苗・株の選び方
季節に合った品種を選ぶと安定します。夏は暑さに強く生育の早い品種、冬は寒締め向きの品種、春は晩抽性(とう立ちしにくい)品種と、種袋のまきどき表記を最良の目安にします。固定種の「ごせき晩生」系は味に定評があります。種は購入から2年以内で発芽率の表記があるものを選びます。
避けたいのは、有効期限を過ぎた古い種と、まきどきが自分の地域と合わない品種です。苗はほとんど流通しないので、種から育てるのが基本です。
Hapot編集部より
コマツナ(小松菜)は、一年中種がまけて30〜40日で収穫でき、初めての葉物として最も失敗しにくい野菜です。深さ15cmのプランターで十分育つため、ベランダで手軽に「あと一品」を作りたい人に向いています。江戸の小松川生まれの日本育ちで、暑さ寒さへの適応力は葉物の中でも高く、真冬でも霜に当たりながら育って甘みを増します。ホウレンソウのような土壌酸度の気難しさがなく、市販の野菜用培養土に種をまけばほぼ確実に食卓に届きます。お浸し、炒め物、味噌汁と使い道が広く、間引き菜もベビーリーフとして無駄なく食べられます。栽培の要点はほぼ一つで、アブラナ科ゆえに虫に人気なので、種をまいた日に防虫ネットを張ることです。これだけで無農薬のきれいな小松菜が回り続けます。春まきはとう立ちしやすいので若採りで回し、秋まきでじっくり大株にする使い分けを覚えると、一年を通して途切れない供給が作れます。

水やり
土の表面が乾いたら
日光
直射日光
温度の目安
15-25°C(耐寒・耐暑とも葉物トップ級)
湿度
40-60%
土
野菜用培養土(酸度に寛容)
大きさの目安
収穫期は草丈20〜25cm。深さ15cmのプランターでOK。
成長の速さ
非常に速い(30-40日で収穫)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
15-25°C(耐寒・耐暑とも葉物トップ級)
肥料
元肥+2週間に1回の液肥
成長速度
非常に速い(30-40日で収穫)
毒性
食用
「まいた日に防虫ネット」。コマツナ栽培の成功はこの一文に集約されます。あとは水と2週おきの液肥だけ。
季節に合った品種を選ぶと安定します。夏は暑さに強く生育の早い品種、冬は寒締め向きの品種、春は晩抽性(とう立ちしにくい)品種と、種袋のまきどき表記を最良の目安にします。固定種の「ごせき晩生」系は味に定評があります。種は購入から2年以内で発芽率の表記があるものを選びます。
避けたいのは、有効期限を過ぎた古い種と、まきどきが自分の地域と合わない品種です。苗はほとんど流通しないので、種から育てるのが基本です。
日当たりの良い場所が基本ですが、半日陰でも育つ許容力があります。プランターは深さ15〜20cmで十分で、幅65cmの標準プランターなら2条まきできます。ほぼ周年栽培できるのが強みで、春と秋が最盛期、夏は虫よけ、冬は霜よけの一工夫で年中回せます。連作障害はアブラナ科として出やすいため、畑では1〜2年アブラナ科を作っていない場所を選び、プランターはまくたびに土を新しくするか再生材で更新します。
よくある失敗は、日陰で徒長して葉がひょろひょろになることで、この場合は日当たりの良い場所へ移し、株間を広げて風を通すと次の葉から締まってきます。収穫は草丈20〜25cmになった頃が目安で、種まきから春秋は30〜40日、冬は60〜90日かかります。夏は25日前後の早採りで虫と暑さから逃げ切ります。
発芽までの2〜4日は毎日水を与え、土の表面を乾かさないようにします。その後は土の表面が乾いたらたっぷり与えるのが基本です。葉物なので水切れは葉の硬化と生育停滞に直結し、乾燥が続くと葉が小さいまま硬くなります。夏は朝のうちに与えて日中の蒸れを避け、夕方の水やりは徒長の原因になるので控えます。冬は生育がゆっくりになる分、月に数回、暖かい午前中に与えれば十分です。
よくある失敗は、水を切らして葉が硬くなり、慌てて水をやり過ぎて根を傷めることで、そうなったら乾いたらたっぷりのリズムに戻し、傷んだ外葉を取り除いて新しい葉を待ちます。1〜2週間で柔らかい葉が出てきます。密植で常に土が湿っていると立ち枯れが出るので、間引きで風通しを確保することも水管理の一部です。
