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ピーマンの育て方

Capsicum annuum最終更新日:
編集部

Hapot編集部より

ピーマンは、夏野菜四天王(トマト・ナス・キュウリ・ピーマン)の中で最も「多収で息の長い」働き者です。5月に1株植えれば、6月から霜の降りる11月まで、こまめに採り続けて50〜100個超——収穫数ならトマトを凌ぐ家庭菜園の稼ぎ頭。暑さに強く病害虫も比較的少なめで、プランター1つから始められます。管理の基本は「一番花の下の脇芽を取る3本仕立て」と「若採りの徹底」:実を大きくしすぎないことが株のスタミナを保ち、秋までの長期興行を支えます。育てたてのピーマンは苦味がマイルドで甘みさえ感じられ、「ピーマン嫌いの子が食べた」という報告が続出する、食育の切り札でもあります。

分類・基本データ

ナス科
トウガラシ属 Capsicum
ピーマン
別名
ぴーまん、カラーピーマン、パプリカ、甘とうがらし
原産地
中南米原産のトウガラシから辛味を抜いた品種群。日本の食卓には明治以降に定着しました。
大きさ
草丈60〜80cm。プランター1株から畑の畝まで。

育て方サマリ

水やり

土の表面が乾いたら(夏は毎日)

日光

直射日光

適温

22-30°C(高温好き。低温期は生育停滞)

湿度

50-70%

野菜用培養土

ケアのポイント

肥料

2週間に1回の追肥(長期戦のスタミナ源)

成長速度

速い(植え付けから40日で収穫開始、霜まで継続)

毒性

食用

「若採り」と「肥料を切らさない」が半年間の多収の秘訣。一番果は小さいうちに採って株づくりを優先してください。

育て方の詳細

苗・株の選び方

一番花のつぼみが見え始めた、節間の詰まった苗を選びます。徒長苗・老化苗は長期戦の土台として不利。初心者は病気に強い接ぎ木苗も安心です。たくさん採りたいなら中型定番種、彩り重視ならカラーピーマンを混ぜて。

置き場所・日当たり

1日6時間以上の日照と、風で枝が折れない場所を選びます。プランターは深さ30cm・容量20L以上に1株。ナス科の連作を嫌うため、トマト・ナス・ジャガイモの後作は避け、2〜3年のローテーションを。枝が三つ叉に広がって実の重みで裂けやすいため、支柱3本の合掌やリング支柱で支えます。

水やりの詳細

浅根性で乾燥に弱いため、水切れは落花・尻腐れ・辛味の元です。土の表面が乾いたらたっぷり、真夏は朝夕2回。株元の敷きワラで乾燥と地温をダブルで緩和すると安定します。実の肥大期に乾湿差が大きいと尻腐れ果(カルシウム欠乏)が出やすいので「安定した水分」を心がけて。

最適な土の作り方

市販の野菜用培養土(元肥入り)でスタートできます。畑は2週間前に苦土石灰、1週間前に堆肥と元肥を。長期栽培ゆえ元肥だけでは必ず息切れするため、「追肥前提」の設計で。株間は45〜50cmとゆったり確保します。

剪定・切り戻し

基本は「3本仕立て」:一番花のすぐ下の勢いのある脇芽2本と主枝の計3本を残し、それより下の脇芽はすべて除去します。以後は放任でも実りますが、夏の後半に内側の混んだ枝を軽く抜くと風が通り、秋成りが良くなります。最重要は収穫サイズ:開花から2〜3週間、実が6〜7cmの若どりを徹底。採り遅れの大きな実は株を急速に消耗させ、「気づいたら成らなくなった」の主因になります。

植え替え

苗の植え付けは5月の連休頃(最低気温15°C以上が合図)。一番花が咲く直前の、節間の詰まったがっしり苗を選び、浅植えして仮支柱を。低温期の早植えは活着が悪く、その後の生育も引きずるため「焦らず5月」が結局早道です。

