苗・株の選び方
良い切り芝は、葉色が濃く均一で黄ばみがないもの、マットが厚く根が白くしっかり張っているもの、収穫から日が浅く乾いていないものの3点で選び、届いた当日か翌日に張ります。
避けたいのは、束ねた内部が蒸れて黄色くなったものと、雑草の混じったものです。関東以西の家庭なら高麗芝が第一候補で、刈る回数を減らしたいなら成長の遅いTM9が向きます。冬も緑が欲しい、寒冷地なら西洋芝のケンタッキーブルーグラス系ですが、夏越しの手間は覚悟してください。
Hapot編集部より
芝生は、張る前の土づくりと月2-4回の芝刈りを続けられる人に向く、面で楽しむ植物です。日本の家庭で主流の高麗芝は暑さに強く手間が少なく、夏に青く冬は枯れ色になる日本芝で、関東以西の気候に合います。冬も緑を保つ西洋芝は見た目が美しい反面、夏越しの難易度が高く、こまめな水やりと刈り込みが必要な上級者向きです。成功の要点は、水はけと平坦さを整える床土づくりが5割、張った後の刈り込み頻度が4割、残りが水と肥料です。芝はこまめに刈るほど分げつが進んで密になる性質があり、他の植物と逆の発想で管理します。1日5時間以上の日照が条件で、日陰では薄くなってコケと雑草に置き換わります。張り芝の適期は3-6月で、秋のうちに土を準備して春に張るのが王道です。省管理品種のTM9なら年数回の刈り込みで済み、鉢やプランターでも育てられます。

水やり
張った直後は毎日。活着後は乾いたら(夏は朝)
日光
直射日光
温度の目安
高麗芝は20-35°Cで生育(冬は休眠して枯れ色に)
湿度
40-60%
土
水はけの良い土+平坦な床土づくりがすべて
大きさの目安
刈り高25-35mmで維持。1㎡から庭全面まで、面積は自由自在。
成長の速さ
速い(生育期はランナーで横に広がる)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
高麗芝は20-35°Cで生育(冬は休眠して枯れ色に)
肥料
生育期(5-9月)に月1回の芝用肥料
成長速度
速い(生育期はランナーで横に広がる)
毒性
無毒
「こまめに刈るほど密になる」が芝の逆説。月2〜4回の芝刈りを楽しめるかが、緑の絨毯の分かれ道です。
良い切り芝は、葉色が濃く均一で黄ばみがないもの、マットが厚く根が白くしっかり張っているもの、収穫から日が浅く乾いていないものの3点で選び、届いた当日か翌日に張ります。
避けたいのは、束ねた内部が蒸れて黄色くなったものと、雑草の混じったものです。関東以西の家庭なら高麗芝が第一候補で、刈る回数を減らしたいなら成長の遅いTM9が向きます。冬も緑が欲しい、寒冷地なら西洋芝のケンタッキーブルーグラス系ですが、夏越しの手間は覚悟してください。
1日5時間以上の日照が絶対条件です。日陰の芝は必ず薄くなり、コケと雑草に置き換わっていきます。半日陰しかない庭なら、耐陰性のある改良高麗芝のTM9か、西洋芝の日陰用ブレンドを選びます。水はけも同じくらい重要で、雨の翌日に水たまりが残る場所は、川砂や堆肥を混ぜて土壌改良するか、2-3%の緩い傾斜をつけて排水してから張ります。高麗芝は20-35°Cで生育し、冬は休眠して枯れ色になりますが、これは正常です。人がよく歩く動線は擦り切れて禿げるため、飛び石やステップを併設すると美観が長持ちします。プランターで育てる場合は深さ15cm以上の容器に張り、日当たりの良いベランダに置きます。失敗例として、建物の北側に張って2年目にコケだらけになることがあります。日照を増やせないなら、コケを剥がして目土を入れ、TM9や日陰用の西洋芝に張り替えるのが現実的な復帰策です。
張り芝直後の1か月は毎日たっぷり与え、活着までが勝負です。活着後の高麗芝は乾燥に強く、基本は降雨任せで構いません。真夏に葉が針のように細く丸まったら乾燥のサインなので、朝に土の深さ10cmまで湿るよう20-30分散水します。水やりは回数を少なく一回をたっぷりが鉄則で、毎日少しずつ与えると根が浅くなり、乾燥に弱い芝になります。夏の日中の散水は蒸れと病気を招くため、朝5-8時が最適です。西洋芝は夏の朝の水やりがほぼ必須で、2-3日に1回を目安にします。失敗例は、猛暑に1週間水を切らして全体が茶色くなることです。高麗芝なら根は生きていることが多く、朝の散水を再開して2-3週間で緑が戻ります。戻らない部分は目土と施肥で周囲からのランナー回復を待ちます。