市販の野菜用培養土でそのまま育ちます。ホウレンソウと違って酸度に寛容なので、苦土石灰は極端な酸性土だけ軽く混ぜれば十分です。畑では種まき2週間前に1平方メートルあたり100gの苦土石灰をまいて耕し、1週間前に堆肥2kgと化成肥料100gを元肥として混ぜ、高さ10cmほどの畝を立てます。プランターは深さ15〜20cmで、鉢底石を敷いてから元肥入りの培養土を縁から3cm下まで入れます。すじまきして1cm覆土し、間引きで最終株間4〜6cmにします。
間引きが作業の中心です。双葉がそろったら3cm間隔に、本葉2〜3枚で4〜6cm間隔に間引き、間引き菜はベビーリーフとして食卓へ回します。間引きが遅れて密植のままにすると、葉が細く徒長して虫や病気が出やすくなるのが典型的な失敗で、気づいた時点で思い切って間引き、液肥を与えると2週間ほどで残した株が太ってきます。収穫は草丈20〜25cmで株ごと抜くか、外葉からかき取れば同じ株から長く採れます。春まきはとう立ちしやすいので、花茎が見えたら早めに収穫し、つぼみは菜の花として食べます。冬は霜に当たった寒締めの葉が甘くなるので、草丈が低くても味は良く、必要な分だけ抜いて使います。収穫後は根を残さず抜き取り、次のまきに備えて土を整えます。
時期と道具を準備する
収穫は種まきから30〜40日、草丈20〜25cmになった頃です。清潔なハサミ、収穫かご、次のまきに使う液肥を用意し、朝の涼しい時間に行います。
混み合った株から抜き取る
株が触れ合う場所から先に抜き、残す株の間隔を6cm以上に広げます。抜いた株はベビーリーフや小株として食べられ、残った株に光と風が入ります。
外葉からかき取って長く採る
同じ株から長く採りたい場合は、外側の大きな葉を根元からかき取り、中心の若い葉を残します。株の葉を半分以上取ると弱るので、3〜4枚ずつにします。
とう立ちしたら早めに収穫する
春に花茎が伸び始めたら硬くなる前に株ごと収穫し、つぼみは菜の花として食べます。冬は霜に当たった葉が甘いので、必要な分だけ抜いて使います。
収穫後に土を整えて次のまきに備える
収穫が終わった区画は根を残さず抜き取り、培養土を替えるか再生材と苦土石灰を混ぜて2週間なじませます。ネットは次のまきまで外して洗っておきます。
移植せず、育てる場所に直まきして時間差まきで回します。種まきは3〜6月と9〜11月が適期で、真夏と真冬も工夫すればまけます。深さ1cmのまき溝に1cm間隔ですじまきし、薄く覆土して軽く押さえ、発芽まで毎日水を与えます。2〜3週間おきにまけば、ほぼ一年中「今日の一束」が続きます。
よくある失敗は、まいた日にネットを張り忘れて発芽直後に虫に食べ尽くされることで、その場合はまき直して当日中に防虫ネットを掛ければ、30日後にはきれいな株が採れます。連作障害はアブラナ科として出やすいので、畑では1〜2年アブラナ科をあけ、プランターは土を更新します。収穫は草丈20〜25cmが目安で、種まきから春秋は30〜40日、夏は25日前後、冬は60〜90日を見込みます。
時期と道具を準備する
3〜6月か9〜11月に行います。種、深さ15〜20cmのプランターか畝、野菜用培養土、板か棒、防虫ネットと支柱、ジョウロを用意します。
土を入れて表面をならす
鉢底石を敷いて元肥入りの培養土を縁から3cm下まで入れ、表面を平らにならして水を含ませます。畑では高さ10cmの畝を立てて表面を平らにします。
まき溝を切ってすじまきする
板で深さ1cmのまき溝を条間15cmで作り、種を1cm間隔ですじまきします。1cmほど覆土して手のひらで軽く押さえ、種と土を密着させます。
当日中に防虫ネットを掛ける
ジョウロで優しく水を与えたら、その日のうちに支柱を立てて防虫ネットを掛け、裾を土で埋めて隙間をなくします。これが虫害を防ぐ最大のポイントです。
発芽まで毎日水を与える
発芽までの2〜4日は毎日水を与えて土を乾かさないようにし、発芽後は表面が乾いたら与えます。双葉がそろったら3cm間隔に最初の間引きをします。