増やし方

家庭菜園では毎年苗を購入するのが確実です。種からは2〜3月に加温育苗が必要で難易度高め。品種は「京みどり」「エース」など定番のほか、肉厚のジャンボピーマン、彩りのカラーピーマン(完熟に時間がかかるため中級向け)、シシトウ・伏見甘長など甘トウガラシ系も同じ育て方で楽しめます。

病害虫対策

夏野菜の中では病害虫が少ない優等生ですが、いくつか常連がいます。①タバコガ類の幼虫(実に穴を開けて食入:穴あき果は見つけ次第処分して連鎖を断つ)、②アブラムシ(新芽・ウイルス病媒介)、③ハダニ(高温乾燥期)。カメムシは実を吸汁して変形させるので見つけ次第捕殺を。青枯病など土壌病害は連作回避が唯一の予防です。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
種蒔き
開花
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 5植え付け・仮支柱・一番花下の整枝
  • 6収穫開始・一番果は小さめで採る
  • 7若どり徹底・追肥・敷きワラ
  • 8猛暑の水管理・タバコガの穴あき果チェック
  • 9回復セットで秋成りへ
  • 11霜の前に最終収穫・片付け

季節ごとの管理

春の管理

5月連休頃に植え付け。一番花下の整枝で3本仕立てへ。

夏の管理

収穫の最盛期。若どり+2週おき追肥+敷きワラの三点セット。

秋の管理

秋成りの第二ピーク。霜の直前まで採れ続ける。

冬の管理

霜で終了。片付けて土を休ませ、来季はナス科以外を。

よくあるトラブルと対策

実に小さな穴が開き、中が食べられている

原因

タバコガ類の幼虫の食入。夏後半に多発する。

対策

穴あき果は幼虫ごと見つけ次第処分し、連鎖を断ちます。被害が続く年は防虫ネットか、実が小さいうちからのこまめな収穫で被害面を減らします。

実のお尻が黒く凹んで腐ったようになる

原因

尻腐れ果。病気ではなくカルシウム欠乏(乾湿差が吸収を妨げる生理障害)。

対策

被害果は摘み取り、水分を安定させます(敷きワラ+定期的な水やり)。応急処置にはカルシウム資材の葉面散布も有効。土に石灰は入っていても、水切れすると吸えないのがこの障害の正体です。

ピーマンの花言葉・風水

花言葉

ピーマン(トウガラシ属)の花言葉は「生命力」「旧友」。真夏の炎天下でも実り続けるスタミナに由来します。

風水・縁起

夏じゅう絶えない緑の実りは「持続する繁栄」の象徴。菜園の安定収入源として、食卓の運気を長く支える野菜といわれます。

ピーマンのよくある質問

Q実が辛くなってきました。ピーマンなのになぜ?回答を見る
A

ストレス辛味です。ピーマンは辛味のないトウガラシですが、水切れ・猛暑・肥料切れ・採り遅れなどのストレスで、微量の辛味成分(カプサイシノイド)が生成されることがあります。対策は①水を安定供給(敷きワラ併用)、②2週おきの追肥を切らさない、③6〜7cmの若どり徹底、の3点でストレスを減らすこと。なお近くにトウガラシを植えても今年の実は辛くなりません(交雑の影響は来年の種から):都市伝説に惑わされず、株のご機嫌管理に集中してください。

Q夏の後半から実が付かなくなりました。回答を見る
A

株の疲れが原因です。チェックリスト:①採り遅れの大きな実を株に残していないか(最重要:全部収穫して株をリセット)、②追肥が止まっていないか(2週おき再開)、③猛暑期(35°C超)は自然な小休止なので涼しくなれば復活します、④内側の混み枝を抜いて風と光を入れる。この「実の整理+追肥+剪定」の回復セットで、9月から秋成りの第二ピークが戻ります。ピーマンは霜まで走れる長距離選手:夏バテからの立て直しが秋の収穫量を決めます。