苗・株の選び方
苗は5月、本葉4〜6枚で節間が詰まり、葉色が濃く香りの強いものを選びます。茎が間延びした苗や葉裏に虫が付いている苗は避けましょう。1〜2株で家庭の薬味用途には十分です。種から育てる場合は、必ずその年に採れた新しい種を選ぶことが重要で、シソの種は寿命が短く古い種は極端に発芽率が落ちます。発芽適温は20°C以上なので、種まきは4月下旬〜5月が適期。香りの良さを重視するなら、葉の縮れがなく平らな在来系の青じそ品種がおすすめです。
Hapot編集部より
シソ(Perilla frutescens)は、ヒマラヤから中国南部を原産とするシソ科の一年草で、刺身のつまや薬味、天ぷらと、和食に欠かせない香味野菜です。青じその葉を野菜として流通させる際の呼び名が「大葉」で、植物としては同じものです。栽培難易度は家庭菜園の中でもトップクラスに低く、半日陰のベランダでも育ち、深さ15cm以上のプランターと水やりさえあれば、6月から10月まで1株で100枚以上を収穫できます。スーパーでは10枚単位で買う大葉が「使う分だけ摘める」ようになる費用対効果は抜群で、摘みたての葉は香りの強さがまるで違います。葉だけでなく芽じそ・穂じそ・実じそと成長段階ごとに食べられるのも魅力。こぼれ種で翌年も自然に芽が出るほど丈夫なので、初めての家庭菜園にも自信を持っておすすめできる植物です。
水やり
土が乾いたら(毎日〜1日おき)
日光
半日陰
適温
20-30°C
湿度
50-70%
土
野菜用土
肥料
2週間に1回液肥
成長速度
速い
毒性
なし(食用)
苗は5月、本葉4〜6枚で節間が詰まり、葉色が濃く香りの強いものを選びます。茎が間延びした苗や葉裏に虫が付いている苗は避けましょう。1〜2株で家庭の薬味用途には十分です。種から育てる場合は、必ずその年に採れた新しい種を選ぶことが重要で、シソの種は寿命が短く古い種は極端に発芽率が落ちます。発芽適温は20°C以上なので、種まきは4月下旬〜5月が適期。香りの良さを重視するなら、葉の縮れがなく平らな在来系の青じそ品種がおすすめです。
半日陰でこそ美味しく育つ、日本の気候に完全適応した和ハーブです。強い直射日光に当てると葉が硬く小さくなり、香りも粗くなります。理想は午前中だけ日の当たる場所や、明るい木陰・建物の東側。真夏は遮光ネットや他の植物の陰を活用すると、柔らかく大きな葉が採れ続けます。暑さには強い一方、寒さには弱い一年草で、露地栽培は5月〜10月がシーズン。こぼれ種で毎年同じ場所に生えてくるほど、日本の庭と相性の良い植物です。
水切れは葉が硬くなる最大の原因です。土の表面が乾いたらたっぷりと、真夏は朝夕2回を基本に、「乾かさない」管理を徹底します。プランターは特に乾きやすいため、株元のマルチング(ワラや腐葉土)が有効。水分が安定していると、柔らかくて大きい、料理映えする大葉が続きます。葉がしおれたらすぐ水やりを。夕方までに回復すれば株へのダメージは軽微です。
バジル同様「摘心」で収穫量が倍増します。草丈20〜30cmで主枝の先端を摘むと脇枝が増え、こんもり茂った多収穫株に。日々の収穫は下の葉から順に、1株あたり常に10枚以上の葉を残しながら摘みます。夏の終わりに穂が出始めたら、葉を楽しむなら穂は早めに摘み取りを(放置すると葉が硬くなります)。逆に穂ジソ・実ジソとして薬味に使うなら、一部の穂を残して楽しむ二段構えがおすすめです。
種まきか苗の植え付けでスタートします。種まきは4月下旬〜6月(発芽適温22°C前後)。シソの種は光を好む「好光性種子」なので、覆土はごく薄くするのが発芽成功の鍵です。苗の植え付けは5〜6月、株間20〜30cmで。プランターなら深さ20cm以上に2〜3株が目安です。用土は野菜用培養土でOK。肥料切れすると葉色が薄くなるため、2週間に1回の液肥を続けると柔らかい葉が保てます。
種まきで簡単に増やせ、一度育てれば「こぼれ種」で毎年勝手に生えてくることも多い植物です。秋に穂を放置して種を落とさせれば、翌年5月頃に発芽します(発芽した苗は間引いて株間を確保)。種を採取して保存する場合は、穂が茶色く熟してから刈り取り、乾燥させて種を外し冷暗所へ。シソの種は寿命が短め(1〜2年)なので、翌年使う分だけ採れば十分です。挿し芽も可能で、枝先を水に挿せば発根します。
無農薬で育てたい葉物なので、物理的な防除が基本です。最大の敵はハダニ(乾燥時に葉裏へ発生し葉がかすれる)とヨトウムシ・ベニフキノメイガの食害。ハダニは葉裏への散水で予防し、幼虫類は見つけ次第捕殺します。防虫ネットをかければ被害は激減。バッタが多い環境でも網が有効です。葉が混みすぎると蒸れてさび病が出ることがあるため、収穫を兼ねてこまめに摘み、風通しを保つことが一番の予防になります。
4-5月に種まきまたは苗の植え付け。発芽まで1-2週間。