芝生の成否の5割は張る前に決まります。まず雑草と石を根から徹底除去し、深さ20cmを耕して、水はけの悪い土は川砂と堆肥を3割ほど混ぜて改良します。レーキで平坦にならして軽く転圧し、凸凹を残さないようにします。市販の芝の目土や床土用の砂質土を5cm敷くとさらに安定します。床土の上に切り芝を隙間なく並べるベタ張りが最も早く美しく仕上がり、張った後に目土を薄くかけてたっぷり散水します。適期は3-6月で、秋に土を準備し春に張るのが理想です。
芝刈りこそ芝生管理の心臓です。生育期の5-9月は月2-4回、一度に葉の3分の1までの高さで刈ります。刈り高は高麗芝で20-30mmが目安で、深く刈りすぎると成長点ごと刈る軸刈りになり、茶色い地肌が出ます。こまめに刈るほど分げつが進み、密で雑草の入れない絨毯に育ちます。刈りかすはそのままにせず集めると病気の予防になります。あわせて年1回、3-4月に枯れ葉の層をかき出すサッチングと、ローンスパイクやフォークで深さ10cmの穴を10cm間隔で開けるエアレーションを行い、その後に目土を薄くかけると古い芝生が見違えます。エアレーションは根に空気を通し、踏み固められた土をほぐす効果があります。失敗例は、伸びすぎた芝を一度に半分以下に刈って全面が茶色くなることです。目土と施肥、散水で養生すれば生育期なら3-4週間で回復するので、以後は数回に分けて徐々に低くします。
時期と道具を確認する
芝刈りは5-9月に月2-4回、エアレーションは3-4月に年1回です。芝刈り機かバリカン、レーキ、ローンスパイクかフォーク、芝の目土を用意します。
刈り高を決めて芝を刈る
刈り高を20-30mmに設定し、一度に葉の3分の1までを刈ります。伸びすぎた芝は数回に分けて徐々に低くし、軸刈りを避けます。
刈りかすとサッチを取り除く
刈りかすは集めて捨てます。春の1回目にはレーキで枯れ葉の層(サッチ)をかき出し、蒸れと病気の元を取り除きます。
エアレーションで穴を開ける
ローンスパイクやフォークで深さ10cmの穴を10cm間隔で開け、根に空気を通します。その後に目土を薄くかけ、穴に流し込むようにすり込みます。
作業後の散水と施肥
作業後はたっぷり散水し、5月以降なら芝用肥料を月1回施します。エアレーション後1-2週間は踏圧を減らし、その後は通常の刈り込みを続けます。
植え替えに相当するのは張り芝と張り替えです。張り芝は3-6月に、床土を平らに整えた上に切り芝を隙間なく並べ、目土を薄くかけて板で軽く押さえ、たっぷり散水します。1か月は毎日水を与えて活着させ、根付いて引っ張っても動かなくなるまで踏み入らないようにします。西洋芝の種まきは3-5月か9-10月に、1平方メートルあたり30-40gをまき、薄く目土をかけて発芽までの2週間毎日散水します。禿げた部分の補修は、春に切り芝を継ぎ足すか、元気な部分からランナーが伸びて回復するのを目土と施肥で促します。全面が雑草優勢まで進んだ庭は、古い芝を剥がして床土から作り直すのが結局近道です。失敗例は、張った直後に水を切らして縁から枯れ込むことです。枯れた部分はめくって新しい切り芝に替え、残りは毎日の散水を再開すれば活着します。
時期と道具をそろえる
張り芝の適期は3-6月です。切り芝、芝の目土、レーキ、転圧用の板、スコップ、ホースを用意し、1平方メートルあたり切り芝10枚前後を目安に注文します。
床土を平らに整える
雑草と石を取り除き、深さ20cmを耕して川砂と堆肥を混ぜます。レーキで平らにならし、板で軽く転圧して水たまりの元になる凹みをなくします。
切り芝を隙間なく並べる
端から切り芝をレンガ積みのように互い違いに並べ、隙間を作らないベタ張りにします。境界は芝をハサミで切って合わせ、板で軽く押さえます。
目土をかけて散水する
芝の上から目土を5mmほど薄くかけ、ほうきで葉の間にすり込みます。土の深さ10cmまで湿るよう、たっぷり散水します。
活着するまでの水やり
1か月は毎日朝に散水し、踏み入らないようにします。引っ張っても動かなくなったら活着の合図で、5月以降に最初の芝刈りと施肥を始めます。