種まきで育てます。一袋に数百粒入っているので、何度もまけて葉物の中でも特に経済的です。発芽適温は20-25°Cで、春秋なら2〜4日で発芽します。種は購入から2年以内のものを使うと発芽率が安定し、古い種は発芽がまばらになるので、まく前に袋の有効期限を確認します。とう立ちさせれば菜の花として食べられ、採種も可能ですが、アブラナ科同士で交雑しやすいため、実用上は種を買い足す方が確実です。
よくある失敗は、夏の高温で発芽がそろわないことで、気温が30°Cを超える日は夕方にまいて不織布を掛け、朝夕に水を与えると発芽がそろいます。冬は不織布のベタがけで保温すると発芽が早まります。季節ごとに品種を変え、夏は暑さに強い品種、冬は寒締め向きの品種を選ぶと安定します。
時期と道具を準備する
3〜6月か9〜11月が適期です。種、深さ15cm以上のプランターか育苗箱、野菜用培養土、不織布、ジョウロを用意し、発芽適温20-25°Cの時期を選びます。
2〜3週間おきに時間差でまく
一度に全部まかず、プランターや畝を2〜3区画に分けて2〜3週間おきにまきます。深さ1cmの溝に1cm間隔ですじまきし、薄く覆土します。
季節に合わせて保湿と保温をする
夏は夕方にまいて不織布を掛け、朝夕に水を与えます。冬は不織布のベタがけで保温すると発芽が早まります。発芽まで土の表面を乾かさないようにします。
双葉と本葉で2回間引く
双葉がそろったら3cm間隔に、本葉2〜3枚で4〜6cm間隔に間引きます。残す株の根を動かさないよう、抜かずにハサミで根元から切ります。
間引き後に液肥を与える
2回目の間引きの後から、2週間に1回の液肥を与えて葉を育てます。防虫ネットは収穫まで掛けたままにし、週1回は葉裏を確認します。
コマツナ栽培は防虫ネット栽培と言い切れるほど、ネットが成否を分けます。相手はアオムシ、コナガ、カブラハバチ、キスジノミハムシといったアブラナ科の常連で、種まき当日にネットを張り、裾を土で押さえて隙間をなくします。ネットの中でも週1回は葉裏を確認し、卵や幼虫を見つけたら取り除きます。夏は虫の密度が高いため、ネットに加えて25日前後の早採りで駆け抜けます。
よくある失敗は、ネットを張ったのに裾に隙間があり、内側で虫が増えるケースで、その場合は葉裏の幼虫を取り除いてから裾を埋め直し、被害葉を取れば新しい葉はきれいに育ちます。病気では密植と過湿による立ち枯れ、秋の長雨で出る白さび病に注意し、間引きで風通しを確保して株元に水を与えます。連作障害を避けるため、畑では1〜2年アブラナ科をあけます。
3〜5月の春まきが始まる時期です。水は土の表面が乾いたら与え、2週間に1回の液肥で葉を育てます。日当たりの良い場所に置き、まいた日に防虫ネットを掛けます。春まきはとう立ちしやすいので、花茎が見えたら早めに収穫します。
虫と暑さとの知恵比べの季節です。水は朝のうちにたっぷり与え、液肥は控えめにして徒長を防ぎます。西日を避けた半日陰か遮光ネットの下に置き、防虫ネットを必ず掛けます。キスジノミハムシの食害が増えるので、25日前後の早採りで回します。
9〜11月まきが品質最高の時期です。水は乾いたらたっぷり、2週間に1回の液肥で株を太らせます。日当たりの良い場所に置き、虫は減りますがネットは掛けたままにします。長雨が続くと白さび病が出やすいので、間引きで風通しを確保します。
霜に当たって甘くなる寒締め小松菜の季節です。水は月に数回、暖かい午前中に控えめに与え、肥料は休みます。日当たりの良い場所で不織布をベタがけすると生育が進みます。生育は60〜90日とゆっくりで、凍結で外葉が傷んだら取り除いて使います。
原因
アオムシ、コナガ、キスジノミハムシなどアブラナ科害虫の食害。防虫ネットの掛け忘れや裾の隙間から侵入する。
対策
葉裏の卵や幼虫を取り除き、防虫ネットを張り直して裾を土で埋めます。穴あきの葉も味は変わらないので食べられます。次作は種まき当日のネットで被害を防ぎます。
原因
高温乾燥期のハダニ、またはキスジノミハムシの吸汁や食害。
対策