収穫の最盛期。下の葉から順に摘み取ります。花穂が出たら早めに摘む。
気温低下とともに成長が衰えます。種取りをしたい場合は花を残して。
一年草のため栽培終了。こぼれ種で翌年自然に芽が出ることも。
原因
花が咲いた後の葉
対策
花穂は早めに摘み取る
原因
バッタ、ヨトウムシ
対策
防虫ネットを使用し、夜間にヨトウムシを捕殺
シソの花言葉は「善良な家風」「力が蘇る」です。「力が蘇る」は、食中毒で死にかけた若者にシソの薬湯を与えたところ蘇生したため「紫の蘇る草」=紫蘇と名付けられたという中国の故事に由来します。「善良な家風」は、薬味として日々の食卓を支え、庭先で代々こぼれ種から受け継がれていく、家庭的で慎ましい姿から生まれたとされる花言葉です。
シソの名の由来「紫蘇=紫の蘇る草」が示す通り、古来シソは命を蘇らせる縁起の良い薬草として扱われてきました。風水でも、香りの強い植物は邪気を払うとされ、キッチンやベランダで育てるシソは家庭の健康運を支える存在と相性が良いといえます。梅干しや漬物、薬味として日本の食文化に深く根付き、「食卓に欠かさないことが家内安全につながる」と考えられてきた背景もあります。こぼれ種で毎年自然に芽吹く強い生命力は子孫繁栄や継続の象徴ともされ、実用と縁起を兼ねて庭先に植え継がれてきた植物です。
シソは一度にすべて収穫するのではなく、育ちながら摘み続ける「摘み取り収穫」が基本で、6月から10月まで週1〜2回、シーズンを通して何十回でも収穫できます。下のほうの大きく育った葉から順に、1回につき1株あたり3〜5枚を目安に摘むと、株が弱らず長く採り続けられます。摘心して脇芽を増やした株なら、ひと夏で1株100〜150枚は十分可能です。一度に葉を取りすぎると光合成が追いつかず生育が鈍るので、常に上部の若い葉を10枚以上残すのが長持ちのコツです。
夏の収穫最盛期に葉が小さくなる主な原因は「肥料切れ」と「根詰まり」です。シソは次々と葉を出すぶん肥料をよく食べるため、植え付け時の元肥だけでは7月頃に養分が切れ、新しい葉が小ぶりになります。2週間に1回の液肥、または月1回の化成肥料の追肥を続けましょう。また小さなプランターでは真夏までに根がいっぱいになり、水切れも併発して葉が育たなくなります。深さ15cm以上・1株あたり土5L以上が目安です。摘心せず1本立ちのまま伸びた株も先端の葉が小さくなりがちなので、枝数を増やす管理も有効です。
育て方は基本的に同じで、半日陰でも育つ点、水を好む点、摘心で収穫量が増える点も共通です。赤じそは梅干しやジュース用に6〜7月に株ごと収穫することが多いのに対し、青じそは秋まで摘み続ける点が運用上の違いです。注意したいのは、近くで両方を育てて花を咲かせると交雑しやすいことです。交雑した種から育つ株は赤と緑が混ざった色になり、香りも落ちる傾向があります。種を採って翌年につなぎたい場合は、どちらか一方だけ花を残すか、株を離して育てましょう。葉を収穫するだけのワンシーズン栽培なら、同じプランターに植えても問題ありません。
よくある原因は「土を厚くかけすぎ」「種が古い」「温度不足」の3つです。シソの種は発芽に光が必要な好光性種子のため、土を5mm以上かぶせると発芽できません。まいたら土はごく薄く、種が隠れるか隠れないか程度にかけ、手で軽く押さえるだけにします。また種の寿命が短く、採取から1年以上経った種は発芽率が大きく落ちるので、購入時は有効期限を確認しましょう。発芽適温は20〜25°Cで、4月上旬など気温の低い時期にまくと2週間以上かかったり腐ったりします。さらに乾燥にも弱いため、発芽までの1〜2週間は土の表面を絶対に乾かさないことが成功の鍵です。
そうなる場合が多いのは事実です。シソは虫媒花で交雑しやすく、近所の赤じそや野生化したシソと交配した種から育つ株は、香りが薄くなったり葉が固くなったりする傾向があります。また何年もこぼれ種で世代を重ねると、香りの良い個体が選抜されないまま先祖返りが進みます。こぼれ種の株でも、若いうちに葉をもんで香りを確かめ、香りの良い株だけ残して間引けば十分使えます。毎年確実に香りの良い大葉を収穫したい場合は、2〜3年に一度は市販の種や苗から育て直すのがおすすめです。
シソは成長段階ごとにほぼ全部位を食べられます。発芽したばかりの双葉が「芽じそ」(青じそは青芽、赤じそは紫芽)で、刺身のあしらいに使われます。間引き菜をそのまま利用できるので、種を多めにまいて間引きながら食べるのが効率的です。秋に伸びる花穂は、花が3割ほど咲いた頃が「花穂じそ」、花が終わり実が未熟なうちが「穂じそ」で、どちらも刺身の薬味や天ぷらに合います。さらに実をしごき取った「実じそ」は塩漬けや佃煮で人気です。葉の収穫を優先するなら花穂は摘むのが基本ですが、9月以降は数本残して穂じそまで楽しむと、ワンシーズンでシソを使い尽くせます。