苗・株の選び方
良い株の目安は3つ、幹がしっかり太く手で押してもぐらつかないこと、葉が濃い緑でツヤがあり白い葉脈が鮮明なこと、節間が詰まって下葉まで残っていることです。曲がり仕立てなら曲線が自然で、幹に傷や割れがないものを選びます。
避けたいのは、下葉が極端に少なく幹の下が裸になっている株(環境ストレスの跡)と、葉裏が白くかすれている株(ハダニ)の2つです。樹形は一株ごとに違うので、置く場所の高さを想像しながら選んでください。
Hapot編集部より
フィカス・ベンガレンシスは、フィカスの仲間の中で葉が厚く乾燥と環境変化に強い、初心者に最も勧めやすい品種です。ウンベラータやベンジャミンと比べて落葉が少なく、最低温度の目安は12°C、成長がゆっくりなぶん買ったときの樹形が長く保てます。白みがかった幹と、丸みのある濃緑の葉に走る白い葉脈のコントラストが美しく、曲がり仕立ての株が多く流通しています。インドでは「聖なる木」とされ、願いを叶える木や長寿の象徴として大切にされてきました。原産地では気根を下ろして横に広がり、一本で森のような大木になります。室内では50cmから2mほどのシンボルツリーとして、レースカーテン越しの窓辺に置き、土が乾いてから水を与えるだけで健康に育ちます。手間をかけずに樹形を長く楽しみたい人や、フィカスを初めて迎える人に向いています。

水やり
土の表面が乾いたら(週1回程度)
日光
間接光
温度の目安
12-30°C
湿度
40-60%
土
水はけの良い観葉植物用土
大きさの目安
室内で50cm〜2m。曲がり仕立ての5〜10号鉢が人気。成長はゆっくりで樹形が長持ちします。
成長の速さ
ゆっくり〜中
温度の目安(耐寒〜耐暑)
12-30°C
肥料
春〜秋に月1回緩効性肥料
成長速度
ゆっくり〜中
毒性
樹液でかぶれる場合あり(クワ科共通)
丈夫で樹形が崩れにくい優等生。明るい場所に置き、水はやや控えめに。月1回の葉拭きで白い葉脈の美しさが引き立ちます。
良い株の目安は3つ、幹がしっかり太く手で押してもぐらつかないこと、葉が濃い緑でツヤがあり白い葉脈が鮮明なこと、節間が詰まって下葉まで残っていることです。曲がり仕立てなら曲線が自然で、幹に傷や割れがないものを選びます。
避けたいのは、下葉が極端に少なく幹の下が裸になっている株(環境ストレスの跡)と、葉裏が白くかすれている株(ハダニ)の2つです。樹形は一株ごとに違うので、置く場所の高さを想像しながら選んでください。
基本はフィカスと同じです。ベンガレンシスは葉が厚く光を好むため、明るさに応じて葉色と節間の差がはっきり出ます。目安は窓から1m以内のレースカーテン越しで、窓から2m以上離れた暗い場所では新しい葉が小さくなり、下葉から落ちていきます。真夏の直射日光は白い葉脈の周りから葉焼けするので、南向きの窓では30cm以上離してください。冬は12°C以上を保ち、夜間の窓際は冷えるので部屋の内側へ寄せます。
よくある失敗は、購入直後に日当たりを求めて頻繁に鉢を動かし、環境の変化で下葉を落とすことです。その場合は置き場所を一つに決めて1か月動かさず、新芽が動けば回復したと判断できます。
基本はフィカスと同じです。ベンガレンシスは厚い葉に水を蓄えるため乾燥に強く、水やりの失敗は「多すぎ」に偏ります。春〜秋は土の表面が乾いてから2日ほど待って週1回、真夏は週2回、冬は2週に1回が目安で、与えるときは鉢底から流れ出るまでたっぷりと。曲がり仕立ての株は鉢が小さめのことが多く、夏は乾きが早いので指で土の中まで確かめてください。
よくある失敗は、冬も週1回のペースを続けて下葉が黄色くなり、土がいつまでも湿っていることです。その場合は水を止めて土を完全に乾かし、暖かい日の午前中に少量から再開します。白い葉脈は乾燥で艶を失いやすいので、週2〜3回の葉水を習慣にしてください。