葉裏を確認し、シャワーで洗い流すか早めに収穫して対応します。夏栽培はネットと25日前後の早採りで短期に回すと被害が最小になります。
原因
とう立ち。冬の低温に当たった株が春の長日で花芽をつけた。
対策
つぼみと花茎は小松菜の菜の花としておいしく食べられます。以後の春まきは晩抽性(とう立ちの遅い)品種を選び、30日前後の若採りで回すと安心です。
原因
徒長。日照不足か密植、夕方の水やりや窒素過多で起こる。
対策
日当たりの良い場所へ移し、株間4〜6cmになるよう間引いて風を通します。水は朝に与え、液肥を一時止めると次の葉から締まってきます。徒長した株は早めに食べてしまいます。
原因
密植と過湿による立ち枯れ。土が常に湿った状態で発生しやすい。
対策
倒れた株は抜き取って処分し、周囲を間引いて風通しを確保します。水は表面が乾いてから株元に与え、同じ土でアブラナ科を続けている場合は培養土を新しくします。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
コマツナの花言葉は「快活な愛」とされます。どの季節にもめげずに育つ明るい生命力が、その由来とされます。春にとう立ちして咲く黄色い菜の花は、アブラナ科らしい素朴な美しさで、食べても楽しめます。
一年中緑を絶やさない葉物は、途切れない健康運の象徴とされます。キッチン近くのプランターで育てる小松菜は、食の気を安定させる存在とされ、江戸野菜としての歴史から、家庭に根づく安定の縁起もあるといわれます。
アブラナ科の宿命で、犯人はアオムシ、コナガ、キスジノミハムシのいずれかです。解決策は種をまいた当日に防虫ネットを張ることに尽きます。すでに発生した虫はネットを張っても中に残るため、葉裏の卵や幼虫を取り除いてから張り直し、裾を土で埋めて隙間をなくします。穴あきの葉も味は変わらないので家庭用なら食べられます。次作からネットを徹底すれば、見違えるほどきれいな小松菜になります。
低温下の生育停滞は正常で、失敗ではありません。冬のコマツナは30日ではなく60〜90日かけてゆっくり育ち、その分、霜に当たって糖を蓄えた寒締めの甘さが手に入ります。急ぎたい場合は不織布のベタがけで保温し、日当たりの最も良い場所へ置き、株間を広めにして光を確保すると速度が上がります。水は暖かい午前中に控えめに与え、肥料は休んでかまいません。
とう立ちで、冬の低温に当たった株が春の長日で花芽をつけた自然な現象です。花茎とつぼみは小松菜の菜の花としておいしく食べられるので、硬くなる前に早めに収穫してください。春まきは30日前後の若採りで回し、じっくり育てる大株は秋まきに任せる設計にすると失敗が減ります。以後の春まきは晩抽性の品種を選ぶと、とう立ちまでの余裕が広がります。
土を替えるか再生材で更新すれば続けられます。アブラナ科は連作障害が出やすく、同じ土で続けると根こぶ病や生育の鈍りが起こることがあります。プランターは収穫後に古い根を取り除き、新しい培養土に替えるか、再生材と苦土石灰を混ぜて2週間なじませてからまきます。畑では1〜2年アブラナ科以外を作って間をあけます。ネギやマメ科を間に挟むと土の疲れが和らぎます。
コマツナの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。

秋植え野菜
10〜11月に種まき・植え付けできる野菜とハーブ16種を、時期・種か苗か・プランターの深さ・収穫時期で一覧に。10月に植えるもの、11月に植えるもの(タマネギの苗・エンドウ・ソラマメ)の区別、9月までに植える野菜の扱い、土と元肥、寒さ対策とトウ立ちを解説します。

秋の植え替え
秋は多肉植物や草花、果樹の植え替え・植え付けに向く一方、観葉植物は春まで待つのが基本です。秋の適期の目安、植物タイプ別の可否、根の扱い方と植え替え後の管理を解説します。

種まきと苗
コスト・難易度・選べる品種数で「種まき」と「苗買い」を比較。野菜・草花の品目別にどちらが向くかの早見表つきです。
10月の作業と、コマツナの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。