苗・株の選び方
一番花のつぼみ〜開花中で、茎が太く節間の詰まった苗を選びます。葉色が濃く、葉裏に虫のいないことも確認を。病気に強い接ぎ木苗が数十円高くても結局お得です。長期栽培するなら「千両二号」などの定番品種が情報も多く安心。
Hapot編集部より
ナスは、初夏から秋まで長く採れ続ける、家庭菜園の夏の主力野菜です。「秋ナスは嫁に食わすな」の言葉が示す通り、手をかけた分だけ美味しくなる律儀な性格で、更新剪定を覚えれば一株で夏と秋の二度、最盛期を楽しめます。原産はインドの高温多湿地帯:日本の夏との相性は抜群で、暑さでバテるどころか本領を発揮します。栽培の合言葉は昔から「水で育てる」「肥料を切らさない」:水と肥料への要求が野菜随一に大きく、この2つを絶やさなければ、つやつやした「ボケなし」の実が秋まで続きます。プランターでも大型容器なら十分本格栽培が可能です。
水やり
毎日たっぷり(夏は朝夕2回)
日光
直射日光
適温
20-30°C(生育適温23-28°C)
湿度
50-70%
土
野菜用培養土
肥料
植え付け2週後から2週おきに追肥(肥料食い)
成長速度
速い
毒性
実は食用。葉・茎にはソラニン類を含むため食べない
一番花のつぼみ〜開花中で、茎が太く節間の詰まった苗を選びます。葉色が濃く、葉裏に虫のいないことも確認を。病気に強い接ぎ木苗が数十円高くても結局お得です。長期栽培するなら「千両二号」などの定番品種が情報も多く安心。
1日6時間以上の直射日光が必須です。日照不足では花が落ち、実の色艶も悪くなります。高温を好むため真夏の置き場所の心配は不要(35°C超の酷暑期だけ一時的に花付きが落ちます)。プランターは深さ30cm・容量25L以上の大型に1株。ナス科(トマト・ピーマン・ジャガイモ)の連作を嫌うため、畑では3〜4年空けた場所に、プランターは毎年新しい土で。風で枝が折れやすいので、支柱3本の「3本仕立て」でしっかり支えます。
「ナスは水で育てる」と言われる通り、水切れは絶対NGです。毎日たっぷり、真夏は朝夕2回が基本。水が足りないと、実の艶が消える「ボケナス」、皮が硬くなる、花が落ちる、と品質に直結します。プランターは特に乾きやすいので、受け皿なしでベタ置きし、朝の水やりで鉢底から流れ出るまで。株元に敷きワラをすると乾燥と地温上昇を同時に防げます。過湿を恐れるより水切れを恐れるのが、他の植物と逆のナス流です。
市販の野菜用培養土(元肥入り)でOK。畑では植え付け2週間前に苦土石灰、1週間前に堆肥をたっぷりと元肥を深めに混ぜ込みます。肥料食いのナスは元肥だけでは必ず不足するので、「元肥は控えめでも追肥をこまめに」の設計が実践的。深く根を張るため、プランターはとにかく大きく深い容器を選んでください。
基本は「3本仕立て」:主枝と、一番花のすぐ下の勢いの良いわき芽2本を残し、それより下のわき芽はすべて取り除きます。3本をそれぞれ支柱に誘引し、混み合う内側の枝と古い下葉は随時整理。そして7月末〜8月上旬の「更新剪定」がナス栽培のハイライトです:各枝を1/2〜1/3に切り詰め、同時に株元にスコップを入れて根も切り(根切り)、追肥してたっぷり水やり。株が若返り、9〜10月に皮の柔らかい極上の秋ナスが復活します。
苗の植え付けは4月末〜5月中旬、地温が十分上がってから(ナスは低温に敏感で、早植えは育ちが止まります)。一番花が咲く直前〜咲き始めの、節間の詰まったがっしりした苗が理想です。初心者には半身萎凋病などに強い「接ぎ木苗」を強くおすすめします。植え付け後は仮支柱で固定し、活着したら本支柱の3本仕立てへ移行します。
家庭菜園では毎年、苗の購入または種まきでスタートします。種まきは2月下旬〜3月にポットまきしますが、発芽適温25〜30°Cと高く、加温育苗が必要なため難易度高め。初心者は5月の接ぎ木苗購入が確実です。品種は「千両二号」(定番の万能中長ナス)が失敗が少なく、「とげなし千両」ならトゲのケガも防げます。
最強の敵はハダニとテントウムシダマシです。ハダニは夏の乾燥で葉裏に大発生し、葉がかすれてきたら要注意:葉裏への散水で予防し、多発時は殺ダニ剤を。テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)は葉を網目状に食害するので、成虫・卵とも見つけ次第捕殺します。アブラムシ・カメムシも常連。病気では半身萎凋病(片側の葉がしおれる)が厄介ですが、接ぎ木苗でほぼ回避できます。風通しを保つ整枝と、窒素過多を避けたバランスの良い追肥が、病害虫全体の抵抗力を作ります。
5月に植え付け。地温が上がるのを待ってから。3本仕立ての準備。
収穫最盛期→7月末に更新剪定。水と追肥を絶やさない。
更新剪定後の秋ナスシーズン。10月まで収穫が続く。
栽培オフ。土を更新し、来季はナス科の連作を避ける計画を。
原因
ハダニの大発生。夏の高温乾燥期に葉裏で爆発的に増える。
対策
葉裏に毎日シャワーのように散水するだけでかなり抑えられます(ハダニは水が苦手)。多発時は殺ダニ剤を葉裏中心に散布。乾燥予防の敷きワラも間接的な対策になります。
原因
半身萎凋病(土壌病害)。株の半分ずつ症状が進むのが特徴。
対策
進行すると回復は難しく、被害株は抜き取ります。予防が肝心:接ぎ木苗の利用とナス科の連作回避(3〜4年)でリスクを大幅に減らせます。発症した土は再利用しないでください。
ナスの花言葉は「真実」「優美」。「ナスの花と親の意見は千に一つも無駄がない」——咲いた花はほぼ確実に実るナスの誠実さが、ことわざにもなっています。
紫色の実は「気品と直感力」の象徴とされ、初夢の「一富士二鷹三茄子」の通り、縁起物の筆頭格。実りの多さから家運隆盛のシンボルともいわれます。
花の中心の雌しべを見てください。雌しべが雄しべより短い「短花柱花」なら、栄養不足・水不足のサインで、受粉できずに落花します。対策は即追肥+毎日の水やりの立て直し:株のコンディションが戻ると雌しべの長い「長花柱花」が咲くようになり、面白いほど実が付き始めます。ナスの花は株の健康診断表と覚えてください。極端な高温(35°C超)や日照不足でも落花するため、環境も併せて確認を。
「ボケナス(つやなし果)」で、原因は水不足です。実の肥大期に水が足りないと、皮の細胞が張りを失って艶が消えます。毎日の水やり(夏は朝夕2回)+株元の敷きワラで水分を安定させれば、次の実から艶が戻ります。株の老化や採り遅れでも起こるため、実は10〜12cmの若どりを心がけ、7月末の更新剪定で株をリフレッシュさせるのも有効です。
必須ではありませんが、やる価値は大きいです。7月末の株は疲れがピークで、放置すると8月は実が硬く小さくなりがち。更新剪定(枝を1/2に切り戻し+根切り+追肥)で株を強制的に若返らせると、9月から皮の柔らかい秋ナスの最盛期がもう一度やってきます。「8月の収穫を少し犠牲にして9〜10月に大きく回収する」投資です。プランター栽培でも同様に有効なので、ぜひ試してください。