基本はフィカスと同じです。市販の観葉植物用土でそのまま育ち、配合するなら赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1の水はけ重視でよく、鉢底石を2〜3cm敷きます。ベンガレンシスは曲がり仕立ての株が多く、頭が重く倒れやすいので、素焼きや陶器などの重い鉢を選ぶと安定します。過湿を嫌うため、化粧鉢に入れるならプラ鉢のまま入れる二重鉢にして、受け皿の水はその都度捨ててください。元肥は緩効性肥料を少量で十分です。
基本はフィカスと同じです。ベンガレンシスは成長がゆっくりで、剪定は年1回で足ります。適期は5〜9月で、伸びすぎた枝を葉の付け根(節)の5mm上で切ると、切り口の下から新芽が吹いて枝分かれします。曲がり仕立ての株は、幹の曲線を隠す枝を優先して抜くと樹形が引き立ちます。樹形が単調なら頂点の芽を摘む摘心で脇枝を促してください。切り口から白い樹液が出るので手袋を着用し、ティッシュで押さえて止め、床は新聞紙で養生します。
よくある失敗は、一度に葉の半分以上を落とす強剪定で株が弱り、新芽が出るまで3か月以上かかることです。切るのは全体の3分の1までにとどめ、残りは翌年に回してください。
時期と道具を準備する
5〜9月に行います。清潔なハサミ、手袋、ティッシュ、床を養生する新聞紙を用意し、切りたい高さと残す枝を先に決めておきます。
伸びすぎた枝を節の上で切る
枝の葉の付け根(節)の5mm上で切ります。切り口の下の節から新芽が吹くので、芽を出したい方向にある節の上を選んでください。
曲線を隠す枝を間引く
曲がり仕立ての幹を隠す枝や、内側に向かって混み合う枝を付け根から抜きます。一度に切るのは全体の3分の1までにとどめます。
樹液を止めて片付ける
切り口から出る白い樹液をティッシュで押さえて止めます。床に落ちた樹液は乾く前に拭き取り、ハサミを洗って手もよく洗ってください。
新芽が出るまで管理する
剪定後は明るい窓辺に置いたまま動かさず、水は土が乾いてから与えます。1〜2か月で新芽が動いたら、月1回の肥料を続けます。
基本はフィカスと同じです。ベンガレンシスは根の張りも穏やかで、植え替えは2年に1回、5〜8月に直径3cmほど大きな鉢へ移す程度で十分です。鉢底の穴から根が見える、水を注いでも染み込みに時間がかかる、のどちらかが出たら植え替えどきです。曲がり仕立ての株は重心が偏っているので、倒れないよう重めの陶器鉢を選び、幹の向きを決めてから土を入れます。根鉢は肩と底を指で軽く崩し、黒く柔らかい根だけを切ります。
よくある失敗は、根を大きく崩して植え替え後に葉を2〜3割落とすことです。落葉しても枝先が緑なら、直射日光を避けた場所で2週間休ませ、肥料は1か月後から再開すれば新芽が展開します。
時期と道具をそろえる
5〜8月に行います。直径3cm大きい重めの鉢、観葉植物用土、鉢底石、手袋、清潔なハサミを用意し、前日は水やりを控えて土を乾かしておきます。
鉢から株を抜き根を確認する
手袋を着け、幹の根元を持って鉢を横に倒し、株を引き抜きます。根鉢の表面と底を軽くほぐし、黒く柔らかい根だけをハサミで切り取ります。
幹の向きを決めて植え付ける
鉢底石を2〜3cm敷いて土を入れ、曲がり仕立ての幹の向きを決めてから周りに土を詰めます。割り箸で突いて隙間をなくし、深植えは避けます。
たっぷり水を与える
鉢底から流れるまで水を与え、受け皿の水は捨てます。切り口から出た白い樹液は濡れたティッシュで拭き取り、手はよく洗います。
明るい日陰で2週間養生する
直射日光の当たらない明るい場所に置き、土が乾いてから水を与えます。肥料は1か月後から再開し、この間は置き場所を動かしません。
基本はフィカスと同じです。ベンガレンシスは枝が硬めで発根がやや遅いため、挿し穂は今年伸びた若い枝から取り、3〜5本まとめて挿すと確実です。5〜8月に枝を10cmに切り、葉を2〜3枚残して大きな葉は半分に切り詰め、切り口の白い樹液を洗い流してから挿し木用土に挿し、直射日光を避けて土を湿らせておくと1〜2か月で発根します。太い幹から大きな株を作りたいときは、幹の途中の樹皮を環状に剥いで湿らせた水苔で包む取り木が向いており、2〜3か月で根が透けて見えたら切り離します。
よくある失敗は、樹液を洗わずに挿して切り口が固まり、根が出ないまま葉が落ちることです。その場合は切り口を1cm切り直し、洗ってから挿し直してください。