芝生の増やし方は補修の技術そのものです。生育期の5-9月に、薄くなった部分へ芝の目土を5mm程度かけ、芝用肥料を1平方メートルあたり20-30g施して散水すると、周囲からランナーが伸びて数か月で塞がります。目土は年1-2回、3-4月と9月に全面に薄くかけるだけでも、凹みが埋まって芝が密になります。急ぐ場所は張り芝の余りを鉢で育てた補修用ストックを切って継ぎ張りするか、元気な部分からランナー付きの株を移植します。西洋芝は3-5月か9-10月の追いまきが効き、薄い部分に種を1平方メートルあたり15-20gまいて目土をかけ、2週間毎日散水します。高麗芝は種が流通しにくいため、切り芝の継ぎ張りが基本です。失敗例は、補修部分を踏み続けて何度もむき出しになることです。ロープで囲って1か月踏まないようにし、目土と散水を続けるとランナーが定着します。
時期と道具を準備する
補修の適期は生育期の5-9月です。芝の目土、芝用肥料、ほうき、ホース、必要なら補修用の切り芝と園芸バサミを用意します。
禿げた部分の原因を除く
コガネムシの幼虫なら捕殺し、水たまりなら目土で凹みを埋め、踏圧なら動線を変えます。原因を残したまま補修すると再び禿げます。
目土と肥料をすり込む
薄くなった部分に目土を5mm程度かけ、ほうきで葉の間にすり込みます。芝用肥料を1平方メートルあたり20-30g施し、たっぷり散水します。
急ぐ場所は継ぎ張りや追いまき
広い禿げは切り芝を大きさに切って継ぎ張りし、板で押さえて目土をかけます。西洋芝は種を1平方メートルあたり15-20g追いまきして目土で覆います。
補修した部分の養生
補修部分をロープで囲い、1か月は踏まずに毎日散水します。周囲からランナーが伸びて塞がったら、通常の刈り込みと施肥に戻します。
三大敵は雑草、コガネムシの幼虫、病気です。雑草の最強の予防は密な芝そのもので、月2-4回の刈り込みが効きます。侵入初期は手取りし、広がったスギナやチドメグサには芝を傷めず雑草だけ枯らす芝用の選択性除草剤を規定通りに使います。コガネムシの幼虫は9-10月に根を食べ、芝がカーペットのように浮いて剥がれるため、めくって幼虫を捕殺するか専用薬剤を散水します。病気では、春はげ症やラージパッチが直径30cm-1mの円形に枯れる症状を出し、水はけ改善とサッチ除去、日中の散水を避けることが予防の本丸です。失敗例として、秋に部分的に浮いた芝を放置し、翌春に直径50cmの禿げが広がることがあります。幼虫を駆除して目土と施肥をすれば、5月以降に周囲からランナーが伸びて塞がります。
3-6月が張り芝の適期で、張った直後は毎日、既存の芝は乾いたら散水します。肥料は5月から月1回始めます。日当たりの良い場所で、3-4月にサッチングとエアレーション、目土で目覚めさせます。春はげ症の円形の枯れに注意します。
乾燥のサインが出たら朝に20-30分散水し、月1回の芝用肥料を続けます。芝刈りの最盛期で月2-4回、刈り高20-30mmで刈ります。日中の散水は蒸れを招くので避け、ラージパッチや軸刈りによる茶色化に注意します。
水やりは乾いたらに戻し、9月に最後の施肥をします。10月に最終刈り込みで冬支度をし、目土を薄くかけると翌春の立ち上がりが良くなります。日当たりは変わりませんが、コガネムシの幼虫で芝が浮いて剥がれていないか確認します。
高麗芝は休眠して枯れ色になりますが正常で、水やりも肥料も不要です。日当たりの良い場所のままで構いません。霜柱の時期は踏圧を減らし、落ち葉を掃いて春を待ちます。冬に雑草が伸びていれば手取りしておくと、春の雑草が減ります。
10月の作業をくわしく知りたいときは秋の植え替えの記事も参考になります。
原因
コガネムシ幼虫による根の食害。根を失った芝はカーペットのように浮く。
対策
剥がれる部分をめくって幼虫を捕殺するか、専用薬剤を散水します。被害部は目土と施肥で周囲からのランナー回復を促し、広ければ春に張り替えを。
原因
刈り高を一度に下げすぎて、成長点ごと刈り取った。
対策
目土を薄くかけ、施肥と散水で養生すれば生育期なら数週間で回復します。以後は一度に葉の3分の1までの刈り高ルールを守り、伸びすぎた芝は数回に分けて徐々に低くします。
