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苦土石灰・消石灰・有機石灰(牡蠣殻石灰)の違いと使い分け|散布量の目安つき

酸性土壌の改良に使う3種の石灰を、効きの速さ・強さ・安全性で比較。家庭菜園でどれを選ぶべきか、まく量の目安つきで解説します。

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小皿に盛った苦土石灰・消石灰・有機石灰の比較

3種の石灰を比較

項目苦土石灰消石灰有機石灰(カキ殻等)
アルカリの強さ中程度非常に強い穏やか
効き方やや速い速い・強いゆっくり長く
植え付けまでの間隔1〜2週間2〜3週間すぐ植えてOK
おまけの栄養マグネシウム(苦土)入りなし微量要素いろいろ
扱いやすさ扱いやすい強アルカリで手袋必須最も安全
向く場面家庭菜園の標準酸性が強い土の矯正・消毒植え付け直前・プランター

散布量の目安(1㎡あたり)

深さ10cmほど耕した普通の畑土で、pHを0.5上げるときの目安です。 砂の多い土は少なめ、粘土質や堆肥・腐葉土を多く含む土は多めに必要になります。

石灰の種類別の散布量の目安
種類pHを0.5上げる量補足
苦土石灰約100g/㎡片手にひと握りで約30〜50g。1作で100g/㎡までが無難
消石灰約70g/㎡効きが強いので苦土石灰より少なめにする
有機石灰約150g/㎡効きが穏やかなので苦土石灰の約1.5倍
  • pHを1上げたいときは、表の量のおよそ2倍が目安です。一度に入れず、2作に分けると失敗がありません。
  • プランターで古い土を再利用するときは、用土10Lあたり苦土石灰10〜20gが目安です。新しい培養土は調整済みなので不要です。
  • まいたら土とよく混ぜ、苦土石灰は1〜2週間、消石灰は2〜3週間あけてから植え付けます。

なぜ石灰をまくのか

日本は雨が多く、土のカルシウム・マグネシウムが流されて自然と酸性に傾きます。 多くの野菜はpH6.0〜6.5の弱酸性を好むため、酸性化しすぎた土を石灰で中和して 戻すのが目的です。つまり石灰は「毎回まく儀式」ではなく「酸度のズレを直す薬」。 まく前に酸度を測る(またはpH適合チェッカーで目標を確認する)ことが、まきすぎ事故を防ぐ最善策です。

まいてはいけない場所

ジャガイモ(そうか病が出やすくなる)、ブルーベリー・ツツジ類(酸性好き)、 すでにpH6.5以上の土。「とりあえず石灰」が一番の失敗パターンです。

使い分けの結論

  • 家庭菜園の標準 苦土石灰(マグネシウム補給を兼ねられる)
  • 植え付けまで時間がない 有機石灰
  • プランター・鉢 有機石灰を少量(そもそも培養土は調整済みが多い)
  • 強酸性土の本格矯正 消石灰(保護具をつけて慎重に)

必要量は苦土石灰の散布量計算機で面積とpH差から計算できます。

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よくある質問

石灰をまいてすぐ植え付けてもいいですか?

苦土石灰は1〜2週間、消石灰は2〜3週間あけてから植え付けます。土中で反応が落ち着く前に植えると根を傷めるためです。有機石灰だけは反応が穏やかなので、まいてすぐの植え付けが可能です。

石灰と肥料は同時にまいていいですか?

NGです。アルカリ性の石灰と、チッソを含む肥料(化成肥料・鶏ふん等)が混ざるとアンモニアガスが発生し、チッソが空気中へ逃げてしまいます。石灰を先にまき、1〜2週間あけてから肥料を入れるのが正しい順序です。

毎年石灰をまくべきですか?

習慣でまくのは危険です。日本の土は雨で酸性に戻る傾向がありますが、まきすぎでアルカリ化した畑ではホウレンソウ以外の生育がかえって悪くなります。理想は酸度計で測ってから必要量だけ。目安なしなら1作あたり苦土石灰100g/㎡までに抑えます。

牡蠣殻石灰(カキ殻石灰)と苦土石灰の違いは?

牡蠣殻石灰はカキの殻を砕いた有機石灰で、主成分は炭酸カルシウムです。苦土石灰は苦灰石(ドロマイト)という鉱石を砕いたもので、カルシウムに加えてマグネシウム(苦土)を含みます。いちばんの違いは効き方で、牡蠣殻石灰はゆっくり穏やかに効くため、まいてすぐ植え付けられ、まきすぎてもアルカリに傾きにくいのが利点です。苦土石灰はそれより早く効き、植え付けまで1〜2週間あけます。同じだけ酸度を上げるには、牡蠣殻石灰は苦土石灰の約1.5倍の量が目安です。マグネシウムも補いたい畑には苦土石灰、植え付けを急ぐときやプランターには牡蠣殻石灰が向きます。

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