時期と道具を準備する
適期は5〜8月です。今年伸びた若い枝、清潔なハサミ、挿し木用土を入れた小鉢、手袋、水を張ったコップを用意します。
挿し穂を10cmに切り分ける
手袋を着け、枝を10cmほどに切り、下の葉を外して上に2〜3枚残します。大きな葉は蒸散を抑えるため半分に切り詰めます。
切り口の樹液を洗い流す
切り口から出る白い樹液を水で洗い流し、30分ほど水に浸けます。樹液が固まると根が出にくくなるので、この工程は省かないでください。
挿し木用土に挿す
湿らせた挿し木用土に割り箸で穴を開け、挿し穂の3分の1を差し込んで指で軽く押さえます。3〜5本まとめて挿すと成功率が上がります。
発根まで日陰で管理する
明るい日陰に置き、土を乾かさないよう霧吹きも併用します。1〜2か月で発根し新芽が出たら、通常の水やりに戻して1か月後から肥料を始めます。
基本はフィカスと同じです。ベンガレンシスは葉が厚いためハダニの被害が目立ちにくく、気づいたときには葉裏が白くかすれていることがあります。月1回、濡らした布で葉の表裏を拭くと、白い葉脈の美しさが引き立つと同時にハダニの早期発見になります。カイガラムシは枝の分かれ目や葉の付け根に付き、葉がベタつくことで気づきます。古い歯ブラシでこすり落とし、多発時はマシン油乳剤を散布してください。
よくある失敗は、冬の暖房で乾いた部屋でハダニに気づかず、春に下葉が次々かすれて落ちることです。その場合は浴室でシャワーをかけて葉裏を洗い、週2〜3回の霧吹きを再開すれば、5月以降の新芽は健康に出ます。
新しい葉が展開し、白い葉脈が最もきれいに見える季節です。土が乾いたら週1回たっぷり与え、5月に入ったら緩効性肥料を月1回。冬に葉を落とした株は、明るい窓辺のまま動かさずに新芽を待ちます。植え替えと枝の整理も5月以降に始めます。
厚い葉から蒸散が増えるので、水は週2回を目安に鉢の中まで乾いたか確かめて与え、肥料は月1回続けます。南向きなら窓から30cm以上離し、白い葉脈の周りの葉焼けを防ぎます。乾いた室内ではハダニが増えるため、葉裏まで月1回拭きます。
水は週1回に戻し、肥料は10月で終了します。最低気温が12°Cを切る前に、冬を過ごす明るい場所を決めて一度で移動を済ませます。何度も動かすと環境変化に反応して下葉を落とすので注意してください。ベランダの株は葉裏を洗ってから室内へ入れます。
12°C以上を保ち、水は2週に1回、土が乾ききってから昼間に与えます。肥料は不要です。暖房で乾く室内では白い葉脈が艶を失うので、週2回の葉水を続けます。落葉が少し出ても春に戻るので、水を増やして補わないことが大切です。
原因
急な環境変化・水のやりすぎ・冬の低温(12°C以下)のいずれか。フィカス属は環境の変化に落葉で反応する。
対策
置き場所を固定し、土が乾いてから水を与える管理に切り替え、冬は窓際の冷気から離します。枝先が緑で弾力があれば、1〜2か月で新芽が吹き直します。
原因
冬の冷気・冷たい隙間風に当たった低温障害、または過湿。
対策
傷んだ葉は切除し、12°C以上を保てる場所へ。冬の水やりは2週に1回程度まで減らし、暖かい日の午前中に与えます。
原因
葉の表面に積もったホコリか、ハダニの初期症状。葉が厚く大きいベンガレンシスはホコリが溜まりやすく、光合成の効率も落ちる。
対策
濡らした柔らかい布で葉の表裏を拭きます。裏側が白くかすれていればハダニなので、シャワーで洗い流してから週2〜3回の葉水を続けてください。月1回の葉拭きを習慣にすると再発しにくくなります。
原因
過湿による根腐れが幹まで進んだ状態。受け皿に水を溜めたままにしたり、冬に水を与えすぎると起こる。
対策
すぐに鉢から抜いて黒く傷んだ根を切り、新しい乾いた土に植え替えます。幹の柔らかい部分が上まで広がっている場合は、健康な枝を挿し木にして株を更新してください。以後は土が乾いてから水を与え、受け皿の水は必ず捨てます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