原因
乾燥による水切れ。猛暑に1週間以上雨がないと起きやすい。
対策
朝5-8時に土の深さ10cmまで湿るよう20-30分散水します。高麗芝なら根は生きていることが多く、2-3週間で緑が戻ります。日中の散水は蒸れを招くので避けます。
原因
ラージパッチや春はげ症などの病気。水はけの悪さ、サッチの蓄積、日中の散水が誘因。
対策
枯れた部分のサッチをかき出し、エアレーションと目土で水はけを改善します。散水は朝に限り、広がる場合は芝用の殺菌剤を規定通りに使います。回復には目土と施肥で周囲からのランナーを促します。
原因
日照不足と水はけの悪さ、踏み固めで芝が弱り、コケに置き換わっている。
対策
コケをレーキで剥がし、エアレーションと目土で土をほぐして排水を改善します。日照を増やせないなら、耐陰性のあるTM9や日陰用の西洋芝に張り替えるのが現実的です。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
芝生の花言葉は「私はあなたに屈しない」とされます。踏まれても擦り切れても、ランナーで再生し続ける強さが由来といわれています。庭では、整った緑の面が建物や花壇を引き立てる背景の役割を持ち、子どもや犬が安心して遊べる場所にもなります。
風水では、整った緑の絨毯が家の土台の気を安定させるとされ、庭の中心の芝生は家庭運を落ち着かせるといわれます。手入れの行き届いた芝は家の第一印象を整えるため、縁起以前に暮らしの満足度を上げる庭の役割があります。根拠のある話ではないので、日照と管理のしやすさを優先して配置してください。
原因の特定が先です。日陰なら木の成長で日照が減っているので枝の剪定か耐陰品種への切り替え、踏圧なら動線に飛び石を設置、軸刈りなら目土と施肥で養生、コガネムシの幼虫でめくれるように枯れるなら駆除、水たまりなら目土で凹みを平坦にします。原因を除いた上で、春に目土と芝用肥料と散水のセットで養生すれば、周囲からランナーが伸びて数か月で塞がります。急ぐ場所は切り芝の継ぎ張りが確実です。
高麗芝や野芝など日本芝なら完全に正常です。日本芝は冬に休眠して地上部が枯れ色になり、4-5月に緑が戻る一年サイクルで、枯れ色も冬の芝生の風情です。この時期にやるべきことはなく、むしろ霜柱の時期に踏み荒らさないことだけ注意してください。冬も緑の庭が譲れない場合の選択肢は、西洋芝への転換(夏管理の手間が増えます)か、秋に西洋芝の種を上まきするウィンターオーバーシードの2つです。
雑草対策の本丸は芝を密にすることで、薄い芝は雑草への招待状です。生育期の刈り込みを月2-4回に増やして分げつを進め、月1回の施肥で芝の勢いを上げ、目立つ雑草は根から手取りし、広がったスギナやチドメグサには芝を枯らさず雑草だけに効く選択性除草剤を規定通りに使います。1シーズンこのセットを続けると、翌年は芝が優勢な循環に入ります。全面が雑草優勢まで進んだ庭は、春の張り替えが結局の近道です。
高麗芝は刈り高20-30mm、生育期の5-9月に月2-4回が目安です。守るべきは一度に葉の3分の1までしか刈らないことで、伸びすぎた芝を一気に低くすると成長点ごと刈る軸刈りになり、茶色い地肌が出ます。こまめに刈るほど分げつが進んで密になり、雑草が入る隙がなくなります。TM9は成長が遅いので年3-5回で足ります。刈りかすは集めて捨て、刃はシーズン前に研ぐと切り口がきれいで病気が減ります。
TM9は高麗芝の改良品種で、草丈が通常の半分程度にしか伸びないため、芝刈りが年3-5回で済むのが最大の違いです。葉が細かく密で、緑色もやや濃く、耐陰性も通常の高麗芝より少し高いとされます。一方で価格は2倍前後で、成長が遅いぶん禿げた部分の回復に時間がかかります。日照や水やり、冬に枯れ色になる性質は高麗芝と同じです。芝刈りの手間を減らしたい家庭に向き、頻繁に刈る余裕がある庭なら通常の高麗芝で十分です。
芝生の季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
10月の作業と、芝生の手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。