中に行うと切り口が乾きやすく病気予防に。支柱の高さまで主枝が伸びたら先端を摘む「摘心」をして、栄養を実に集中させます。下段の収穫が終わった古い葉も順次取り除き、風通しを保ちましょう。
家庭菜園では苗の植え付けがスタートです。適期は遅霜の心配がなくなる4月下旬〜5月中旬。最初の花(第一花房)が咲き始めた苗を選び、花を通路側に向けて植えると、以降の花房も同じ方向に付いて収穫が楽になります。プランターは深さ30cm以上・容量15L以上の大型を1株に1つ。植え付け時に支柱を立て、成長に合わせて麻ひもで8の字に誘引していきます。用土は野菜用培養土に元肥入りでOKです。
わき芽を利用した「挿し芽」で株を増やせます。かき取ったわき芽のうち10cm程度のものを水に挿すか湿った土に挿すと、1〜2週間で発根して立派な苗になります。6月頃に挿し芽で作った第二陣の苗を植えると、秋まで収穫をつなげる「リレー栽培」が可能。種から育てる場合は2〜3月に室内でポットまきし、加温して育苗します(初心者は市販の接ぎ木苗が病気に強くおすすめです)。
アブラムシ・ハモグリバエ・オオタバコガ(実に穴を開ける幼虫)が主な害虫です。アブラムシは新芽に群がりウイルス病を媒介するため早期駆除を。病気では、葉に褐色の輪紋が出る疫病・葉カビ病が梅雨時に多発します。予防の基本は①雨よけ、②下葉かきによる風通し確保、③窒素肥料のやりすぎ回避、④連作回避の4点。実が着き始めたら2週間に1回の追肥を続けると、株の体力が保たれ病気への抵抗力も維持できます。
4月下旬〜5月上旬に苗を植え付け。支柱を立て、第1花房が確認できたら植え付けOK。
収穫期。脇芽かき・追肥・水やりが日課。赤くなった実から順に収穫。
気温低下で生育が落ちます。10月頃に片付け。来年のために連作障害対策を。
栽培なし。来年の品種選びと土づくりの準備期間。
原因
カルシウム不足、水分の急変動
対策
苦土石灰を施し、水やりを均一にする
原因
疫病(多湿時に発生)
対策
雨よけ栽培にし、病葉を除去。予防的に薬剤散布
原因
急激な水分吸収
対策
水やりを一定量に保ち、マルチングで土の水分を安定
トマトの花言葉は「完成美」「感謝」です。「完成美」は、赤い実・緑の葉・黄色い花の取り合わせの美しさと、味・栄養ともに優れた完成度の高い果実であることに由来します。「感謝」は、ひと夏を通して次々と実を提供してくれる豊かな実りの姿から付けられたといわれ、収穫した実を家族や近所と分かち合う家庭菜園の情景によく似合う花言葉です。
風水において赤い実をつける植物は「火」と「太陽」の気を持ち、停滞した運気を活性化させる存在とされます。トマトはその代表格で、庭やベランダの南側で育てると家全体に活力をもたらすといわれます。また、土に触れて実りを育てる家庭菜園そのものが「大地の気」を取り込む開運行動とされ、家族で世話を分担すれば家庭運・健康運の向上にもつながると考えられています。収穫した赤い実を食卓に並べることも、運気を体に取り込む縁起の良い習慣とされます。
トマトが色づくには「積算温度」が必要で、開花から大玉で約50〜60日、平均気温の低い時期はさらに日数がかかります。植え付けが遅かった場合や秋口は、単純にまだ日数不足であることがほとんどです。また30°Cを超える猛暑では色素(リコピン)の生成が抑えられ、逆に色づきが止まることもあります。葉が茂りすぎて実に日が当たらない場合は下葉を整理しましょう。秋に青いまま終わりそうな実は、収穫して室内の20〜25°Cの場所に置けば追熟して赤くなります。
主な原因は受粉不良と肥料バランスです。トマトは振動で自家受粉する植物ですが、風のないベランダや雨の日が続くと花粉が飛ばず落花します。開花した花房を指で軽くトントンと弾く、または晴れた日の午前中に支柱を揺らすだけで着果率が上がります。確実にしたい場合は着果促進剤(トマトトーン)を花房に1回だけ散布します。また窒素肥料が多すぎると茎葉ばかり茂る「つるボケ」になり実がつきません。葉が濃緑で巻き気味なら追肥をいったん中止しましょう。
初めての場所・新しい土で1〜2株だけ育てるなら自根苗でも十分ですが、プランターの土を再利用する場合や、過去にナス科(トマト・ナス・ピーマン・ジャガイモ)を育てた土・畑では接ぎ木苗が安心です。接ぎ木苗は病気に強い台木に穂木を接いだもので、青枯れ病・萎凋病などの土壌病害に強く、根張りも旺盛で収穫期間が長くなる傾向があります。価格は自根苗より200〜400円ほど高めです。植え付け時は接ぎ目(茎の途中のクリップ跡)を土に埋めないよう浅めに植えるのがポイントです。
大玉トマトは花房4〜5段、中玉は5〜6段を目安に、いちばん上の花房の上に葉を2枚残して主枝の先端を切ります。プランター栽培では根域が限られるため4段前後で摘心したほうが、1個1個の実が大きく充実します。摘心の時期はおおむね7月中下旬、支柱の高さを超えた頃です。摘心後も脇芽は次々出るので、引き続き取り続けてください。地植えで体力のある株なら6段以上残すこともできますが、上段ほど実は小さくなります。
大玉トマト栽培では雨よけの効果は絶大です。雨が葉や実に当たらないだけで疫病の発生が大幅に減り、土壌水分が安定するため裂果も減って糖度も上がります。畑ではホームセンターの雨よけセット(支柱+ビニール屋根、3,000〜5,000円程度)の設置がおすすめです。一方、屋根のあるベランダや軒下は構造自体が雨よけになっているため追加設備は不要です。雨よけをしない場合は、梅雨時の予防的な薬剤散布と、雨後に病葉をすぐ取り除く管理でカバーします。
トマトを含むナス科野菜は連作障害が出やすく、同じ土で続けて育てると青枯れ病や萎凋病、ネコブセンチュウの被害が増えます。畑では3〜4年ナス科を植えていない場所を選ぶのが原則です。プランターの場合は新しい培養土に替えるのが最も確実ですが、再利用するなら土壌再生材と堆肥を混ぜて黒いビニール袋で夏の太陽熱消毒(2〜4週間)を行い、さらに接ぎ木苗を使うと安全性が高まります。前作がマリーゴールドや葉物野菜なら問題ありません。