フィカス・ベンガレンシスも、花は丸い花嚢の中に隠れて咲きます。インドなどの原産地では、葉の付け根に直径1.5〜2cmほどの花嚢が2個ずつつき、熟すと鮮やかな赤に色づいて鳥やコウモリのえさになるとされます。種は鳥に運ばれ、ほかの木の上で芽を出して気根を下ろし、やがて大木に育つといわれます。
成長がゆっくりな鉢植えでは、花嚢を見る機会はほとんどありません。株を充実させるには、花嚢を期待するよりも、明るい窓辺で葉を健康に保つことが近道です。もしついても受粉するハチがいないため種はできず、特別な手入れは不要です。
ベンガレンシスの花言葉は「永久の幸せ」「長寿」です。インドで聖なる木として長寿と豊かさの象徴とされ、一本の木が気根を下ろして何百年も生き続けることに由来します。新築祝いや開業祝いの贈り物として定番です。
風水では、丸い葉が「調和とリラックス」の気を持つとされ、家庭運を高める植物といわれます。インドの「願いを叶える木」の伝承が由来で、玄関やリビングの東側に置くと良い気を呼び込むとされ、家族が集まる部屋に向く木です。
初心者にはベンガレンシスをおすすめします。葉が厚く乾燥に強い、寒さ耐性がやや高い(12°Cに対してウンベラータは15°C)、成長がゆっくりで樹形が崩れにくい、と管理の余裕が大きいためです。ウンベラータは大きなハート形の葉が魅力ですが、葉が薄い分、乾燥・寒さ・環境変化に敏感です。手間をかけずに樹形を長く楽しむならベンガレンシス、成長の速さと葉の存在感を楽しむならウンベラータ、と覚えてください。
急な環境変化・水のやりすぎ・冬の寒さが三大原因です。購入直後や置き場所を変えた直後の落葉は環境順応によるもので、新しい場所で動かさず管理すれば1か月ほどで止まります。土が常に湿っている場合は根腐れ由来なので水やりを半分に。冬なら夜間の冷え込み(12°C以下)を疑い、窓から離してください。枝先の新芽が生きていれば、春に新しい葉が吹いて回復します。
作れます。幹がまだ柔らかい若い株(幹の太さが1cm程度)を選び、5〜9月の成長期に、曲げたい方向へ幹をゆっくり倒して支柱やワイヤーで固定します。一度に強く曲げると折れるので、2〜3週間かけて少しずつ角度を増やしてください。半年から1年ほど固定を続けると形が定着し、支柱を外しても戻らなくなります。ワイヤーが幹に食い込む前に巻き直すこと、固定中も水やりと肥料は通常どおり続けることがコツです。
最も多い原因は水のやりすぎによる根傷みで、下葉から順に黄色くなり、土がいつまでも湿っているのが特徴です。土が乾くまで水を止め、以後は表面が乾いてから2日待って与えてください。冬に12°Cを下回る窓際に置いている場合も同じ症状が出るので、部屋の内側へ移します。一方、新しい葉が黄色っぽく薄い場合は光量不足か肥料切れで、明るい窓辺へ移し、成長期なら月1回の肥料を再開します。黄色くなった葉は戻らないので付け根で切り取り、新芽の展開を待ちます。
フィカス としてまとめている他の品種です。
フィカス・ベンガレンシスの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。

観葉植物の冬越し
観葉植物を室内に取り込む時期の目安(最低気温15°C)、冬の置き場所、水やりの減らし方、肥料と葉水、寒さで傷んだときの対処まで解説。図鑑の観葉植物を耐えられる最低温度で一覧にしています。

秋の植え替え
秋は多肉植物や草花、果樹の植え替え・植え付けに向く一方、観葉植物は春まで待つのが基本です。秋の適期の目安、植物タイプ別の可否、根の扱い方と植え替え後の管理を解説します。

植物別の土の違い
観葉植物の土と野菜・花の土の違いは堆肥と肥料の量、多肉植物の土との違いは乾く速さです。4種類の土の原料・水はけ・保水・肥料分を比較表にし、観葉植物の土で野菜は育つか、多肉の土で観葉植物は育つかなど、代用できる組み合わせと選び方を解説します。
10月の作業と、フィカス・ベンガレンシスの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。